研辰の討たれ@歌舞伎座

こんばんは。


秋晴れが続いています。


2月の博多座行きの日程を決めることができました。

舞台機構が素晴らしい劇場でさらに進化したオグリを観たいです。


私自身の誕生日月でもあるので、

猿之助さんが舞台に立つなら行きたい気持ちもありました。

無事に行けますように。



さて、先日は歌舞伎座で「研辰の討たれ」を幕見してきました。


野田版の勘三郎さんの研辰しかしらなかったので、

幸四郎さんがどんなふうに演じるのか、

ストーリーが違うのか。。など興味がありました。


幸四郎さんが怪演!?

何とも笑えて面白いのですが、

ちょっとイラつく研辰(褒めてます)でした(笑)



元研ぎ師の侍、守山辰次は正確が口が達者な嫌われ者。

家老から怒られると逆恨みをして騙し討ちで殺してしまう。


家老の息子たちは、敵を討とうと研辰を追いかけます。

逃げて逃げて逃げまくる。


そして、とうとう兄弟が研辰を見つけ敵討ちが始まります。。



幸四郎さんはしゃべりっぱなし(笑)

愛嬌があり、とことん面白く演じています。

嫌なヤツだけど憎めない。


こういうふうに好き放題にものが言えるなんて

ちょっぴり羨ましいとも思ってしまった。


もしかしたら家老をはじめ上役や同僚たちのほうが可笑しいのかも。。

なんて思えてくるくらいスカッとどこまでも自己中心的。


でも、怒られたことを逆恨みして殺してしまうのは狂気沙汰。

怖い。


大詰で兄弟と対峙する場面は、

対決することを要領よく逃れようとする研辰が、

最初は面白かったけど、だんだんイラつくし怖くもあった。


生きることへの執着は本能だと思うけど。


観ながら勘三郎さんを思い出しました。


散っていく紅葉を見て、

生きてぇ、死にたくねぇ。。

その言葉がとてつもなく切なく響いたのを思い出しました。



恥も外聞もなく命乞いをする姿に、

この人は人間そのものだと感じました。


泣けて泣けて仕方がなかった。


そのシーンがフラッシュバックしてきました。


今回は勘三郎さんの野田版とは違いますが、

幸四郎さんの憂いを帯びた芝居や声色は、

笑いながら切なくなるのです。


幸四郎さんが野田版を演じても面白いのではないか、

そう感じました。


追掛ける兄弟が染五郎&團子とか。。。


今回の兄弟は本当の兄弟が演じています。

彦三郎さん亀蔵さんです。


当たり前ですが息ぴったりだし、良いお声だし。

いかにも真面目な武士。


研辰のぐにゃぐにゃに対し、

針金のような二人です。


アドリブなのかわかりませんが、

幸四郎さんの自由さに翻弄されている兄弟が面白く、

もっと進化していくのだろうなと思いました。



このお話の初演は1925年(大正14年)だとか。

それも二代目猿之助(初代猿翁)が主演です。

そうなると当代の猿之助さんでも観てみたくなるな。



いろいろツッコミながら観ることができましたし、

幸四郎さんがこの後もどうなっていくかが気になります。


追われるほうにも、追うほうにも、

どちらにも共感できる部分がありました。


幕見席は開演時間にはほぼ満席でした。

余裕をもって劇場へ。



楽しませていただきました。

有難うございました。




aya。





aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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