伊達の十役@明治座
こんばんは。
暑い日が多くなり散歩が夕方になっています。
テイクアウトも近場のお店で楽しむようになりました。
季節が進んでいます。
さて、5月と言えば、
明治座で歌舞伎公演を観た思い出がたくさんあります。
猿之助さんが本興行で
初めて「四の切」を上演したのも明治座でした。
猿之助さんの思い出以外に衝撃的だったのが、
2014年5月の幸四郎さん(当時 染五郎)初役の「伊達の十役」です。
伊達の十役は’三代猿之助四十八撰’の一つ。
七世團十郎が初演し、途絶えていたものを、
猿翁さんが昭和54年にほぼ新作として明治座で復活させました。
記事によると、明治座4月公演が大盛況となり、
急きょ7月歌舞伎座でも上演されたとか。
猿翁さんは9回演じているそうです。
私は当時の公演を観た方から散々(笑)伊達十の凄さを聞いていました。
だからいつか猿之助さんで観てみたいと思っていたのです。
でも猿之助さんは一度も演じていません。
猿翁さんはいろいろな方に自分の作品を
演じて繋いでほしいと思っていらっしゃるようです。
最初に伊達十に挑んだのは海老蔵さんでした。
何回か上演し、私も二度ほど観に行っています。
次に幸四郎さんでした。
ただ、お二方が演じる時にサポートするのは
常におもだか屋一門の皆様でした。
写真は幸四郎さんが初役で演じた時のポスターです。
一人で10役、40回以上の早替りがあります。
その10人が並んでいます(笑)
このポスターが大好きでした。
海老蔵さんで観ていたので、
幸四郎さんも一度観に行こうか。。。
なんて軽く思っていたのにハマってしまった(笑)
心意気に感動でした。
リピート×2。
千穐楽も追加してラストは泣いてしまった。
三幕構成で、
一幕で圧巻の早替りを見せ、
二幕は政岡のお芝居をじっくり楽しみ、
三幕では、これでもかの怒涛の早替り。
幸四郎さんは観るたびに芝居を深め、
早替りのスピードアップが尋常ではなかったのです。
途中、自分は誰なのかわからなくなってしまったのか、
セリフを間違え、アレ?みたいなこともありました。
でもそれが伊達十の壮絶さを物語っていました。
千穐楽では、
道哲の鎌の刃がパカッと取れてしまったのですが、
可笑し味ある道哲キャラですから、
その場でパカッとはめ直すという(笑)
客席は笑いが起きてました。
その後、その鎌を与右衛門として持つ時に、
刃がハマっているかアピールする幸四郎さんがまた笑えた。
この公演が楽しくて楽しくて伊達十が大好きになりました。
幸四郎さんはその後、博多座で演じ、
三回目はなんと幸四郎襲名公演でした!
もうこれにはびっくりしました。
おもだか屋の演目を自身の襲名でかけるとは。
幸四郎さんの愛を感じました。
それに感動して日帰り遠征で伊達十を観に行きました。
「裁き裁かれ、殺し殺され、生き変わり死に変わり、宙を翔び、地に潜り。。」
口上を聞いたとたんに私もスイッチが入ります。
さらにブラッシュアップされていました。
博多座まで行ってよかった。
こうして繋がっていくのだと、
観る側として体験させていただきました。
そこに猿之助さんがいなくても、
おもだか屋の芸が歌舞伎界に残っていく。
また幸四郎さんから誰かに繋がるのですよね。
猿之助さんでも観てみたいけどないかな。
新緑の中、明治座までの道を何度歩いたでしょう。
爽やかな風も思い出です。
aya。
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