江戸は燃えているか@新橋演舞場

こんばんは。

「いっさい心に残らない素晴らしい作品になると思います！」

この三谷幸喜さんの言葉にとてもワクワクしていました。

その通りのお芝居でした！

三谷さんの作品を生で観たのは三作目です。

愛之助さんの「酒と涙とジキルとハイド」

猿之助さんの「エノケソ一代記」

そして今回は獅童さんは主演の「江戸は燃えているか」

今回、一番笑いました。

後半は大笑いしてしまった(笑)

獅童さんのはじけっぷりがすごくて、

思わずいつかの弥次喜多のラスベガスシーンを思い出しました。

近いものあります。

歴史がどうとか、勝海舟って誰？西郷って誰？

という人でも面白いと思います。

終わってみると、アレ？今、歴史が動いてた？みたいな。

何の話だったのだろう。。くらいに大らか。

スカッと楽しませていただきました。

★内容に触れますのでご注意ください。

舞台転換は全くなし！

ずっと勝海舟の屋敷での出来事。

幕府側の勝海舟と、新政府軍の西郷隆盛が、

話し合いで江戸城を新政府軍へ引き渡すことになる

江戸城無血開城がお話の筋です。

勝海舟は獅童さん。

豪快で小心者で、ワガママで女性好き、破天荒キャラ。

人懐っこいし、めんどくさい(笑)

西郷さんが会いに家までやってくるというのに、

会いたくない、と居留守を使う。

獅童さんは最高に傾いていました！

どんどんテンションが上がっていきます。

真骨頂を発揮しているのではないでしょうか。

でもキメるところはキメて、

大事な言葉は歌舞伎的だったりします。

立ち姿はやはり美しいしカッコイイ。

ラストの西郷との会談場面は、

大河ドラマか！というくらいシリアス。

重厚な演技は他の皆様とは明らかに違う。

歌舞伎の底力を想う。

鬘が飛んでしまうハプニングがあり、

獅童さんが自分で自分をフォローするという(笑)

自虐的なシーンに他の役者さんも肩をゆすって笑っていました。

ストーリーは、西郷が勝に会いに家にやってきます。

が、勝は会いたくないと出かけてしまう。

江戸を戦火から守るため、勝の娘の発案で

勝に内緒で影武者を立て西郷と会談をしてしまいます。

一つ上手くいくと、また嘘をつかなくてはならなくなる。。。

そのうち裏の裏が表になる。

勝の娘、夢は松岡茉優さんです。

喜劇女優の誕生ですね。

不覚にも面白くて彼女に大笑いしました。

江戸に戦火が上がらないよう懸命に、

なかり強引にまわりを巻き込んで騒動を起こします。

西郷に色仕掛けするところがキュートでした。

茉優さんだけでなく、まわりの女優さん方がみんな面白い！

家の女中役、新感線の高田聖子さんは安定感抜群。

勝の奥さん、八木亜希子さんは凛としているけど天然な感じ。

若い女中、磯山さやかさんはホワホワしている女子キャラ。

勝の妹、元宝塚の妃海 風さんは男勝りで空回り系。

勝海舟は妾が多かったそうですが、

何人かの中の二人が高田さんと磯山さんの役らしい。

お芝居中は、ダイレクトにではなく、

笑いの中で男女関係がちらついてきます。

獅童さんが全員の女性たちとお芝居で絡む様子が新鮮で面白いです。

茉優さんの父役。。。全く違和感なし(笑)

高田さんとのツーショットのお芝居は奇跡のようでドキドキしたし、

磯山さんの言うことをホイホイきいてしまう獅童さんもツボ。

それぞれが面白くていろんな化学反応が起きてます。

男性たちも負けていません。

山岡鉄太郎役の飯尾和樹さんがジワジワきた！

申し訳ないのですが、最初は？？？でした。

けど時間が経てば経つほど何だか面白いのです。

そのうち。。いるだけで面白くなっているのが悔しかったです(笑)

勝の義理弟、村上俊五郎は田中圭さん。

TVでよく拝見しますが、時代劇も素敵でした。

史実では、勝の妹の再婚相手で元浪士組(将軍警護のための組織)。

山岡を通じて勝に気に入られ側にいるようになったそうです。

圭さんもだんだん壊れていく(笑)

茉優さんと二人で爽やか担当という感じでしょうか。

ニセ勝海舟になるのは、庭師の松岡昌宏さん。

立ち姿が絵になる方ですね！

鯔背な感じが素敵で、しゃべらなくても存在感抜群。

コメディもシリアスも上手いのにびっくりしました。

ラスト、獅童さんとの上下に決まった絵面が素敵すぎです。

時代劇にもっと出演してほしいです。

西郷役の藤本隆宏さんはいかにも皆が思っている西郷さんでしたし、

人斬り半次郎役の吉田ボイスさんは振り切れていて最高に面白かったです。

お二人は初めて知りました。

で、衝撃だったのが中村蝶紫さん！

一番インパクトありました！

蝶紫さんすごいよーーー

歌舞伎役者に老婆なんてさせたら最高に面白いに決まってる。

あんなに腰が曲がったままで高速で走れるのは簡単じゃない(笑)

面白さが頭にインプットされて、

登場しただけでお客がウケちゃう。

これは歌舞伎ファンに観てほしいな。

登場人物それぞれに見せ場があって、

獅童さん松岡昌宏さんだけが目立っているわけではありません。

全員が主役のような感じ。

チームワークの良さが伝わりました。

史実を知っていても面白いし、

最初に書きましたが、知らなくても面白い。

三谷さんが言うように。。。

数々の演劇を新橋演舞場で観てきましたが、

一番笑ったお芝居でした。

それに、全員を歌舞伎役者で演じても楽しそうだと思いました。

巳之助さんや隼人さん米吉さん児太郎さん。。

若手でしたら面白いかも。

私が行った日は当日券が出ていました。

叶う方は是非に。

たくさん笑わせていただきました。

有難うございました。

aya。