マハーバーラタ戦記

こんばんは。


ワンピース歌舞伎を応援する気持ちをこめて、

blogを毎日更新しています。

一人でも多くの方がワンピースに足を運んでくださるように。


でも今日は歌舞伎座に行ってきました。

なんとお隣でこんな面白い歌舞伎をしていたなんて(笑)

明日が千穐楽の「マハーバーラタ戦記」です。


ワンピース歌舞伎ならぬ、インド歌舞伎とも言われています。


世界三大叙事詩の一つだそう。

申し訳ないくらい知りませんでした。

マハー=偉大な、バーラタ=バラタ族、

偉大なバラタ族のお話です。


ワンピース漬けの日々でしたので、

評判が良いことは聞いていましたが、

一切の前情報無しに観てきました。


めちゃめちゃ面白い!

私のような殺陣好きにはたまらない。

こんな立廻りを歌舞伎座で観たかったです。


菊之助さん七之助さん松也さんの、

スピーディでキレッキレな立廻りが鳥肌もの。


私はてっきりベテラン勢が主役級だと思っていました。

でもこの三人が軸となっていてストーリーもスピーディに進んでいきます。


そして、ラストは泣けるとは思わず。。

菊之助さんのカルナが争いを終わらせるため、

自ら剣を腹に刺した時は「ええええ!」と涙してしまいました。



一族が真っ二つに権力争いをします。

いとこ同士で王位を争うのです。


神の呪いで王との間に子ができない

妻 クンティ姫と神の間に生まれた5人の王子。


対する王の兄の娘、王女ヅルヨウダ(原作では男性)

ヅルヨウダに加勢するのがカルナ。


実はカルナは太陽神とクンティ姫の子。

5人の王子と兄弟なのです。

でも、生まれてすぐに川に流されてしまう。

本当の親を知らずに育ちました。


カルナは菊之助さん。

ポニーテール風の髪がとっても似合う。

凛々しくて真っ直ぐな心の持ち主。

心の挫折を繰り返し、出生の秘密を知り、

神々の導きを得て、前に前に進んでいく。


争いを止めることが宿命だけど、

恩を受けたヅルヨウダの悪事に戸惑いながらも力を貸し、

とうとう自ら戦いに加わります。


菊之助さんの言葉の力に感動しました。

苦しみ、悩み、信じる道を見つけ出す。

戦いながら悟りを開き、

自分を犠牲にして戦いを終わらせる。


犠牲ではないのかもしれません。

それが進むべき道だった。


敵対する弟 五王子の一人アルジュラは松也さん。

その存在感は主役を張っているよう。

カルナとは対照的で争いの神 帝釈天の息子。

猛々しくて、ダイナミック。


ラストの菊之助さんとの一騎打ちがすごい。

二人の身体能力をこれでもかと活かし、

阿弖流為か!とツッコミたくなるほどスピーディでカッコイイ。

しかもけっこうな長時間。

ラストに松也さんが改心して決断するところがよかった。


刀もいいけど、二人の弓をひく姿もいい。

役者さん方全員の目線などで、無い弓が見えるのです。


阿弖流為か!とツッコミたくなったのはまだあります。

七之助さんと坂東亀蔵さんの立廻り。

七之助さんの二刀流にしびれました。


阿弖流為の殺陣は舞っているような感じでしたが、

今回はリアルで男性のように戦っていました。


女性なんだけど、荒々しく重厚。

動きが速くて、見ているこちらが息ができない。

剣先まで魂がこもってる。


ラストなんて仏倒れするのかと思ったら、

見事な階段落ちにブラボー!と声が出そうになりました。


七之助さんの、憎めない切ない悪役が素敵でした。

叫び声が耳に残ります。


菊之助さん松也さん亀蔵さんもそうですが、

どこを切り取っても美しい。

歌舞伎役者さんの殺陣はこれだから好き(笑)


殺陣のシーンだけでももっと書ける(笑)

大好物なので、初日あたりに観ていたらリピートしていたと思う。


火事のシーンがあったり、

フラッグが出てきたり。。。ワンピースを想うこともしばしば。

こういう所はワンピースの方が断然こだわっているので、

インド歌舞伎を観た方はワンピースもどうぞ(笑)


音楽が度肝を抜かれました。

オリエンタルな打楽器、木琴や鉄琴など。

演奏している姿が見えるのが楽しい。


歌舞伎座では聞いたことがないメロディと音色。

それが附けと合う。


三味線や唄とも違和感なくスライドし、

インドに行ったことないけど、

その土地の風とか気温とか熱気とか。。。

時には役の気持ちとか。。。

空気感まで変えてしまうのに感動でした。


菊五郎さん左團次さん鴈治郎さんが神様に徹し、

時蔵さんのクンティ姫の苦悩がグッと場を締めて、

児太郎さん梅枝さんが美しく花のよう。


五王子の彦三郎さん坂東亀蔵さん、

双子の萬太郎さん種之助さんもそれぞれ見せ場があり活躍。


ストーリーもわかりやすく、大詰まであっという間。

時間の感覚はワンピースのよう。


始まりは’仮名手本忠臣蔵’の大序のようで、

歌舞伎ファンには安心の幕開き(笑)


お衣装も素敵だし。。。

道具や背景、戦車、像や馬など、チームワーク抜群。


何だか悔しいけど(笑)

久しぶりに後世に続いていく予感がしました。

これは観たほうがいいです。

と言っても明日が千穐楽。


宗教が軸になっているのでセリフも心に響くものばかり。

歌舞伎とインドが見事にコラボレーションしてました。


ワンピースも負けていられない(笑)

また観る目も変わりそうです。


すごい歌舞伎が誕生してしまいました。

有難うございました。




aya。


aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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