神田松之丞の会 2
こんばんは。
長かったような短かったような1月でした。
おかげさまで無事に過ごすことができました。
新しい月がスタートです。
新春にたくさんの歌舞伎を観ることができました。
猿之助さんの紅長さんは可愛らしくて大好きでした。
猿之助さんの次回は3月歌舞伎座です。
それまで少しゆっくりできるのかな。。
猿之助さんらしい弁天小僧を期待しています。
さて、先月ラストに楽しんだのは講談でした。
歌舞伎座ギャラリー「神田松之丞の会」
チケットが取れないことで有名な松之丞さん。
昨年、会を聞きに行き、また聞きたいと思い参戦です。
ゲストの京子先生の「番町皿屋敷」の後は、
続けて松之丞さんが登場です。
「南部坂雪の別れ」は、以前にも書きましたが、
10年前の歌舞伎座さよなら公演の時に拝見しました。
真山青果作「元禄忠臣蔵」の一部です。
セリフ劇で有名な真山青果は今では大好物です。
それはこの10年前の公演がきっかけになりました。
昼夜通してずっと’元禄忠臣蔵’(笑)
しかも大石内蔵助役を、
團十郎さん白鸚さん(当時 幸四郎)仁左衛門さんでトリプルキャスト!
仁左衛門さん大石の’仙石屋敷’に度肝を抜かれ、
白鸚さん大石の’大石最後に一日’に涙が止まらず、
團十郎さん大石の’南部坂雪の別れ’が切なくてたまらなかった。
仁左衛門さんは綱豊卿も演じていらっしゃり、
以来、綱豊卿は大好きな演目になりました。
松之丞さんは、南部坂~を師匠に習い、
これから一年かけて深めていく。。
吉右衛門さんと比べないように。。
まくらが長いのは自信がないからなど笑いにしていました。
が、なんのなんの。
10年ぶりに聞く(みる)南部坂~はとてもドラマティックでした。
大石内蔵助は討入りの前日、
南部坂の浅野家屋敷にいる浅野内匠頭の奥方、瑶泉院のもとを訪ねます。
瑶泉院は討入をする報告かと喜びますが、
大石は討入を認めず、隠居の暇乞いに来たと話します。
実は浅野家屋敷に吉良の密偵がいることを懸念してのことでした。
大石が浅野家を去った後、
置いていった書面の中身を瑶泉院が見ると、
それは討入に賛同する者たちの血判状でした。
瑶泉院は大石を罵倒してしまったことを後悔するのでした。
翌日、大石をはじめ赤穂浪士たちは討入を果たします。
歌舞伎では、大石が屋敷を出たところで、
瑶泉院が追いかけてきて対面して詫びを入れます。
でも、以前観たTVドラマでも講談でも、
瑶泉院は大石の本心を知った後も合うことは叶いません。
これが本当に切ないのです。
わかっていても松之丞さんの語りは妄想力を掻き立てられ、
あっという間に雪がしんしんと降る忠臣蔵の世界へ。
前回聞いた’天野屋利兵衛 ’のギラギラした感じとは全く違い、
討入を前にして、静かに揺るぎない熱いものを感じる語りでした。
私は大石内蔵助という人物を歌舞伎のベテラン方で観ることが多いので、
松之丞さんは逆に新鮮です。
歌舞伎を見ると時代感を感じますが、
松之丞さんの言葉は現代に生きているよう。
不思議な感覚。
この方が語る忠臣蔵を
歌舞伎と並行して楽しんでいけたら面白そう。
私なりの楽しみを見つけました。
講談デビューの友人もめちゃめちゃ楽しんでいました。
歌舞伎を観たことがない講談ファンの方は、
歌舞伎の忠臣蔵と見比べると面白いですよ。
深夜の講談。
楽しかったです。
有難うございました。
aya。
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