伽羅先代萩。

こんばんは。


エンスタの海の風景に癒されました。


納涼歌舞伎はどの部も盛り上がっている様子。

私は来週に三部を観に行きます。

楽しみです。


弥次喜多はパロディの連続で、

本興行では観ること叶わないであろう猿之助さんを楽しめます。

びっくりしたお役もありましたし。


初回は無心に楽しみましたが、

次回はパロディがどのくらいわかるか真剣!?に観てみようと思います。



さて、第一部「伽羅先代萩」のお話。

何度も拝見している’御殿’’床下’の場面です。


これぞ中村屋!そして納涼歌舞伎だと感動でした。


乳人政岡を初役で演じる七之助さん、

政岡の子、千松は勘太郎くん、

若君の鶴千代は長三郎くん。


配役の発表があった時から胸がいっぱいですが、

実際に目の当たりにしたら、

納涼歌舞伎で観た勘三郎さんが甦ってきて、

切なくなるやら、嬉しいやら。


これで八汐役が勘九郎さんだったら。。と妄想してしまう。


七之助さんの政岡は、

今まで拝見してきた玉三郎さん菊之助さん、藤十郎さん方と

全く違った雰囲気の印象が残りました。


玉三郎さんが指導なさったということで、

無意識に玉三郎さんのように静の中に激を感じる政岡になるのかな。。

そう思っていました。


でも、良い意味で裏切られ、新鮮でした。

目が印象的。


鶴千代を守らなければならないという緊張感ある目。


’飯炊き’と言われる茶道の作法での食事作りでは、

緊張感の中でも、千松と鶴千代を背中で感じて、

二人への深い愛情を感じました。


三人の雰囲気は、勘三郎さんを観て感じてきた中村屋の空気。

ふと風が吹いたように甦りました。


七之助さんの言葉ではないけれど、

勘三郎さんが観たらどんなに喜ぶかと。。


それに、小さい勘太郎くん長三郎くんにその魂が継がれていることに

歌舞伎ならではの感動を味わいました。


目の前で千松を殺される場面の政岡はとても激しかった。

目は殺気立ち、メラメラ炎が見えるよう。


こんなに激しい政岡は初めてかも。

それでも必死に冷静に鶴千代を守っている姿に愛情を感じました。


誰もいなくなり、

鶴千代の代わりに死んだ千松を抱き寄せ嘆く様子に

心奪われました。


悲しみは深く、観ているこちらの胸が痛くなる。

千松が勘太郎くんというのは、

七之助さんの力になったのだと思う。


幼い二人が七之助さんの存在に心強いのと同じように、

きっと七之助さんも甥たちの存在が力になったのだと思う。


やはりこの空気感は今月しか味わえない。

観てよかった。


勘太郎くん長三郎くんの成長がすごい!

勘太郎くんは父 勘九郎さんを、

長三郎くんは勘三郎さんを彷彿とさせました。


しっかりと古典に向き合っている二人に感動してしまう。


沖の井役の児太郎さんが存在感ありよかった。

何だろう、目がいく役者さんになりましたよね。


栄御前の扇雀さんが登場すると無性に嬉しくなります(笑)

さらに納涼歌舞伎らしくなる。


八汐役は、普段立役を演じる役者さんが演じるお役です。

幸四郎さんが憎々しく演じています。


で、びっくりしたのが、

その後の’床下’では幸四郎さんは仁木弾正になって登場。


悪の二役目(笑)

こちらは幸四郎さんでも何度も拝見している安定のお役。

妖しい雰囲気が素敵でした。


三階から観る時のお楽しみは、

仁木が花道を引っ込む時の影。


花道の姿が見えなくなっても、

蝋燭の灯りで影が定式幕に延びていくのです。


影には命が宿っているかのように不気味。

これは是非、席を立たずに観てほしいです。


荒獅子男之助役の巳之助さんにもびっくり!

声も見た目もさらに大きく太くなっていました。

短い出番でも大満足でした。



一番、納涼歌舞伎らしい一幕だったと思う。

まだ三部を観ていませんが(笑)


何だか懐かしい気持ちになりました。


子供が殺されたりして、

気分がいい話ではないけれど、

中村屋のパワーで後味が悪くないのです。


この感覚は今月だけだと思うので、

多くの方に観てほしいです。


いいお芝居を観たなぁ。。。



有難うございました。




aya。






aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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