法界坊と双面を楽しむ

こんばんは。

今日から少し忙しいけれど、

猿之助法界坊からもらった力で元気に過ごせそうです。

観劇はまた来週です。

初日から一週間が経ちました。

法界坊と言えば勘三郎さんだったけど、

すっかり上書きされました。

もちろん贔屓目100％ですが(笑)

改めてこのお役をマジマジ観て思うのは、

演技はもちろん、踊りが巧みなこと、愛嬌があってユーモアのセンスがあること、

これってやはり猿之助さんにぴったりだな、と。

今月はさらに演出力も発揮しているし。

終始、下座音楽が鳴る中、

猿之助さんの体と言葉が音楽に乗り、

そのリズミカルな感覚に観ているこちらの目も耳も楽しい。

花道に走っていく姿がユーモラスで、

附けの音までがコミカルに聞こえます。

引っ込みの踊りは真骨頂。

こちらもリズムをとってしまうほど楽しい。

甚三に張り飛ばされ、くるっと一回転したり、

片足で長い間バランスをとったりして、

この独特なスピード感とリズム感は、

踊りが巧みな猿之助さんならでは。

勘三郎さんが猿之助さんのことを

お客に魔法の粉をかける。。

そうおしゃったそうです。

劇場の空間が楽しい空気感になる。

猿之助さんって不思議。

こういう空気感を歌舞伎座で感じるのは

勘三郎さん以来で久しぶりかも。

弥次喜多とはまた違うのですよね。

弥次喜多は全員力で底抜けに楽しかったけど、

そんなにリピートしようと思わなかった。

今月は猿之助さんの歌舞伎力で、魅力で充満しているのです。

猿之助さんが持つ本来の優しい、ほっこりする魅力。

私が惹かれる魅力の一つ。

どんなに目や言葉が鋭くても(笑)、

月のような柔らかな光でそこにいる。

演じているのは破戒僧でも、私には菩薩。

法界坊が陥る、恨みや妬み。

そこを浮き彫りにしているように見えるのは、

やはり猿之助さんらしいのだと思う。

それでもユーモアのセンスで面白く、

何だか幸せな気分になるからすごい。

昨日、法界坊の後の幕間でお客が帰ってしまうのには驚きました。

私が目にしたのはほぼ年配の方なので、

時間的なこともあるのかもしれません。

で、でも。。。。。

その後にお話が続いているのです！！！

「双面水澤瀉」を観なければ完結しないのです！！！

ここを観なければ猿之助さんを、法界坊を観たことにはなりません。

あの汚い法界坊が美しい娘姿で登場します。

幕間時間は15分。

すぐには登場しないけど、

あっという間の早替りも必見です。

野分姫と法界坊の合体霊。

人であらざる者を演じ、躍らせたら右に出る人はいません。

この踊り分けの妙こそ猿之助さんの真骨頂なのです！

それを見ないで帰ってしまうとは。。。。。

法界坊の後半からは、

双面～に繋がっていくようにわかりやすく演出してあります。

演出も猿之助さんの才が光っています。

幕見席を予定している方も、

別々に販売していますが、是非二つ通して観てほしいです。

猿之助さんが座頭で初役を演じる時は、

どんどんお芝居が変わっていくのが楽しみの一つです。

私的には最初の一週間の怒涛の変化が面白い。

こうやっていろいろ試すのだなぁと興味深い(笑)

法界坊はお客さんの反応でもお芝居が変化します。

舞台と客席での気と気のやりとり。

ライブで体感してください。

また観たくなってきた(笑)

aya。