奴道成寺で春。
こんばんは。
今日も歌舞伎座に行ってきました。
「四月大歌舞伎」夜の部です。
昼もいいけど夜もエキサイティング!
「傾城反魂香」通称’吃又’は、
吉右衛門さんの又平、菊之助さんのおとく夫婦が、
優しい春の日差しのように温かなイメージ。
菊之助さんは初役だそう。
今までのおとく役の方が、少しせかせかした感じだとすると、
菊之助さんはゆったりおおらかな印象でした。
お相手が吉右衛門さんだからかもしれませんが。。
とても新鮮な吃又で楽しかったです。
「桂川連理柵」帯屋は初見でした。
すごい話ですね(笑)
藤十郎さんが若い!染五郎さんが面白い!
そして壱太郎さんの二役お見事です!
壱太郎さんの丁稚役は大胆な三枚目でした。
イメージ変わりました(笑)
でもその後、可愛らしい女性で登場してくれるからホッとします。
丁稚の後だから倍可愛く見えます(笑)
お爺様の藤十郎さんと恋仲だなんて。。
歌舞伎の醍醐味ですね。素敵でした。
二つのお話でほろっとした後は、待ってました!
猿之助さんの「奴道成寺」
三代猿之助四十八撰の内の一つです。
舞台一面の桜。そして鐘。
この光景を見て胸がいっぱいになりました。
約9年前、猿之助さんを初めて観たのが「京鹿子娘道成寺」でした。
その亀会の舞台が一気に心に甦ってきました。
所化の皆様の後、満を持して登場した猿之助さんを観たら涙。
奴道成寺は男性バージョンですが、シチュエーションは同じです。
しかも最初は花子として登場します。
七三で振り返り、扇で鐘を指す姿に心を射抜かれ(笑)
あの時と同じようにドキドキが止まりませんでした。
歌舞伎座で猿之助さんの道成寺物を観ることが叶うなんて幸せです。
観ている間、何だか泣けて(笑)
狂言師左近になりカッコよさにしびれました。
立役の姿がどんどん素敵になります。
色気もあり、何だか遠い人になったようでもありました。
段之さん段一郎さんが後見を務めます。
二人の登場が絶妙だし、美しい。
中央の猿之助さんの後ろに二人が見えることが嬉しくてまた涙。
猿之助さんの舞は軽やかで春風のよう。
表情が豊かで、優しくて。
猿之助さんの舞踊は好きだけど、
これほど好きだと思わせてくれる舞踊に出合えたのは久しぶり。
三つ面は段一郎さんの後見。
安心して見ていられます。
でももっとキレキレになっていくはずです。
段之さんとの引き抜きも鮮やか。
これが猿之助歌舞伎なのだとワクワクしっぱなしでした。
猿之助さんの舞は後半に向けてヒートアップしていきます。
気迫が三階まで伝わりました。
所化の皆様を見ている余裕がなくて(笑)
皆様、猿之助さんにけっこう絡むので面白いです。
初舞台の龍生くんが頑張っていて可愛かったな。
あっという間の45分間。
前の演目ではわりとどのタイミングでも静かだったのに、
奴道成寺は拍手で湧いていました。
やはり猿之助さんは魔法の粉をかける人。
叶う方は是非、魔法にかかりにきてください。
猿之助さんの笑顔で一気に春めきました。
感謝。
aya。
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