伊賀越道中双六 2

こんばんは。


花粉症が辛い日々です。

瞼が重い。。目がかゆい。。が続いています。


さて、先日拝見した国立劇場

「通し狂言 伊賀越道中双六」の後半です。


菊之助さん演じる和田志津馬が父を殺され、

敵を追う旅が始まります。

助太刀するのは姉の夫 政右衛門 吉右衛門さんです。


志津馬は関所にかかります。

でも通行手形を持っていません。


関所の役人の娘であり、茶屋をしているお袖に、

どうにか通ることができないか頼みます。


お袖はあまりにカッコイイ志津馬に一目ぼれ。

それを察した志津馬は色仕掛け!?でお袖を取り込みます。


菊之助さんが本当に素敵!

お袖に思わせぶりな態度もドキドキするくらい(笑)

立役がさらに艶っぽくなってます。


そして、米吉さんが可愛い!

体のラインがほっそりしてさらに美人さん。

世話物がテンポよくなりましたよね。

先月のお初で鍛えられたと思います。

2年前のお袖と全然違いました。


志津馬に見とれてボーっとするところも、思わずクスッとしちゃう。

’間’がいいから可笑し味が生まれ、会場全体が明るくなりました。

とても華がある女方さんになってびっくりしました。


そこにやってくる奴の助平は又五郎さんの二役目です。

又五郎さん最高!ずっと観ていたいくらい楽しい奴。

オンステージです(笑)

しつこくなく、さらっともしていない、絶妙な面白さです。


で、結局は助平の通行手形をお袖が盗んで志津馬に渡し、

手に手をとって道行となります。

奴は盗まれたことに気がつかず可愛そう。。


さらに政右衛門がやってきて、手形を持っていないため、

関所の裏道を入っていきます。

ここで初めて吉右衛門さんが登場です!

会場がザワつきました。


捕手たちに見つかり立ち廻りになります。

花道で提灯を持って見得をする吉右衛門さんが

カッコよくてしびれました。


吉右衛門さんは逃げることができますが、

手形を無くし、同じ裏道を行く奴は捕まってしまう。


そして「岡崎」

雪降る中、志津馬とお袖が、お袖の実家にやってきます。

実はお袖の父 幸兵衛は、志津馬の敵 股五郎の味方でした。

志津馬は名前を股五郎と偽り宿泊します。


そこへ政右衛門もやってきます。

政右衛門は幸兵衛の弟子で15年ぶりの再会でした。

政右衛門も今の名前を伏せて、

幸兵衛から敵の股五郎の居所を探ろうとします。


幸兵衛は歌六さん。

歌六さんの出にハッとして感動しました。

只者ではない空気感です。


妻のおつやは東蔵さん。

もうすごく贅沢な配役です。


またまたそこに偶然、政右衛門の妻 お谷の雀右衛門さんが

赤ちゃんを抱えてやってきます。


政右衛門は素性を知られたくないので、

雪の中を追い返し、赤子まで手にかけてしまいます。


雀右衛門さんの深い悲しみを思い出すと、

今でも胸が締め付けられます。


ここはとても残酷な場面なのですが、

政右衛門の非情になりきれない空気が伝わって、

切ないし、同情する気持ちも沸いてきます。


だからこそ、それを見た幸兵衛も本心を見抜いてしまう。

自分が味方する股五郎の行方を教えてあげるのです。

この心の流れがすごく自然で説得力があります。


お袖も全てがわかり、志津馬を諦め出家します。

白無垢姿に心が痛いです。


義太夫は葵太夫、三味線は豊澤長一郎さん。

2年前もお二人でした。

とても重厚感あり、お芝居と一体となって、

この場面の総合力の素晴らしさを体感させていただきました。


大詰では、志津馬と政右衛門が本懐を遂げます。

大立ち廻りは圧巻でした。


隼人さん種之助さんも勢いがあり気持ちいいです。

菊之助さんの殺陣の美しさも堪能。

錦之助さんの悪の華も全開でした。


あの発端があり、このラストがある。

通しで拝見すると何とも言えない切なさがあります。

同時に清々しさもあるのです。


一緒に旅した気分です。


今、このお芝居のベストメンバーなのかもしれません。

今回を見逃さないほうがいいのかも。

叶う方へ是非、足を運んでほしいです。


楽しませていただきました。

有難うございました。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

0コメント

  • 1000 / 1000