ワンピースもいいけど。。逆艪
こんばんは。
門之助さんのblogに、
スーパータンバリンを持った猿之助さん!!
Tシャツも’ゆず’でした。
私の一番の楽しみはワンピースです。
ですが2年前、ワンピースばかり通っていたら、
無性に歌舞伎座でゆったりした歌舞伎が観たくなったのも事実。
やはりいろんなジャンルがあって歌舞伎だなぁと思う。
私の場合は亀治郎さんのことを観た時に、
遥か遠い江戸時代から継がれている’血’を感じました。
ラジオで猿之助さんが言ったように、
歌舞伎が今でも瑞々しいのは’変わらないもの’を持っているから。
その変わらないものにより近づけるのが、
私の場合は時代物や世話物だったりします。
この丸9年、お陰様で毎月歌舞伎を楽しんでこられました。
だからこそ楽しめるワンピースがあります。
ワンピースから歌舞伎を好きになった皆さんも、
その楽しみ方があると思う。
それぞれでいいのです。
ただ、ワンピースに出演している歌舞伎役者さんは、
今、秀山祭で上演している「逆艪」のような時代物も
演じることができる人たちなのです。
その幅たるや。。
だからワンピースもいいけれど、
平行して歌舞伎公演を行っている歌舞伎座や国立劇場も観ると面白い。
さらにワンピースの良さもわかるかもしれない。
歌舞伎の醍醐味もそれぞれでいいと思う。
現在、歌舞伎座では秀山祭真っ最中。
魁春さんが休演なさり、突然の代役に東蔵さん。
祈ることしかできませんが、
千穐楽までチームワークで乗り越えてほしいです。
夜の部の「逆艪」は何度か拝見しています。
あまり私的に得意ではないお話(笑)
ラストの立廻りの場面が大好きです。
’逆艪’とは、
船は通常は前にしか進めないのですが、
後ろにも進めるようにする技術。
戦いに有利になるので、
松右衛門はその技術を会得しようと、
漁師の権四郎の娘の婿になります。
松右衛門は実は木曽義仲の家臣、樋口次郎兼光でした。
身分を隠し、主君の仇である義経を討とうと考えています。
松右衛門の女房およしには、元々子供がいました。
松右衛門を婿にする前に亡くなった旦那を忍んで西国巡礼をした際、
実は子供が入れ替わってしまいました。
およしは、入れ替わった子供をかわいがり、
いつか本当の息子と逢えることを願っています。
可愛がっているのは、木曽義仲の忘れ形見「駒若丸」でした。
もう片方の母親、実は木曽義仲の妻と’およし’の本当の子供は、
義経方に殺されてしまいます。
その一行にお供していた’お筆’は、
木曽義仲の本当の子供、駒若丸を返してほしいと権四郎の家に来るのです。
でも、権四郎の娘 およしの子供は身代わりに殺されてしまっています。
権四郎は怒って駒若丸を返そうとせず。
そこで松右衛門が正体を明かします。
知らずに育てていたのが主君 木曽義仲の実子。
家族になれたことを感謝し、権四郎を説得します。
そして、お筆に駒若丸を返すのでした。
場面変わり、逆艪の練習風景。
ここが可愛い。
舞台一面の大海原に、子役さんたちが松右衛門他を演じます。
子役だと、一行が遠くにいるように見えますね。
でもしっかり貫禄があり、形も綺麗!小さい歌舞伎役者。
その後、大人の場面となり大立廻り。
樋口の計画がバレていて、義経方に襲われます。
義経方の畠山重忠により、駒若丸が助かることになり、
樋口は大人しく捕まります。
吉右衛門さんの華と大きさは、
木曽義仲四天王一人、樋口に重なります。
こんなに立派なら義仲はどれだけ大人物なの!?とまで思う。
前半、町人だけど品があり、花道の出は圧巻です。
身分を明かすところはゾクッとします。
武将として生きる人だけど、家族への愛は、
普通に生活する人たちと同じだと温かさを感じました。
権四郎の歌六さんも感情もすごく伝わってきました。
歴史の名を残さない町の人たちも戦っている。
こんな人たちがたくさんいただろうと想像します。
とてもストレートで、庶民の私は歌六さんに共感できました。
およしの東蔵さん、お筆の雀右衛門さん。
船頭女房と武家に仕える女性。
その対比が面白いです。
子役さんが達者な方でした。
畠山の左團次さんの懐深く、知的で素敵でした。
あったかい人。
吉右衛門さんの立廻りは、
命を削っているのではないかと思うほど。
遠目で見ると全体のフォーメーションも面白いです。
この演目は観れば観るほど。
吉右衛門さんの迫力が観るたび変わらない不思議。
いつか若手が演じる時のために、
吉右衛門さんの樋口を観ることできてよかったです。
ワンピースもいいけど、歌舞伎座もいいですよ。
有難うございました。
aya。
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