七月大歌舞伎@大阪松竹座 2
そして監修が仁左衛門さん。
さらに楽しみが倍増したのでした。
こんなに心震えるなんて。
震えるというか、踊るというか、張り裂けそうというか(笑)
7年経ち、染五郎が幸四郎になり、亀治郎が猿之助になりました。
ともに襲名をなさり、こんなにもスケールが大きい芝居になるなんて。
松竹座は歌舞伎座よりも小さめな劇場です。
歌舞伎座約1800席に対して、約1000席。
二人の芝居は舞台から溢れそうで、
これは歌舞伎座で観たいと思いました。
花形歌舞伎から大歌舞伎になっていた。
幸四郎さんの与兵衛は怖かった。
性根は良い人、とかそういう感じを超えて怖かった。
どうして与兵衛は、こんなふうになってしまったのだろう。。
と考えてしまいがちです。
でも観ているうちに、
理由より。。こういう怖い人ってリアルにいるんだと悲しかった。
ありがとう、ごめんなさい、を感じることができない。
殺し場は最大級に怖くて悲しかったです。
猿之助さんのお吉が本当に怖がっているように見えました。
あの目。
見せ場の海老反りする猿之助さんに、
上から刀を振り上げるところの表情はすさまじかった。
仁左衛門さんを想いました。
この時に初めて自然と’美しい’と感じました。
想えば、殺し場が以前よりとても自然でした。
段取りされたようにも見えず、誇張された動きもなく。
油が流れでる音、樽などが落ちたり倒れたりする音、
二人の息遣い。。うす灯りまで。。
演出がとっても効果的で怖さ倍増。
猿之助さんお吉の死に際の美しさもサイコーでした。
その瞬間に、幕開きの華やいだ感じや、
子供とのやり取りがフラッシュバックしました。
猿之助さんの久しぶりの着物の女形。
登場したとたんにいろんなものがこみ上げてきました。
風が吹き、芝居の空気が変わります。
優しそうで、頭が良さそう。
子供を産んだばかりの柔らかな母性に溢れていました。
とても自然だったなぁ。
与兵衛とは恋愛関係ではなく、
隣のお姉さん的存在です。
何かと与兵衛が頼ってくるのです。
与兵衛に対しても母性というか。。
しようもない子ねえ。。という感じ。
なのに与兵衛に殺されちゃう。
青天の霹靂とはこういうことなのかと心が痛かった。
与兵衛の継父は歌六さん。
母は竹三郎さん。
歌六さんが心の内を話す場面に泣けたし、
竹三郎さんがお金を工面してお吉の家にやってきた場面も泣けました。
親だけが悪いのではない、子だけが悪いわけではない。
与兵衛の妹は壱太郎さん。
このお話でも健気なお役。
こんないい子では兄が曲がってしまうのも仕方ないのかな。
舞台上のお一人お一人が見ごたえあって、
この演目も超あっという間。
もっと観ていたかったです。
そして、観終わっても気持ちが高揚していて、
とてつもない芝居を観てしまったという思いがグルグルしました。
感無量。
芝居なのにリアル。
心底そう感じさせてくださった幸四郎さんはすごい。
普段は幸四郎さん猿之助さんの仲にジェラシーですが(笑)
素敵な猿之助さんを観ること叶ったのも幸四郎さんあってかと。
感服いたしました。
同じ時代に生きることができて幸せです。
有難うございました。
次の日は昼の部です。
勧進帳もすごかった。
続く。。
aya。
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