月形半平太。
こんばんは。
今日は明治座昼の部に行ってきました。
初めて歌舞伎化された「月形半平太」を楽しみにしていました。
平日の昼間なのにお席が埋まっている盛況ぶりでした。
★内容に触れますのでお気を付けくださいませ。
「月さま、雨が。。」
「春雨じゃ、濡れていこう」
この名台詞を愛之助さんが言うと
会場から大きな拍手が起こりました。
1917年結成された’新国劇’という劇団の代表作。
大評判となり、その後は映画やドラマにもなりました。
2月に猿之助さんが主演した「雪之丞変化」の
雪之丞を演じた長谷川一夫さん大川橋蔵さんも半平太を演じています。
作品は当時の座付作家のオリジナル。
幕末維新期のお話。
月形半平太のモデルは土佐の武市半平太だそうです。
物語には、坂本龍馬、中岡慎太郎、桂小五郎、新選組など、
お馴染みの人物たちが登場します。
明治座HPの愛之助さんのインタビューでは、
歌舞伎化するにあたり、最初は音楽は歌舞伎のテイストで、
立廻りには附けを入れて、と考えていたそう。
それを思い直して変更し、
下座音楽をBGMへ、附けの音も無しに変えたそうです。
そのほうがこの作品らしい。。と。
なので歌舞伎で観た「男の花道」「雪之丞変化」のようなテイストです。
’剣劇’いうジャンルを作った新国劇風に、
殺陣は速く、附け音が入らない、リアルを追及した形です。
お芝居なのでリアルもないのですが(笑)
そこが演劇の魅力でもあります。
今回、元新国劇の立師の方に殺陣をつけていただいているそう。
愛之助さんはとてもカッコよくて、殺陣がスピーディ!
歌舞伎役者さんの殺陣が大好物な私にとって、
瞬きできないくらい楽しい時間でした(笑)
斬られ役の皆様の死に方が歌舞伎よりオーバーアクションに感じ、
まるで時代劇俳優のようで一人一人興味津々でした。
ハイライトシーンで、BGMが♪じゃじゃじゃ~んとかかるのが楽しい。
「雪之丞変化」で慣れているので物足りないくらい(笑)
殺陣は隼人さんも魅せてくれました!
やはりこの方はワンピースが転機になったのだなぁと思う。
観るたびに進化しています。
お芝居も素敵でした。
幕末物って、男性がほぼ同じ格好に見えます(笑)
誰が誰だかわかるまで時間がかかってしまう。
その中で橋之助さん福之助さんの言い合いなどは見応えありました。
美の競演も素晴らしかったです。
半平太を慕う芸妓の梅松は、壱太郎さん。
半平太に心を奪われていく芸妓の染八は、新悟さん。
無邪気で存在がホッとする舞妓の歌菊は、米吉さん。
今を時めく若手女方三人が眩しい(笑)
それぞれのカラーがはっきり違い、輝き方も違う。
立ち姿、笑顔、話し方、三人三様の艶がありました。
壱太郎さんと新悟さんが半平太を取り合うシーンは、
もっとヒートアップしていきそう。
萬太郎さんの龍馬、種之助さんの慎太郎は、
爽やかな中にも熱いものを感じ、幕開きから引き込まれました。
お座敷の様子も風情あり、芸妓さん方が素敵でした。
吉弥さんの女将がいい~
先月の枯れたお役よりやっぱりこちらがいいです(笑)
亀蔵さんの桂小五郎はとても存在感があり、
お芝居を締めていました。
半平太の壮絶な死に、思いがけず涙してしまいました。
幕末の時代は切ない。
私は初見で、ストーリーを知らずに拝見しました。
名台詞はバラエティで聞いたくらいです。
でもとっても面白かったです。
再演がある気がします。
新国劇は今はありません。
その意思を継ぎ劇団の幕を閉じた同じ年に「劇団若獅子」が誕生。
今年は新国劇創設から100年、
若獅子創設から30年の節目だそうです。
9月の若獅子公演の記念公演に猿之助さんが出演なさいます。
「月形半平太」のどのお役なのか妄想しながら観ていました。
本家の皆様の月形~はどんな感じなのでしょう。
ワクワクしています。
歌舞伎初のタイミングは貴重です。
叶う方は是非。
愛之助さんは、芯があり強くて優しい半平太でした。
楽しませていただきました。
有難うございました。
aya。
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