好きだから構えず。
こんばんは。
歌舞伎座公演はあと4日です。
今日、歌舞伎座の前を通りました。
12:20くらいで「浮世風呂」の幕見席は立ち見の案内でした。
千穐楽に向けて混雑してきています。
先日、友人と幕見をした「一本刀土俵入」
観るたびに新鮮で、すぐまた観たくなります。
一度たりとも同じ感想はなく、
今日はどんな猿之助さんだろうとワクワクします。
この日は幸四郎さんの茂兵衛にとても心打たれました。
失礼な言い方かもしれませんが、すごくノッていました。
ピュアで、優しくて、強い。
こんな茂兵衛だからお蔦さんも全部あげたくなっちゃう(笑)
茂兵衛のピュアな心に感動するお蔦さんの心も優しい。
公演も終盤になっているのに、
この安孫子屋の二人のシーンが新鮮。
これは妄想ですが、
二人でライブな感覚を楽しんでいるようにも思えます。
役としてその時々で反応するのを楽しんでいるような。
だから猿之助さんの独り言も観るたび少しづつ違うし、
この日はよろけたけど、演技なのかハプニングなのかよくわからない(笑)
何をしてもお蔦さん。
初日頃からさらに美しくなっている不思議(笑)
外見もそうだけど、内面からも大きいのかもしれない。
公演前のインタビューでおっしゃったこと。
「お蔦は、好きだから構えずできる」
こんなふうに自分の気持ちを発言する猿之助さんは珍しいかも。
猿之助さんの’構えずできる’とはどんな感じだろう。。。
これはずっと気にしてきたけど、
お蔦さんを観ていたらわかるような気がします。
お蔦さん像がハッキリ描けていて、
何をしても役でいることができると信じているのかな。。と。
役を信じる。。。
猿之助さんを観ていると私の心が色々と揺さぶられ、
いつも妄想世界へ誘われます(笑)
そして、相変わらずお蔦が巾着を茂兵衛に投げるシーンが好きです。
そうしたら面白い記事を見つけました。
拝読しているblog「木挽町日緑」さんのある記事で、
七世芝翫さんがお蔦を演じた時の筋書の聞き書きがありました。
以下、抜粋です。
「気をつけて放らないととんでもない方に飛んでいっちゃう。
ちょうど野球でワンバウンドで一塁へ放るように、廻り舞台の盆の上に落とす。
そうするとうまく撥ねて茂兵衛の取りやすい位置に落ちます。
巾着の中身の分量にも気を使います。
大金が入ったみたいにドスンと言ってもおかしいし、音がしなくても変でしょ。
僕は必ず中身を点検します」
えー!と驚きでした。
猿之助さんはこのようにしているかは不明ですが、
毎回同じようなところに落とすなぁと感動してました。
あ、でも私の一番は、
投げる前に手の中で一度小さく投げるのが、
粋で好きなんですけど(笑)
後半の茂兵衛を思い出せないシーンもよかった。
思い出すところはもっとよかった。
やはり初演時、巡業時と各段に違うのはここだと感動です。
上手く書けないのですが、もう少しあっさりしていたような。
きっと猿之助さん自身も進化してお蔦に近づいたのです。
そして、初演時、巡業時とお蔦が進化してきたように、
観る側の私の心も一緒に成長していたら嬉しい。
猿之助さんの進化を感じる心でいられることが嬉しいです。
これが役者さんを応援するということなのかなぁと実感しています。
お芝居からたくさんの感動をいただき、
私自身も年月を経て進化していたら幸せです。
今月はそんな幸せをかみしめながら客席にいます。
有難うございます。
そろそろ見納めです。
aya。
0コメント