あんまと泥棒@歌舞伎座
こんばんは。
あっという間に歌舞伎座が中日を迎えました。
年末らしくちょっぴり忙しく過ごしています。
思わぬお食事の誘いがあったり、
姪たちが同時に病気になったり。。
そんな中、「風の谷のナウシカ」が、
来年の12月に歌舞伎になる話題に心躍らせていました。
猿之助さんの名前は今のところないのですが、
菊之助さん七之助さん松也さん巳之助さん右近さん、
と名前が上がり、若手中心の新作にワクワクしています。
さて、先日拝見した歌舞伎座夜の部のお話です。
「あんまと泥棒」は、
もともとラジオドラマとして書かれました。
昭和26年(1951)に、
八世市川中車&三世市川段四郎コンビで初めて放送されたそうです。
歌舞伎になり、上演回数はそんなに多くないようです。
1970年歌舞伎座で初演、今回で7回目。
初演時は、あんま秀の市を十七世中村勘三郎、
泥棒権太郎を長谷川一夫さんが演じています。
私は2015年明治座で、
秀の市役を中車さん、権太郎役を猿之助さんで拝見しています。
従弟同士で初の二人芝居。
どちらがどちらの役を演じても面白いだろうな~
と思って観ていました(笑)
中車さんの怪演に惹きつけられ、
猿之助さんの情の厚いキッパリした男っぷりに惚れた(笑)
今月は新コンビです。
秀の市が3回目となる中車さんと、
権太郎が初役の松緑さん。
私にとっても新鮮な組み合わせでとても楽しみにしていました。
松緑さんの人の良さがとっても光っていました!
猿之助さんの時よりも純粋で素直な人柄に見えるのは何だろう(笑)
可愛らしいというか。。。
あんま秀の市のもう一つの顔は高利貸し。
ある夜、秀の市の家に泥棒がやってきます。
泥棒は刃物を出して脅しますが、
目の見えない秀の市のほうが一枚上手。
そのいうちに二人でお酒を飲み始め、
どんどん立場が逆転していきます。
中車さんの相変わらずな怪演ぶりが圧倒的です。
前も摩訶不思議だったのですが、
坊主頭の形がいびつで何だか可笑し味たっぷりなのです。
登場の仕方がインパクトあって、
一瞬で世界観に惹き込まれてしまいました。
大河ドラマの龍馬伝の時もそうでした。
汚らしいというか、生活感溢れるというか。。
どうしてこうリアルなんでしょうか。
すごい人です。
お客がギュッと中車さんに集中するのがわかります。
夜中の話なので、
舞台は終始真っ暗です。
一人語りのように話しが進み、
泥棒の松緑さんが忍び込んできます。
猿之助さんの時も感心したように、
松緑さんの忍び足も素敵(笑)
踊りが上手い方々の軸がブレない忍び足はサイコーです。
中車さんはお相手によって演技を変えているのだと思う。
猿之助さんの時はもっと警戒心があったような。。
松緑さんだと容赦なしにスルスルと心に入っていく感じ。
松緑さんの心が自然と揺れていくのがわかりました。
秀の市は中車さんの当たり役になりますね。
もうこの方しかできないのではないかと思うくらい。
そして、私はこの役の中車さんが面白くてたまらない。
ラストの松緑さんがサイコーにチャーミングで、
いい人だなぁ~(笑)ってなる。
約45分のお芝居というのも丁度いい。
二人だけしか登場しないのも見応えあります。
前後の「阿古屋」と「二人藤娘」がかなり明るい舞台なので、
この暗闇は新鮮です。
幕見席でサクッと観ることできるのでお勧めです。
中車さんがまた違う方と演じるのも観てみたい。
楽しませていただきました。
有難うございました。
aya。
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