小屋で観る芝居。
こんばんは。
嬉しいNEWSがSNSを駆け巡りました。
秀太郎さん葵太夫が人間国宝に認定されました!
他、文楽や講談界からも認定された方がいらっしゃいます。
おめでとうございます。
国の宝なのですよ。
本当に嬉しいです。
幸せな気持ちになりました。
また、歌舞伎座では今日から海老蔵さんが復帰です。
猿之助さんの舞台復帰を思い出します。
きっと怖かったはず。。
海老蔵さんも怖い思いをなさっていたのではないでしょうか。
でも海老蔵さんには勸玄くんがいますから。
この3日間で少し大人顔になったのが、
頼もしいような、切ないような。
一座の皆様が千穐楽まで
無事にお勤めになりますよう祈っています。
さて、まだまだ続く康楽館のお話。
今回でラストです。
巡業東コースの初日、
「引窓」も「かさね」もとてもエキサイティングでした。
江戸川区の会場は、約1500席。
康楽館は、約600席。
客席数が半分以下になり、
明治からそのまま残っている芝居小屋で、
どう芝居が変化するのかワクワクでした。
まず興味深々だったのが大道具。
引窓の十次兵衛の家は大きさは変わっていないように見えました。
舞台にすっぽり収まって表の空間がほぼありません。
下手の家の外でウロウロする十次兵衛一人分が、
やっと空いている感じでした。
義太夫は上手の二階部分で、
二人がやっと入るスペース。
ちなみに’かさね’の清元は、
その下のスペースで二列になっていました。
ぎゅうぎゅうでした。
かさねの背景は小さくなっている気がしました(笑)
大道具さんてすごいな。
私の感覚が正しければ、
収縮が自由自在なのか、とっても不思議。
康楽館サイズにぴったりとはまっていました。
背景を見るのも小屋の面白いところです。
引窓のお芝居が進化していました。
母役の幸雀さんがとても愛情たっぷりで心打たれました。
泣き顔が無防備で可愛らしくて切なくなっちゃう。
息子の奥さんである高麗蔵さんと雰囲気がいい。
康楽館の温かい雰囲気と相まって、
お二人がいるだけで優しい空気感でした。
私自身、近所の住人みたいな気分(笑)
白鸚さんの大きいこと!
時代味ある相撲取り風情は小屋にぴったりです。
揚幕から舞台まで、
数歩しか歩いていないのはないかと思うほど。
幸四郎さんは、よりニッコニコな十次兵衛でした。
だからこそ後半の苦悩がより手に汗握る感じ。
お客さんの反応も大きく、
濡髪と対面し、逃がすためのやり取りに
一喜一憂しているのがわかり楽しくなってしまった。
まるで大岡裁きを見ているかのように、
スカッとするような爽やかさ。
舞台と客席が一体になっていました。
こんなに引窓が楽しかったことはありません。
また観たいです。
小屋で観るかさねは’怖い’に尽きます(笑)
昼間でも夜の闇を感じました。
幸四郎さん猿之助さんペアの舞踊は最強です!
初日にとんでもなくノリノリな二人を見てしまいました。
が、康楽館1日目の夜の部がもっとすごかったです。
初めて二人が顔を揃えた時はジワが起こったし、
随所に起こる素直な反応に
二人がどんどんヒートアップするのを感じました。
かさねと与右衛門から青い炎があがる。
二人の魂が燃えているよう。
先月の歌舞伎座の豪華な環境もいいけど、
アナログでシンプルな世界で観る二人は、
役者臭くてとっても魅力的だった。
またまた猿之助さんに惚れてしまった。
秋から来年までほぼ’スーパー歌舞伎Ⅱ’です。
最先端の技術を使った歌舞伎をするのも猿之助さんだけど、
こうして小屋で演じる猿之助さんを忘れたくない。
この力があるからこそ、
この力を本人たちが信じているからこそ、
最先端の技術にチャレンジできるのだとわかりました。
私も信じよう。
私の夢が叶った旅でした。
有難うございました。
行けたことは奇跡だなぁと思う。
またいつか康楽館に行けますように。
aya。
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