絵本合法衢@歌舞伎座
こんばんは。
大阪松竹座のワンピースは中日です。
初日からいろいろと進化しているようなので来週の観劇が楽しみです。
さて、先日拝見した歌舞伎座夜の部です。
通し狂言「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」
仁左衛門さんが一世一代で演じています。
歌舞伎美人のインタビューを読むと、
一世一代は本人発信ではないそうです。
松竹がやってほしいと言ってきたのを
「もうこれっきりやらないからね」
と言ったら松竹が付けたというわけです。
お年のことを言ったら失礼ですが、
74才とは思えない出ずっぱりぶり。
私の父がだいたい同じ年です。
片足で立って、その足のかゆいところを反対の足で
中腰のままかくなんてあり得ない(笑)
奇跡の脚線美と、その微笑みにノックアウトです。
この演目は2012年国立劇場で拝見しました。
見ながら記憶が甦ってきました。
仁左衛門さんが悪役二役を演じます。
町人と武士。
役のスケールこそ違えど、
悪の底なし加減は同じくらい恐ろしかった。
全ての幕で人を殺しています。
あまり気分がいいことではないけれど、
仁左衛門さんだから見ていられたのだと思いました。
武士の大学之助はバッサリいくところは、
ひゃッとびっくりしました。
逆らったら本当に何されるかわからない。。そんな感じ。
町人の太平次は小悪党。
笑顔で人を殺すし騙す。
時蔵さん萬次郎さん吉弥さん梅丸さん、坂東亀蔵さん。
みんな仁左衛門さん太平次に殺されちゃう。
でもそれぞれは見せ場になっていて、
井戸に落ちたり、毒殺だったり、
二人重なって刺されたり。。。。。
怖いもの見たさとはこのこと。
中でもベテラン勢の中で頑張りが光る梅丸さんが儚げ。
薄暗い場面で、そこだけ輝いて見えるくらい可愛らしい。
仁左衛門さんにさんざんに斬られてしまう姿は美しく、
海老反りに拍手が起こりました。
心の中では、いや~~やめて~~なんだけど。
仁左衛門さんの声は地の底から響くよう。
特に大学之助は地鳴りのようだった。
ストーリーは難しくないので、
気を楽に見ることができました。
大学之助が本家の乗っ取りを企みます。
お家の重宝を巡り、途中、太平次が横取りしようします。
太平次が自分の欲のために邪魔者を何とも思わず殺してしまう。
大詰は、大学之助が殺した兄弟によって敵討ち。
その兄弟は、大学之助に殺された本家の家老 瀬左衛門の、
弟 合法こと弥十郎。
二役ともに彌十郎さんが演じています。
もう一人の兄弟 与兵衛は錦之助さん。
与兵衛の許婚 お亀は孝太郎さん。
与兵衛もお亀も不幸になる。
合法が敵を討ってスッキリ。
命果てる仁左衛門さんもふてぶてしくて素敵。
なかなか死なないのは歌舞伎の醍醐味(笑)
仁左衛門さん、すごいです。感謝。
心に納まり、良い見納めになりました。
これを拝見したら、
7月の綱豊卿も観たくなること間違いなし(笑)
行きたいなぁ。
16:45~20:28までほぼ出ずっぱり。
この奇跡を皆様、是非劇場でご覧ください。
いつもよりは終演時間が短いので見やすいですよ。
楽しませていただきました。
有難うございます。
aya。
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