風の谷のナウシカ 夜の部。
こんばんは。
今年もあと10日ほどになりました。
忙しさを楽しみながら、気がついたらここまで来ていました。
すでに来月の猿之助さんに想いを馳せていますが、
まだまだ師走の歌舞伎も楽しんでいます。
やっと’風の谷のナウシカ’夜の部を観てきました。
三階席から下を見ると、
最前列中央に撮影のカメラがドンとかまえていました。
座席を外してあんな場所にあるのを見たのは初めてです。
お隣の方は緊張しないのでしょうか(笑)
菊之助さんのお怪我で上演されていなかった所作事が復活し、
ナウシカ姿以外は歌舞伎そのものの舞台が面白かったです。
残念ながら宙乗りは行われませんでした。
あ、昼の部の宙乗りは復活しているそうです。
しつこいですが(笑)
ナウシカのことは全く知らずに観ています。
なので。。驚いたのは、
こんなにシリアスで、ある種の怖さがあるお話なのかと。
とても観念的で、
墓の主とナウシカの問答は、
また聞いてみたくてたまりません。
’生命’について揺るぎない思いを語るナウシカに
感動が止まりませんでした。
存在する全てのものに宿る生命は平等。
どのような過程を経て生まれたとしても、命は命。
ナウシカに感動したけれど、
菊之助さんに感動したのかもしれません。
この問答を聞いているうちに、
菊之助さんの作品に対する愛情がバンバン伝わってきて涙しました。
’清浄も穢れも、すなわち人なり’
だったでしょうか。。
このひと言がナウシカの想いを集約しているのではないかと思う。
’だからこそ歓びや輝きがある。。。’
言葉の数々が衝撃的でした。
何だかオグリを思い出すような。
昼の部と同じように、
菊之助さんのナウシカはどんどん清らかに輝いて見え、
まさに救世主のごとくでした。
七之助さんのクシャナの強さがリアルでよかった。
現代に通じる強さで、憧れてしまう。
やはりカッコいいなぁ。
髪を後ろにはらうのもドキッとしてしまった。
子守歌を唄う七之助さんのシーンが印象的でした。
クシャナの心の強さと優しさを感じました。
道化の種之助さんが巧み!
軽やかで爽やかなのが好き。
昼の部で右近さんがしていた口上を
夜の部では道化が前解説のような形で担当。
その後も大活躍で、
墓の主が乗り移った時の声色の恐ろしさはすごい。
墓の主の声が吉右衛門さんなのですが、
全くイメージが変わらず感動でした。
歌六さんのヴ王がめちゃめちゃカッコよくて、
ナウシカとの出会いで心が変化していく優しさが素敵。
歌昇さんの’森の人 セルム’は意外なお役でよかったです。
登場すると空気が変わり、何だかとても澄んでくる。
あまり激しく動かないので残念と思っていたら、
二役目の’墓の主の精’がすごかった(笑)
大詰、歌昇さんの墓の主と、
右近さんの二役目’オーマの精’の対決です。
それがまるで連獅子のように、
白と赤の獅子頭を付け毛振りまで。
若い二人の毛振りはものすごく激しく、回数も多い。
踊りも魅せるお二人なので、お客も盛り上がっていました。
特に右近さんは昼の部から出演なさって、
夜のラストにこのシーンとは。
すごい集中力ですね。
右近さんのラストシーンはボロボロ泣いてしまった。
アスベルの華やかな雰囲気もよかったけど、
このオーマの精の健気さがたまらなく愛おしくなりました。
巳之助さんの兄弟二役も面白かったです。
エキセントリックな雰囲気がよかった。
私的には七之助さんとのツーショットが嬉しくて(笑)
役者さんお一人お一人が見ごたえあって、
目が足りませんでした。
そして、舞台装置、道具の数々にめちゃめちゃ感動でした!
マッピングに頼らず。。
あれも作ったの?これも?え~!
ずっとこんな感じでした。
歌舞伎の大道具さんをはじめ裏方さんの力のすごさ発揮ですね。
普段、歌舞伎を観ている人なら、その偉大さがわかるはず。
私、家でナウシカの背景とか検索しちゃいました(笑)
セリの細かな動きや廻り舞台、
観ていると大変さを想像してしまう。
花道も多用しているので、
役者さんはもちろん、お弟子さんやスタッフの皆様の移動も大変そう。。
なんて妄想してしまいます(笑)
千穐楽まであと少し。
全員で無事に迎えてほしいです。
ナウシカの世界を知らなくても面白かったです。
歌舞伎を知っているからこその面白さを満喫しました。
新作でも全員が知っている役者さんというのは、
やはり信頼できるし楽しいです。
歌舞伎の力。
原作の力。
これはもう圧倒的。
再演してほしい。
心から願います。
有難うございました。
aya。
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