早野勘平。

こんばんは。


考えてみたら、次の観劇はエノケソ!

それまではまだ忙しい日が続きますが、

楽しみがいよいよ視界に入ってきました。


国立劇場の「仮名手本忠臣蔵」の余韻に浸っています。

想えば、とても上質な空間でした。

歌舞伎好きな人たちが集まったような。


菊五郎さんの勘平は、

歌舞伎を観始めた頃に旧歌舞伎座で観ていました。

今もそうですが、ただただ楽しく観てますので、

型がどうとかわかりませんでした。


菊五郎さんの世話物のお茶目なキャラクターが好きです。

でも、五段目六段目の早野勘平はまさに悲劇の人。


先月の大序から観ていると、

勘平は象徴的な存在なのだと実感します。

この事件で人生が狂った大勢の中の一人。


その勘平を悲哀たっぷりの主人公にして、

自分が発端になり、無実の罪で追い詰められていく様を

二枚目風情で美しく演じるのが江戸の型の勘平。

三代目菊五郎が完成させたと言われる音羽屋型だそう。


私が拝見しているのはほぼ音羽屋型です。


鴈治郎型と言われる上方の型もあります。

2012年4月、猿之助さんが’亀治郎’のラストに

上方の勘平を演じました。


新橋演舞場「四月花形歌舞伎」はドキドキする配役でした。

塩谷判官を菊之助さん、高師直を松緑さん、

大星由良之助を染五郎さん、斧定九郎を獅童さん。。。


勘平を亀治郎さん、おかるを福助さん、

そして、勘平を追い詰める’おかや’は竹三郎さんでした。


猿之助さんファンクラブの会報誌によると、

「藤十郎さんの上方に伝わる型を観て、いつかやってみたい。。

立役の二枚目としての勘平よりも、

物語を重視した勘平の方が理にかなっている。。。」

と思っていたとか。


上方の型は’「どうしてこんなことに。。武士に戻りたい」

無念や怒りが根底にあると聞きました。


「色に耽ったばっかりに。。。」

この有名なセリフも上方ではありません。


衣装も、菊五郎さんが浅葱色の紋付だったのに対し、

亀治郎さんは地味な感じでした。


これは浅葱色を着るところから武士に戻ることの現れで、

見た目の美しさもあるそうです。


上方は、幕切れ、息絶える直前に羽織をはおる。

これは最後に武士になって死んでいく。。という現れだそう。


私の記憶がおぼろげなのですが、

亀治郎さんの幕切れの笑みを覚えています。


武士に戻れた喜び。

とても印象的でした。

道行から腹切りまで、ずっと武士に戻りたかったのだなぁ。。

と当時の雰囲気を想うと想像できる。



亀治郎さんは演じてみても、

上方のほうが自分にあっていると感じたそうです。


今回、菊五郎さんがすごくカッコよくて艶やかで、

世話物のひょうひょうとしたイメージが吹き飛んじゃいました。


それはきっと’型’による印象。

段取りなんて微塵も見えないのにすごいです。


猿之助さんの個性や性格から、

上方の鴈治郎型が合っているのはわかるような気がします。


でも、4年経った今なら、音羽屋型も観てみたいと思いました。


武士でありたい気持ちが全面にあるより、

色に耽っちゃうのわかる。。と思わせるほどの色男を観てたい。


あぁでも継ぐ方がいらっしゃらなければ、

次回があれば、また上方を演じるのでしょうか。

みんなが演じていない方にいきますよね(笑)


右近くんも菊五郎さんに教えていただいてましたし。。


いつかまた、4年前のメンバーで仮名手本忠臣蔵を演じてほしいです。

菊五郎さん方を観ながら思い出しちゃいました。





aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • rio

    2016.11.17 14:01

    @acco楽しめてよかったです! ここから来月へ一気にドラマティックになっていきます。 おそらく私が今まで一番拝見しているのが忠臣蔵だと思います。 型の違いや、演じる人によっても印象が変わってきます。 だから歌舞伎って同じ話を何回も観れちゃう(笑) この先、次の世代が演じていく時がまた面白いと思う。 私もまだまだ観ていきたいです。
  • acco

    2016.11.17 13:17

    国立楽しかったです!演目上楽しいという表現はおかしいですかね。。。でも本当にステキで引き込まれました。自分にこんな集中力があることにビックリするくらい😅 同じ演目でもいろんな型があるんですね。たくさんの役者さんが演じれば登場人物にいろんな解釈が生まれるのも納得がいきます。そういう違いも楽しめるくらいたくさん観劇したいです。でもまずは12月ですね。やっぱり通し狂言好きです‼️