松竹座夜の部 ２

こんばんは。

獅童さんのコメントに胸がいっぱいになりました。

体が大事、命が第一です。

いつまでも待っています。

さて、大阪松竹座 夜の部の続きです。

「怪談乳房榎」を拝見するのは５回目です。

初見の時は、勘三郎さん橋之助さん(現芝翫)福助さんというメンバー。

小山三さんも出演なさっていました。

だんだんと時を経て進化し、この演目は海外でも成功をおさめ、

歌舞伎座で凱旋公演も行いました。

今では勘九郎さん七之助さん、中村屋の代表作です。

忘れていることも多く、観たら色々なことを思い出しました。

勘九郎さんは菱川重信、下男正助、うわばみ三次の三役。

私が言うのもおこがましいですが、

勘三郎さんとは全く違う印象に進化してきたように思います。

重信は静、正助は情、三次は粋。

勘九郎さんの素敵な部分がそれぞれ生きていて、

三人三様のキャラクターにワクワクしました。

特に三次の時の身体能力の高さと、

姿形のカッコよさは惚れ惚れします。

早替りは超特急！

松竹座は間口が狭いので走る導線が短く、

歌舞伎座で観た時よりもだいぶ速く感じました。

早替りに行ってきますよ～みたいにゆっくりハケるのは、

以前より可笑し味があり面白かったです。

裏でバタバタ走っている音が、

客席に聞こえるのも醍醐味です。

こうして役者は奮闘している！と楽しませてくれます。

階段の早替りでは、戻ってきた勘九郎さんに

猿之助さんが「遅いよ」と言うのがツボでした。

早替りを得意とする猿之助さんが言うから面白い(笑)

まわりの方は早替りするたびに驚いていました。

完全にわからない箇所が何回もあり、なんでなんで？みたいな。

そして、勘九郎さんの正助に感情移入していく空気感でした。

正助人気が高かったように思います。

二階三階に勘九郎さんが登場するサービスには感動でした。

聞くところによると、赤坂でしてみたら評判になり、

以来続けているそうです。

私はいつも上の階だったので、

下でキャーキャー言っている声を聴くだけでした。

今回、三階にも来てくださるとは！

三階の急な階段をいきなり駆け下りてきて、

中段で止まる身体能力のすごさ(笑)

松竹座の大きさだから三階まで来てくれたのかな。

すっごく嬉しかったです。

それにしても早替りをしない猿之助さんは貴重でした(笑)

目の当たりにすると不思議な気持ちになりました。

こんな猿之助さんは初めて！

浪江役は初役です。

芝翫さんや獅童さんは正統派二枚目な悪。

猿之助さんも二枚目ですが、よりドロドロした感じ(笑)

これ褒めてます。

重信を殺害し、地位も妻も奪います。

ちょっとした間合いが可笑し味溢れていて、

強引なSぶりが、私が想像する本人のキャラに重なって面白い。

たっぷり演じているけど、

正助の言葉に間髪いれずツッコんでいくところがいい。

こういう猿之助さんが大好きです。

猿之助さんが七之助さんに迫るシーンは、こちらが照れる(笑)

やっぱり見慣れない。すみません。

でも強引さが悪の匂いたっぷりでよかったです。

七之助さんには、ハッとさせられました。

重信の妻役。

「野崎村」では少し元気ないかな。。と思ったのですが、

花道の出は華があり、姿は凛としていて大きくみえました。

美しいからモテるのが納得(笑)

寿猿さんの登場シーンが怖い(笑)

猿弥さんはお芝居を締めてくだいます。

弘太郎さんの幕前での繋ぎはさすがです！

このシーンを’おもだか屋’一門で観るのは初めてです！

海外公演の際、三人の役者さんが英語で場を繋ぎ、

凱旋公演でも英語を使っていたような。。。

弘太郎さんは一人で笑わす(笑)

お芝居の雰囲気を壊さずすごい。

次の幕まであっという間でした。

本水も盛り上がり、水中の早替りも圧巻。

勘九郎さん大活躍でした。

ラストは猿之助さんが討たれる、これまた珍しいシーン。

悪人らしくカッコよかったです。

全員がこれでもかと楽しませてくださる。

心意気に感動しましたし、

何も考えず笑ったり驚いたりできました。

この演目は作者の円朝がラストに登場するversionを観ています。

三役+サプライズの一役。

勘三郎さんの時がそうでした。

高座に一人座り結びの語りをします。

突然、客席から女性が舞台前に進み、

勘三郎さんに花束を贈りました。

仕込みではなかったと思います。

勘三郎さんはびっくりしていましたが、

終始、円朝として振る舞い、花を受け取りました。

その粋な様子にお客は大拍手！

拍手を聞きながら、会場内をくまなく見渡し、

感謝を届ける勘三郎さんに泣いた思い出があります。

劇場が揺れるくらいの拍手でした。

松竹座の熱狂を体感したら、そのことを想いました。

この演目には不思議なパワーが宿っているのかもしれません。

猿之助さんが出演なさっているのも新鮮(笑)

楽しかったです。

有難うございました。

終演後は「cafe Teクノ」へ。

以前も書きましたけど、出会いが出会いを呼び、

最高に盛り上がった夜でした。

役者さんの隈取やサインもたくさん。

松竹座に行った際には是非。

歩いては行けない距離ですが’意外に行きやすい’とのこと(笑)

大阪府大阪市北区天神橋４-8-1

天満駅・扇町駅すぐらしいです。

翌日は昼の部を思いっきり楽しみました。

aya。