世界花小栗判官@国立大劇場 3
今日は大寒です。
今月の歌舞伎も各座あと1週間ほどになりました。
私は猿之助さんを拝見しに歌舞伎座に行くだけになりました。
浅草歌舞伎が面白かったので、
もう一度観たかったのですが叶いそうになく。。
明日から来週にかけて今月の仕事の山がやってきます。
写真は国立劇場で見つけた3月公演のチラシです。
菊之助さんが初役で「髪結新三」の新三を務めます。
勘三郎さん三津五郎さんで楽しんだ新三。
菊五郎さんの新三も素敵。
とうとう菊五郎さんから菊之助さんへ継がれる時がきたのですね。
今から楽しみにしています。
さて、その菊之助さんが出演している「世界花小栗判官」
先日の話の続きです。
三幕目は秋です。
菊之助さん演じる小栗判官は、
菊五郎さんの盗賊 風間八郎に父を殺害されています。
世は将軍 足利義満の時代。
天下を狙う風間は足利家の重宝を盗み出します。
足利家執権の細川(時蔵さん)、そして判官が風間を追うのがストーリーの軸です。
判官は重宝を探して旅しています。
出会った万屋のお槙 時蔵さんと、お駒 梅枝さん親子(役の上でも親子)。
ともに二役目です。
重宝の一つ「勝鬨の轡」が万屋にあることを知り、
判官が見せてもらうことになります。
お駒は一目で判官の虜(笑)
万屋の場面になると、
なんと判官とお駒の祝言の日になってる!
ここまで勝手に正統派と思っていた判官が。。(笑)
照手姫という許婚がありながら二股です!
いそいそお世話をやく梅枝さんが可愛い。
一役目の女房と全く違うキャラクターですごいです。
で、またびっくりなのが、
人買いに売られてその家で偶然にも照手姫が奉公してる(笑)
右近さんからは美しさと、隠せない品の良さ。
女中頭 萬次郎さんがいいキャラ(笑)
右近さんをイジメます。
その意地悪さがツボで、本当に憎々しい。
でもユーモアもありどこか憎めなくて面白かったです。
判官がやってきて、照手姫と再会し、
轡も探していたものではなかったことがわかり、
お駒との祝言をやめて照手姫のもとへ。
ヒドイよ。。
さらにびっくりなのが、
お駒の母 お槙は照手姫の乳母なのでした。
母は照手姫の味方をして丸く収まるかと思いきや、
お駒は逆上。
梅枝さんの執着が激しくて、
こういうお役ももっと観たいなぁと思いました。
亀治郎さんのお駒はそれはそれは怖かったです(笑)
嫉妬に駆られた娘を母が殺してしまう。
この時の梅枝さんの美しいこと。
それにしても二役続けて殺されてしまうなんて。。
怨霊となり、判官を醜く足も立てなくしてしまうのです。
前の幕と全く違う展開で、
梅枝さんの魅力で惹き込まれて観ていました。
三角関係は怖い。
大詰は冬。熊野那智山。
照手姫が判官を台車のような物に乗せて引っ張っります。
菊之助さんは一転、悲しい姿。
右近さんは健気。
この場面は今月歌舞伎座の「箱根霊験誓仇討」にも登場します。
私は歌舞伎座が先だったので、
おおお。。小栗判官の場面!と懐かしくなりました。
足腰立たない勘九郎さんを
女房の七之助さんが車に乗せてひっぱります。
大詰、箱根霊験にあやかり足が治ります。
両方を観ることできると面白いと思う。
風間の手下たちに襲われるも、
熊野権現の霊験のお陰で判官の体は治り、
那智の滝つぼで復活する姿は凛々しくカッコよかった。
背景の滝が壮大で美しく圧巻でした。
ここから風間と対決、というところで、
次回に持ち越され幕。
ラストは主要なメンバーが勢揃いし
手拭い撒きがありました。
四季の美しい景観がたっぷり楽しめて、
ストーリーもわかりやすく面白かったです。
菊之助さん松緑さん梅枝さん右近さんが見せ場があり、
各場面で大活躍でした。
そして、菊五郎さんで締まる、みたいな。
まわりを固める皆様もさすがのチームワーク。
また来年も見たいなぁと思いました。
まだお正月の雰囲気が残る国立劇場へ、
皆様も是非!おすすめです。
有難うございました。
aya。
0コメント