七月大歌舞伎@大阪松竹座 3
こんばんは。
信じられない台風の進路に、
ただただこれ以上の被害が起こらないことを祈っています。
今日は高麗屋さん親子三代で記者会見がありました。
南座新開場記念「吉例顔見世興行」として、
11月に染五郎さんも加わっての親子三代襲名披露興行が行われます。
幸四郎さん染五郎さんの連獅子、親子三人が共演する勧進帳。
猿之助さんの出演はありませんが、ワクワクする演目が並びました。
二ヶ月連続になるので、12月も早く発表にならないかなぁとソワソワです。
さて、すでに千穐楽を迎えた大阪松竹座。
昼の部の感想を残しておこうと思います。
豪華四つの演目立て。
幕開きの「廓三番叟」は、三番叟を吉原仕立てにした舞踊です。
傾城を孝太郎さん、振袖新造(女郎見習)は壱太郎さん、太鼓持は歌昇さん。
孝太郎さんが大人の迫力で素敵でした。
対して、壱太郎さんは初々しく可愛い。
歌昇さんが加わると空気が変わり、
とても華やかなお祝いムードの舞踊で楽しかったです。
次は「車引」です。
ここ最近、よく観ている気がする。。。
でも私にとっては新鮮な役者さんの組み合わせで面白かった。
松王丸を又五郎さん、梅王丸を扇雀さん、桜丸を鴈治郎さん。
前の演目の時も感じました。
やはり上方の役者さんにお客が湧きますね。
そういう反応に大阪に来たなぁと実感できました。
車引は重厚感あり、松王の又五郎さんが好きでした。
荒事は拝見するのは久しぶりかも。。
藤原時平公は安定の彌十郎さんでした。
三つ目は「河内山」
実は私的にあまり得意なお話ではありません。
今回、理由が何となくわかりました。
あ、もちろん白鸚さんのせいではありません!
前日、綱豊卿を観てしまったのでわかりました。
ロマンを感じないからなのかな。。と。
河内山宗俊は、お金目当てで、
奉公先のお屋敷でお手打ちになりそうな質屋の娘を助けようと、
偽りの僧になり乗り込んでいきます。
白鸚さんの河内山は過去に拝見しています。
私の知人にこのお話ファンの男性がいて、
今回は事前に前解説を聞いて挑みました(笑)
やっぱり話より白鸚さんの愛嬌や巧みさが面白かった。
偽物と知って観るということは楽しい。
ふとした瞬間の素顔や、騙されている側の焦り。
お金を堂々と請求するのも笑いました。
そして、正体がバレてからの啖呵。
ここの切り替えがサイコーにカッコよかったです。
少しの間で会場の空気を変えてしまう。
「馬鹿め!」は何度聞いてもスカッと爽快(笑)
こんなふうに捨て台詞できたら気持ちいいだろうな。。
観ている人たちの心を代弁してくれているのかもしれない。
思うより興味津々で入り込めました。
9月に歌舞伎座でもかかるので、
吉右衛門さんの河内山も楽しみになってきました。
そして、いよいよ「勧進帳」
仁左衛門さんは口上で、富樫を演じ納めるとおっしゃったそう。
観ることができて幸せでした。
今年初めの歌舞伎座以来に拝見する幸四郎さんの弁慶。
全く別人になっていました!
三階席だったので、
出の時に下から響いてくる声だけで違うと感じました。
深く地の底から朗々と響く声。
回数を重ねていくことで、
こんなにも声まで自然になり変化するなんて。
舞台中央でお姿を観たらさらにびっくり。
見た目もより安定し、大きくて、何だか清らかな雰囲気まで感じました。
進んでいくうちに、
幸四郎さんがとても楽しそうに思えてきました。
それが弁慶と重なっていくような感覚になり、
いつしか私の中で「幸四郎⁼弁慶」になっていました。
まるでそこに弁慶がいるような。
何だか私も楽しくウキウキしちゃう。
一つのお役を生涯かけて演じる尊さ、
それを観ていくことができる幸せ。
こんなことを感じるのは、
猿之助さんの「四の切」や「黒塚」くらいかと思っていました。
でも見つけた!という嬉しい感覚になりました。
幸四郎さんの弁慶はいつまでも観ていきたい。
富樫の仁左衛門さんの立ち姿がとにかく素敵で、
見惚れてしまいました。
吉右衛門さんの富樫とは見るからにメラメラした戦いでしたが、
仁左衛門さんは冷静沈着、厳かな雰囲気すら感じました。
だからこその絶対的な壁。
じわじわ崩していく弁慶、心打たれていく富樫。
ドラマティックで、心は前のめりでした。
孝太郎さんの義経も素敵でした。
品があり存在感あり。
四天王の皆様も迫力ありましたし、
長唄も感動しました。
全てが勧進帳。
観劇疲れどころかさらに元気になったのでした(笑)
昼の部も大満足です。
これが東京だったら通ってます。
でも一回限りの楽しさもありますね。
集中力がハンパなかった(笑)
ありがとうございました。
この日、劇場で奇跡の出会いがありました。
そのお話はまた次に。
aya。
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