伊勢音頭。

こんばんは。


朝、冷蔵庫が役目を終えて永眠していました。。。

いろいろ思い出があり、引っ越す度に一緒だったので悲しいです。

でも浸っていられず、新たなものをネットで即購入。

夜には届いてしまう驚くべき時代になりました。



さて、リビングの道成寺の手拭いを観て余韻に浸っています。

奴道成寺は今すぐにでもまた観たいです。


二日間にわたり歌舞伎座を昼夜楽しみ、

猿之助さんのこれでもかの進化に心がザワザワしています。


★内容に触れますのでご注意を。



門之助さんのblogに万野の写真があったので、

舞台が甦ってきた「伊勢音頭恋寝刃」の猿之助さんのお話。


猿之助さんが万野をなさると聞き、

それはそれはびっくりしてワクワクしました。


猿之助さんの年代の役者さんが演じると思わなかったというのも一つ。

拝見して、当たり役になる予感です!


登場は会場がザワつきました。


門之助さんの写真も怖いのですが、生で観たほうがもっと怖い(笑)

万野はその場の空気を仕切っていました。


女将かと思いきや、古株の仲居なのですよね。

そこがまたリアル(笑)

あんな先輩の下では働きたくないな。


頭の回転が速く、貢の言葉にかぶってく(笑)

貢はずっと蛇に睨まれた蛙状態でした。

上方言葉の緩急が自在で、

少し聞き取りずらいところがあるのは、

私が江戸っ子の耳だからだと思う。

次回はじっくり言葉を聞いてみたいです。


目の配り方もキツイし、ああ言えばこう言う(笑)

貢の染五郎さんとの息がぴったりで、

万野の攻めに、貢が思わず腰に手をあててしまうのが自然でびっくり。

さすがに染五郎さんが可愛そうになります(笑)


貢の恋人 お紺にも会わせない。

代理の芸妓を呼ばなければ帰れ、と言う。


で、代わりを頼むと、やってきたのはお鹿 萬次郎さん。

過去、猿弥さんや芝翫さんで拝見しています。

言ってしまうと(笑)可愛くない子がやってくるのです。


萬次郎さんはさすがです。

何だか可愛らしくて愛らしくて素直。


万野はそんな一途なお鹿の心までも利用して、

貢をイジメます。


貢が追い詰められていく様子が、

すっごくリアルでハラハラしました。


さらに恋人 お紺の縁切り。

梅枝さんは美しく聡明で貫禄がありました。


キレそうになる貢を唯一止めるのが、お岸 米吉さん。

体形がほっそりしてさらに美しかったです。

観るたび存在感ある役者さんになり感動です。


一筋、爽やかな風は料理人喜助 松也さん。

すごく重要なことをする役です。

貢の家来筋で味方。

ホッとする存在でした。


万野は、貢の持っている名刀青江下坂を狙う悪党たちと組んでいました。

成功したと思い、指で手締めをする様の毒々しいこと(笑)


でもその後、貢も万野も勘違いして、

言い合いになって万野は貢に切られてしまいます。

ここから大量殺人が始まっていきます。


貢を挑発する万野は憎らしかったけど、

息絶える瞬間は美しかったです。


猿之助さんの姿形、後ろ姿もふてぶてしいのですが、

とっても艶感があるというか。。現役感がある(笑)


怖い怖い。。と書きましたが、そこは猿之助さん。

その中に可笑し味もあり、愛すべき万野でした。


染五郎さんとの掛け合いもまだまだ進化していくと思います。

万野ももっと変えてくるのではないでしょうか。


約2時間の長丁場です。

あまりかからない「追掛け」「地蔵前」「二見ヶ浦」があるからです。

前半ここがあると話に説得力が出るような気がします。


万次郎役の秀太郎さんはナヨっとしているけど品があり素敵です。

貢は命を受け、万次郎の名刀探しを手伝うのです。


そして、前半は万次郎の奴 林平の隼人さんが大活躍です。

清々しい!


猿之助さん登場まで少し時間がかかりますけど(笑)

またそれもよし。


染五郎さんを芯に、

新たな伊勢音頭恋寝刃の風が吹きました。




aya。



aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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