坂崎出羽守@国立大劇場

こんばんは。


ワンピースはあと6公演です。

いよいよ千穐楽が見えてきました。


今日の私は国立大劇場へ。

松緑さん主演の「坂崎出羽守(さかざきでわのかみ)」

梅玉さん主演の「沓掛時次郎(くつかけときじろう)」

二つの新歌舞伎。


ともに初見なので、

事前に評判などは耳に入れずに行きました。


すっごく面白かったです。

というか解りやすくて見やすい。

こんなにそれぞれの人物の心理が明解に書かれているとは思わず。


チラッと聞いた感じだと、

とても悲しく暗い話のようだったのですが、

確かに切ないけど、想像以上に明るく、

余韻は良い芝居を見せていただいたなぁというウキウキした感じ。


「坂崎出羽守」は、松緑さんのお家芸。

松緑さんは初役だそうですが、

とても惹き込まれました。



坂崎出羽守は実在の人物で、

大坂夏の陣の際に、徳川家康の孫娘・千姫を大坂城から救い出しました。

見事救ったら千姫を嫁にやる、と家康から言われていた坂崎。

ですが千姫に嫌われて、挙句の果てにはライバルに千姫をとられます。

そして、騒動を起こし、自刃したと言われています。


この逸話を物語にしたそう。


戦火の中、千姫を救い出し、顔には大やけど。

性格は不器用。

スマートイケメン男子に千姫の心を奪われる。


1回目の幕間、

友人に「可愛そう~~切なすぎる」と訴えた(笑)


松緑さんは観ていてじれったくなるほど不器用で、

千姫に喜んでほしくて、やればやるほど裏目に出る。


世の女性はそんな男性を可愛いと思う人もいると思うけど、

千姫は違う。。。。。。


梅枝さん演じる千姫は容赦なく坂崎に冷たい。

私の心の中では「こらぁ~梅枝~」と、

もはや呼び捨て状態(すみません。。)


梅枝さんがひどすぎる。。

戦火の中を救い出してくれたのは坂崎なのに。

イケメンでスッとした本多に見とれるばかり。

本多は坂東亀蔵さん。


亀蔵さんは憎たらしくなるほどスマート。

声もいいしな。


魚釣りをすれば本多のほうが釣れる。。

剣術で戦って本多が負けるのに、

千姫は勝った坂崎より、本多の怪我を心配する。。。


ああああ。。。松緑さん可愛そう。。


でもそんな松緑さんを一生懸命盛り立てようとする

家臣の歌昇さんがとても心強い存在でした。

歌昇さんもまた真っ直ぐで不器用な人。


橘太郎さんの家老が適役で、

この人がいれば坂崎は大丈夫と思えました。


千姫についている局の萬次郎さんがとても存在感があり、

左團次さんでグッと締まります。


後半は、どうしても坂崎の嫁にはなりたくない千姫の言い分、

孫には甘い家康の策など。


千姫は現代の女子のような価値観に感じたけど、

女性の本能なのかな。。と思う。


どの人に嫁ぐか、どの人の子を産むか。。

自分で決められない世の中であるからこそ、

その本能は研ぎ澄まされて、ここぞという時に発揮する。

女性はどんな時代も強いのかも。


それにしても。。

誰かもっと坂崎の味方はいないのかと切なくなるばかり。


家康は梅玉さん。

飄々とした中にどっしりと腹が座った感じ。

姿が舞台にはなくともその気配を感じるのがすごい。


松緑さんがどんどん追い詰められていく姿がリアル。

追いかけても手に入らないものはある。

人の心はなおさら。


もはや執着のみなのか、

どうすれば幸せになれたのか。

何だか考えちゃう。


すごくのめり込んでしまいました。

松緑さんのストレートプレイ。

心に響きました。


それと、背景の絵や大道具がとっても素敵!

船のシーンの雄大なこと!

幟が風になびいたりして、海風も感じます。


あんな角度で船が舞台にあるのは初めてです。

客席も船の一部になり、一緒に乗っているようでした。


ラストシーンの行列の灯りもすごいです。

歌舞伎の工夫がてんこ盛り。


舞台の広さが自由自在。

時には海の上の船、山に囲まれたお城、

時には座敷一室の空間。


お芝居が面白かったのは、

いつもに増して素晴らしかった背景や道具にあります。


どの瞬間も興味津々でした(笑)

有難うございました。


友人と「十八番」で食事。

梅弁当1600円也。

35分の幕間で食べきれて、お話もできる丁度良い量。

ちょっぴりお話が切ないから、一人でなくてよかった(笑)

ありがとう。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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