仮名手本忠臣蔵 七段目奇数日。
こんばんは。
先ほど、大杉連さんの訃報を知りました。
あまりにも突然で声も出ません。
心からご冥福をお祈りいたします。
そして、今日は女子のパシュートで金メダル!
おめでとうございます。
女子フィギアやカーリングなど、楽しみがまだまだ続きます。
さて、月曜に拝見した歌舞伎座夜の部。
キリは「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」
仮名手本忠臣蔵の七段目です。
何度も話してきたとおり、
偶数日奇数日で配役が変わります。
奇数日は仁左衛門さんの平右衛門と玉三郎さんのお軽です。
今月の後半までとっておいた(笑)
海老蔵さん菊之助さんにも感動しました。
でもこれほど違うとは驚きでした。
空気が違うのです。
これは体感しないとわからないことでした。
ニザ玉コンビといつから言われているのかな。。
私はお二人がよく共演していた頃を知りません。
でも、今までお二人の共演を観たことがあります。
それでも七段目を観てやっと納得しました。
お二人の呼吸が一つ。。
次第にお客の呼吸も合っていく感じ。
兄妹なのに何でこんなにドキドキするの(笑)
仁左衛門さんの耳に顔を寄せて話す玉三郎さんの色っぽいこと!
これは本来、お軽が持つ天性の色気なのかもしれない。
玉三郎さんは、白鸚さんの由良之助といる時と、
兄の平右衛門といる時と明らかに雰囲気を変えていました。
お客への甘え方、兄への甘え方。
兄を前にした玉三郎さんはとても可愛らしい。
身請けされる喜びを溢れるほどに表して。。
ユーモアのあるやり取りでお客の笑いが起きるのは、
海老蔵さん方も同じでした。
でも明らかに違うのは、’間’の取り方がさり気ないこと。
海老蔵さん方はやや大げさに’間’をとっていたのに対して、
本当にさり気ない一息の間でお客を笑顔にさせるのです。
この人たちは、リアルに平右衛門とお軽なのではないかと思うくらい。
自然過ぎてお芝居と思えない。
リアルに感じるのは、
手が届かない芝居の世界なのだけど、
お二人が親しみやすく思えたからかもしれません。
兄妹は百姓の家の出です。
そのベースが素人の私にも感じ取ることができたのでした。
玉三郎さんが父と勘平の死を知る瞬間。
今までこんなに深い悲しみを観たことがあっただろうか。。
会場内の空気も止まり、皆の呼吸も止まったように思えました。
それを受け止める仁左衛門さんの温かく優しいこと。
終始、愛嬌たっぷりで観ているだけで笑顔になってしまう。
そして、白鸚さんも凄かった。
よく考えると由良之助って怖い人だと思うのです。
密書を盗み見たお軽を、身請けして殺してしまおうとするのです。
今まではあまり怖さを感じなかったけど、
この日は何だか怖くなってしまいました。
仇討をすることの怖さも。
そのくらい白鸚さんは大きく、底知れぬ雰囲気でした。
刃傷事件が多くの人の人生を巻き込み変えていく。
平右衛門とお軽の人生は、
事件がなければどうなっていたのだろうと考えてしまう。
由良之助の鬼気とした一面を観たような。
これは仁左衛門さん玉三郎さんだからかもしれない。
観ることができて幸せでした。
有難うございました。
まわりで私よりも年配の方々が、
声に出して喜んだり笑ったりしているのが新鮮でした。
aya。
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