ラスト弥次喜多 2
歌舞伎座 八月納涼歌舞伎
新橋演舞場 NARUTO
千穐楽おめでとうございます!
猿之助さんの二座掛け持ちも無事に終了です。
私が大変なわけではないのに何だか緊張してしまい、
今、ホッとしています。
猿之助さんをはじめ、お弟子さん方の
酷暑の中の苦労は計り知れません。
本当にお疲れ様でした。
さて、弥次喜多の感想も最終章です。
亡霊たちによって地獄に引きずり込まれた
幸四郎弥次さん、猿之助喜多さん。
弥次さんは喜多さんを偲ぶお伊勢参り中。
喜多さんは、地獄行きが決定していますが、
死んだ家族から、
「良いことをして大事な人から’ありがとう’と言われることができれば、
天国行きに変更できる」と告げられます。
天国に行きたい喜多さんは、
弥次さんの旅について行くのです。
ですが。。
まさかの二人で地獄行き。。。。
それでも弥次さんは生きている人間なので
喜多さんの姿はまだ見えません。
喜多さんからは最初からずっと弥次さんが見えているのに。
地獄では宴が始まっていました。
閻魔大王の右團次さん、妻の新悟さんらが
鬼たちの踊りを観て楽しんでいます。
この夫婦も目が離せません(笑)
新悟さんが美しい容姿で飲みっぷりが男前だったり、
自撮り棒で自分たちを撮影したり。
かと思えば、右團次さんは自分のスマホで、
踊る鬼たちをパチリパチリ。
特に息子の右近ちゃんの時は、いろんな角度からたくさん撮る(笑)
こういうわちゃわちゃアドリブみたいな場面が全体的に、
10日前より格段に面白くなっていました。
それに若手たちの踊りもスケールアップ!
女歌舞鬼の千之助さんは18才。
お衣装は猿之助さんから借りているそう。
しゃべるとまだ10代だなぁと感じる方ですが、
こうして踊っている姿は香ってくるような色気を感じ、
美し過ぎて魅了されました。
赤鬼の橋之助さん、青鬼の福之助さん、黄鬼の歌之助さん。
成駒屋三兄弟も見応えたっぷり!
襲名するとこんなにも成長してしまうのかとびっくりです。
大鬼は鷹之資さん、中鬼は玉太郎さん。
久しぶりにまじまじと拝見して大きくなったことに感動。
二人で踊ります。
力強く、とても楽しそう。
鷹之資さんはお父様の富十郎さんを思う瞬間があり、
富十郎さんの踊りを観てウキウキした感覚を思い出しました。
阿波踊りの群舞が圧巻!
自然と体が動いてしまうくらい楽しい。
よーく見ていたら、合いの手を入れているのが右左次さん!
これがまたかっこよかったです。
すると群舞の中から踊りながら現れるのが小鬼の右近ちゃん。
踊りながら舞台前方中央に出てくる。
手足をいっぱいに伸ばして阿波踊りを踊る姿にキュンとします(笑)
10日経つとこんなにも楽しそうになるのだと感動でした。
その後は一人舞踊。
あの広い舞台にちっちゃい体で一人です。
この度胸にはアッパレ。
パパでなくても皆がデレデレ。
ラストはまた群舞になり、
全員で決まってかっこよかったです。
そして弥次さんが連れてこられます。
弥次さんを拷問することになりますが、
梵太郎と政之助が助けにきて立ち廻り。
新悟さんのサディちゃん口調はもう慣れたものですね。
何だか自然(笑)
ここでなんと!
弥次喜多史上初の弥次さんが本格立廻り!
武器を持たないのにめっぽう強い(笑)
橋之助×團子の戦いもけっこう激しく長時間でたっぷり。
貫禄の橋之助さんに團子くんが懸命に食らいついていきます。
今までの團子くんの舞台を思い出すと、
この立廻りはものすごく成長した証。
テンポアップしていました。
右近ちゃんも立廻りに参戦!
舌を抜くぞ~という感じのハサミを持って弥次さんにかかります。
が。。。。。
子供のような弥次さんは右近ちゃんに本気で挑む(笑)
何度も叩いて、小鬼を泣かしてしまいます。
「児童虐待で訴えてやるっ!」
これサイコー(笑)
この大人気ない弥次さんを止めに入ったのが梵太郎と政之助。
小鬼を助けてあげます。
これに恩を感じて、
小鬼が弥次さんたちを助けてくれるよう閻魔大王に頼みます。
「この人たちを現世に返してあげれば、
地獄の評判もあがります!」
右近ちゃん大活躍なのです。
セリフが幸四郎さん猿之助さんに次いではっきり聞こえます。
お客の反応も察知して演技しているのがすごかったです。
目出たく現世に戻ることになった弥次さんたちでした。
大詰。
これもまたなんと!
弥次さんは勢いよく現世に戻り過ぎて、
石に頭をぶつけてひん死の状態。。。
もともと喜多さんの死んだ理由は、
松竹座の黒子のアルバイト中、
女殺油地獄の油を片付けている最中に
すべって頭をぶつけたことでした。
ほぼ同じなんだけど(笑)
初見の時、
私はてっきり喜多さんは生き変えると思っていました。
でも違った(笑)
弥次さんも死んじゃうじゃない!
死にそうになっているから、
ここで初めて弥次さんに喜多さんの姿が見えたのです。
ここからはルフィとエースのシーンかと思うほど、
シリアスなシーン。
幸四郎弥次さんが、
どれだけ喜多さんのことが好きか、
喜多さんのお陰でどれだけ人生が楽しくなったか。。
語りに語ります。
このセリフを聞いた時、
私自身の猿之助さんを想う気持ちを重なりました。
猿之助さんのお陰でどんなに人生が楽しくなったことか。
いない人生を想像したら怖いし、きっと心が死んでしまう。
泣けてしようがなかった。
それに、幸四郎さんは猿之助さんのことを
本当にこんなふうに思っているのはないかとも想像してしまいました。
弥次さんが喜多さんに言います。
「ありがとう」
その瞬間!
喜多さんの天国行きが決定!!
門之助さんの基督が登場(笑)
後ろには、おでこに「只今、出張中」と張り紙の天照大神。
天照と言えば笑也さんですが、演舞場ですから。
幽霊になった弥次さんもめでたく一緒に天国行き。
染五郎くん團子くんが天使として現れ、
4人で天国まで翔んでいきます。
大音量のハレルヤがかかる中、
4人は悠々と三階までやってきます。
またお会いしましょう。
そうは言っていましたけど、
二人とも死んでしまって続きはあるのでしょうか。
舞台上の門之助さんが、
どうせ誰も見ていないだろう。。。と
だらけた基督になったりして笑わせるので気になって観ちゃう。
ここはどっちを観るかファンも戦いなのです(笑)
宙乗り完全に終了してから幕が下りるので、
結果的に門之助さんで幕。。(笑)
今年も美味しい。
8月はお盆時期でもあるし、
好きな人を偲ぶ話はいいのかもしれない。
笑えて温かい気持ちになるのは、
亡くなった大事な人を思い出したからな。
喜多さんが嬉しそうに弥次さんを見ている。
姿は見えなくても、
あんなふうに近くで見てくれている人がいたら嬉しい。
そして、喜多さんと同じで私も地獄は嫌なので、
天国に行けるように生きようと思う(笑)
愛すべき猿之助喜多さん、幸四郎弥次さん。
今年も暑さ忘れる面白いお芝居を有難うございました。
今、心に残るのは、ほんわか幸せな気分。
夢をありがとう。
秋がやってきます。
aya。
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