延寿會。
こんばんは。
花粉症がだんだんと辛くなってきました。
今週は暖かいようなので心して出かけたいです。
今月ラストのお楽しみは「延寿會」でした。
六代目清元延寿太夫三十三回忌追善、
七代目清元延寿太夫襲名三十周年記念、
そして、尾上右近さんが、七代目清元栄寿太夫を襲名、
兄の清元昂洋さんが、初代 清元斎寿を襲名なさる披露公演です。
私は口上がある第二部に行ってきました。
第一部では猿之助さんが見事な舞を披露なさったようで、
皆様の感想で嬉しくなりました。
この日のためにどんなに頑張ってきたのか計り知れません。
ワンピースでルフィを演じ続けてくれた右近さんの襲名です。
無事に務められたことはファンとしても嬉しいです。
第二部が開場し歌舞伎座に入ると、
やはりお着物率が高くてとても華やかでした。
それだけでウキウキお祝いムードです。
三階席からでしたが、
皆様がじっと舞台を真剣に見ているのが印象的。
年配の方が多かったです。
大向うさんもたくさんいらして、
両サイドから立ってかけていらっしゃる感じでした。
清元や舞のことは素人なのでわかりませんが、
清元節は、江戸っ子の私にはどこか懐かしく、
自身に近寄ってくれる身近な感じがしています。
「吉原雀」は、遊郭を背景に鳥売りの夫婦が踊ります。
中村屋兄弟の素踊りです。
前日まで博多座だったというのにすごいですね。
勘九郎さんの転調してからのキレッキレなところが好きでした。
七之助さんとともに艶があり、舞台が小さく見えました。
素踊りだけど、踊りと延寿太夫の語りで情景が浮かんで、
私でも楽しい曲でした。
「口上」は菊五郎さんが進行なさり、
そのお声の大きさと張りに感動しました。
お人柄なのか、とても豪快で優しく、温かい雰囲気で、
会場の空気が一気に春になりました。
’二刀流’の言葉を入れ込み、
皆で応援していきたいという愛情溢れるお話に胸が熱くなりました。
で。。
その間は延寿太夫、栄寿太夫(右近さん)、斎寿さんは頭を下げたまま。
菊五郎さんの次は斎寿さんだったのですが、頭が上がらない。。
緊張で気づかなかったのかもしれません。
菊五郎さんや延寿太夫が即してやっと気がつき口上へ。
笑いが起きて和やかムード。
考えてみれば、三味線方の斎寿さんが歌舞伎座の舞台で挨拶は貴重。
声の小ささがすごく初々しくて、緊張感も伝わるし、
もちろん言葉に節もないけど、その一生懸命さに感動でした。
右近さんは役者さんだなぁという感じで、
そのお顔つきは精悍で、硬い決意を感じました。
兄妹の口上中に、延寿太夫が涙を拭っていらして、
この瞬間に立ち会えたことに私も幸せでした。
延寿太夫の夢が叶ったということなのかな。
素敵な口上を有難うございました。
「お祭り」は菊之助さんが拵え姿で登場です。
色気がありクラクラしました(笑)
私はこの曲が大好きなので血が騒ぎます。
「待っていたとはありがてえ」
大向うさんの「待ってました」との掛け合いは最高にカッコよかった。
「保名」は奇跡でした。
阿部保名が亡き恋人の幻を追いさまよいます。
保名は仁左衛門さん。
美しくて儚くて。。空気が一変しました。
ここでは延寿太夫、栄寿太夫、斎寿さんが揃い、
清元のもう一つの流派家元の梅吉さんがいらっしゃいました。
二つの流派が同じ舞台に立つようになったのは、
2010年からだそうです。
舞台上の全て、聞こえてくる全てがスペシャルで奇跡でした。
これは私にもわかる。
ここで右近さんの語りを始めて聞きました。
伸びやかでよく響き、憂いがあるお声でした。
緊張感も伝わりましたが、
この方はなるべくしてなったのだなぁと感じました。
座っている姿がお隣のお父様そっくりで、
舞台上手にじっと座る様子が新鮮でした。
これからこういう姿が見られるのかとワクワクします。
夢のような時間でした。
結びの「喜撰」は圧巻!
幕開きにお客の驚く声が上がりました。
上手下手中央に山台があり、
ずらっと総勢で30名くらいだったかな。
背景のしだれ桜が立派で春爛漫。
思わず歌舞伎座で喜撰を踊った三津五郎さんを想いました。
これほど演奏だけに惹き込まれたのは初めてでした。
幕が下りると、もう一度上がり、
延寿太夫、栄寿太夫、斎寿さんの三人が中央に。
言葉はなくとも感謝が伝わってきて感動でした。
華やかに打ち出し。
清元の新たな一歩を目の当たりにできて感謝です。
有難うございました。
aya。
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