歌舞伎十八番の内 暫。
こんばんは。
今月の歌舞伎座はあと3日です。
すべての感想は書けなかったけど、
これは残しておこうと思いました。
歌舞伎十八番の内 暫(しばらく)
今の歌舞伎座では初めてかかり、
2012年平成中村座以来、6年ぶりの上演です。
私は中村座では見ていません。
2009年歌舞伎座、2010年新橋演舞場で、
團十郎さん海老蔵さんそれぞれで拝見しただけです。
市川家のお家芸である暫。
江戸の高麗屋三代襲名披露興行でかかるとは。。
どんなに心躍ったことか。
三階で見ても海老蔵さんの権五郎の大きいこと!
海老蔵さんの登場は中盤なので、
待って待って、待ってました!
「し~ば~ら~く~」
揚幕の向こうから声が聞こえると、
お客がその声に集中して、空気がピンとなる。
花道をやってくる気配に、
三階にいても圧を感じました(笑)
七三でツラネです。
これがまた面白い。
字幕ガイドを借りて、しっかり言葉も楽しみました。
お目出たいアレンジもあり華やかです。
あんなに勇ましいのにユーモアたっぷり。
鴈治郎さん孝太郎さんとのやり取りも面白い。
弱い者を助けに来たけど、
あまりに大きくて動けず居座る(笑)
やっと本舞台にきたらびっくり。
すっごくカッコいい!
浮世絵から抜け出たようなドキドキ感。
神がかっていて、
これはやはりこの方しか成り立たない。
初めて歌舞伎座の舞台が小さく見えました。
60~70㎏ある拵えがすごい!
車鬢の鬘に力紙(白い羽根みたいな紙)をつけ、隈は筋隈、
そして團十郎家の三升の紋が染め抜かれた素襖(すおう)という衣装をまとっています。
素襖を広げた見得にしびれました。
もう参った。。。という感じ(笑)
有難くなってきました。
團十郎さんに風格やキャラクターが、
より似てきて懐かしさもこみ上げました。
海老蔵さん演じる権五郎の姿は浮世絵になっているので、
検索して是非観てほしいです。
鎌倉権五郎は平安時代後期に鎌倉に実際にいた武将です。
その武勇伝から人気者の権五郎を祀った’御霊神社(権五郎神社)’があり、
歌舞伎の主人公にもなりました。
歌舞伎でこの話を知り、
鎌倉の御霊神社には訪れたことがあります。
海老蔵さんを目の当たりにして圧倒され、
さらに出演者の人数に圧倒される(笑)
上手から下手までずらっと役者さんだらけ。
こんなに贅沢な一幕はありません。
対面よりすごい(笑)
ストーリーよりも絵のような舞台や、
お一人お一人の衣装を楽しんだり、
それだけでお腹いっぱいになります。
権五郎を演じるには体力消耗が激しいからなのか。。
あまり上演がないので、この機会に観ることができて嬉しい。
9年前の見た目が荒々しい記憶より、
内面からオーラとして立ち昇る激しさを感じました。
妄想ですが、海老蔵さんの9年間も激動だったと思う。
でも私の9年もそれなりに激しかった(笑)
海老蔵さんに負けないくらい心が進化して、
見る目が変わっていたなら嬉しいです。
スカッと楽しかった。
有難うございました。
さて、この後0:45~BSプレミアムのプレミアムカフェで、
「オペラ座の弁慶 團十郎・海老蔵パリに傾く」の再放送があります。
2007年に放送されたパリ・オペラ座公演のドキュメントです。
亀治郎時代の猿之助さん、段四郎さんもご出演です。
何度観ても面白いです。
皆様も是非。
aya。
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