ぎんざ木挽亭「神田松之丞の会」
こんばんは。
今日は一日お休みでした。
ホットヨガで体をほぐして、
近所の大好きなパン屋さんに行き、
あとは家でゆっくり過ごしました。
先月は忙しい日々だったので、
今月は比較的ゆるゆる過ごそうと決めています。
猿之助さんの歌舞伎出演もお休みですし、
のんびりした時間の使い方をしています。
そんな月だからこそまた行ってしまいました。
ぎんざ木挽亭「神田松之丞の会」
Vol.7 赤穂義士特集2と題して行われ、
ゲストは松之丞さんの姉弟子、神田鯉栄(りえい)さん。
前回の京子さんに続き、
私にとって二人目の女性講談師さんでした。
鯉栄さんは、京子さんと違う雰囲気だけど、
男前なところは同じだなぁと
そして同じ女性としてカッコイイと感激でした。
鯉栄さんが師匠の講談を初めて聞いた時の話は、
とても感性豊かで私にも何となく理解できました。
強力な引力に引き寄せられるよう。
明るく話す苦労話も共感できました。
私もプロとして20年やってきたけど順風満帆ではなかったです。
そんな時に支えて協力してくれたのが弟弟子の松之丞さんだったとか。
弟弟子にそんなふうに素直に感謝を言える鯉栄さんがすごいです。
鯉栄さんが披露したのが「赤垣源蔵 徳利の別れ」
歌舞伎以外で聞いたり観たりしたのか、
知っている話でした。
赤穂浪士の赤垣源蔵が、
討入前日に兄に会いに行きます。
ですが兄は不在。。
源蔵は兄の羽織の前でお酒を飲み去っていきました。
翌日、討入を遂げて引き上げる一行の中に源蔵がいるのではないかと
兄が家の者に見に行かせると、なんと源蔵がいます。
兄は最後に会えなかったことを悔やみ、
源蔵が使った徳利でお酒を飲むのでした。
もう。。このお話はたまらなく切ない。
南部坂~に通じるところがあり、好きなほうのお話。
赤穂義士は会いたい人に会いに行くけど、
討入の話はしてはいけないから本当に切ない。
鯉栄さんの語りは力強くて迫力満点。
男性の語りが男性に思える(笑)
歯切れよく言葉がはっきり聞こえるから、
すっと物語に入っていけました。
一行の中に源蔵を見つけたシーンはよかった。
心の中で、うわーッとなった。
松之丞さんもそうですが、
クライマックスに向けての盛り上がり方が講談は面白いです。
語る側がどんどん集中していくのがわかるし、
そこまでの語りでお客がついてくるかどうかも、
クライマックスで別れる気がします。
鯉栄さんの後は、すぐに松之丞さんの登場です。
徐々にふっくらしてきた気がするんですけど。。。。
ダウンタウンのTVにゲスト出演なさっているのを見ました。
この方はやはり講談をしている時が好きだな(笑)
まるで憑依したようなしゃべりは、
それだけでワクワクさせてくれます。
話芸とは。。なんてわかりませんが、
何にしても話すことを生業としている人は、
言葉が伝わることが最低条件だと信じています。
松之丞さんは言葉がバンバンと体に入ってくる感じです。
だからこそ情景も浮かぶ。
私は歌舞伎ファンだから、
歌舞伎の舞台まで浮かんでくる。
披露してくださった「大石東下り」は、
いよいよ討入となり大石が江戸へ向かう時のお話。
偽名を名乗り数人で江戸へ。
しかし名前の本人と同じ宿になってしまい、
どちらが本物か宿の人たちの前で会うことになります。
とっさに事情を把握し大石の覚悟を見抜いた本人は、
自分が偽物と偽り、大石をそのまま江戸へ送るのでした。
忠臣蔵というのは、
こうして影で助けてくれる人たちの話も多い。
この場面はまるで勧進帳の富樫のよう。
義経弁慶一行とわかっても関所を通す。
バレれば自分も命を落とすのに。
こういう一期一会もたまらない(笑)
この場面は歌舞伎では観たことはないけど、
松之丞さんの語りを聞いていたら、
その前後の場面の舞台が甦ってきました。
この方は本当にすごい。
さらに言うと、この木挽亭の企画が好き(笑)
歌舞伎座ギャラリーということもあり、
歌舞伎を少し意識した企画になっているのがいい。
数々の舞台が浮かんでくるのです。
松之丞さんの汗も光る熱演ぶりに、
赤穂義士の信念が重なりました。
今回も楽しかったです。
有難うございました。
講談で忠臣蔵の名場面はあるのでしょうか。
有名なシーンも聞いてみたいです。
aya。
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