歌舞伎座ギャラリー演奏会
こんばんは。
日中は暑かったのに、夜は風が冷たくなりました。
以前から聞きに行ってみたいと思っていました。
「歌舞伎座ギャラリー演奏会」
第13回にして初めて参加することができました。
歌舞伎の長唄囃子方、田中傳左衛門さんが主宰する演奏会です。
歌舞伎音楽を広く楽しんでいただきたいという想いがあるそうです。
「歌舞伎夜話」と同じ会場、歌舞伎座ギャラリーでの約30分間。
当日、ギャラリーの観覧料600円を払えば誰でも聞くことができます。
松竹歌舞伎会の割引で500円になります。
今回は’竹本’
浄瑠璃 竹本 葵太夫さん
三味線 鶴澤 慎治さん
歌舞伎を観ているとあたり前にある義太夫節。
いつも上手に座るお二人が、写真のように舞台中央に。
せっかくなので側で聞きたくて最前列に座りました。
ものすごい迫力!
言葉が生きるというか、魂が宿るというか。
表情が動くというより、お顔の骨と筋肉が自在に動いているよう。
口の開け方、呼吸の仕方、
見ていたらワクワクしたし、感動してきた。
お尻の下に敷く小さい台が、
間近で見ると思ったより小さくない(笑)
固そうだし。
高さがあり、それに座ると前傾姿勢のようになる。
語っている姿はゴールを目指すアスリートにも見える。
これを長時間し続けるのは過酷だと思います。
圧倒されっぱなし。
始まりと終わりに床本(義太夫の詞が書いてある)を、
大切に顔の近くまで持っていく姿に神聖な気を感じました。
鶴澤さんも舞台で拝見する方。
お二人で目を合わせることはないのに、
なんでこんなに呼吸が合うのでしょうか。
深い、秋を感じる濃厚な音色に酔いしれました。
曲は「関寺小町」
竹本では珍しい舞踊曲だそう。
詳しくわからないけど、「花競四季寿」の中の秋の曲。
春は「萬歳」夏は「海女」冬は「鷺娘」で四段からなります。
演奏前に、葵太夫が解説をしてくださいました。
お話も上手でユーモアがあり、優しい口調。
話が長いのは、曲が短いからです!とお茶目(笑)
先月の「吉野川」のお話もしてくだいました。
今回、主宰の傳左衛門さんが今月は国立出演で、
代わりに演奏会を頼まれたそうです。
曲を「秋」「芝翫」というテーマで考えたそう。
この曲は、当時流行っていた初代、二代の芝翫の
変化舞踊の影響を受けて誕生したと言われているそうです。
また、六代芝翫でもある、六代歌右衛門が最後に踊ったのがこの曲とか。
内容は、美女だった小野小町が年を重ね、
訪ねてくる人もいなくなった。。という切ないもの。
しっとりと聞かせていただきました。
結びのご挨拶の時、
見学に来ていた国立劇場の養成所の生徒さん二人を紹介。
来年春には卒業し、歌舞伎の義太夫デビューとなるはず。。と。
若くて頼もしい!
ちなみに生徒さん大募集中です。
鶴澤さんにもマイクを向け、
難しくて苦労した点などは?と質問。
三味線は一音で心情などを表現しなければならない時もある。
曲中にはそういう’大事な音’というのがあるが、
その一音を良い音にするには、そこに至るまでの演奏が大切。
とおっしゃいました。
なるほど。。
鶴澤さんは来月は博多座の「石川五右衛門」にご出演。
作曲も担当しているそうですが、
台本が。。。と大変そうでした(笑)
葵太夫の来月は国立大劇場です。
こちらは行けますので楽しみです。
小さな空間に竹本が響き充満し、
不思議と心が落ち着きました。
お昼の素敵なひと時を有難うございました。
またふらっと行ってみよう。
aya。
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