心ときめく。

こんばんは。


歌舞伎座に行ってきました。

夜の部です。


写真の袋は人形焼です。

一階売店で手焼きしているのをバラ売りしてくれます。

5個で500円ちょうど。温かくて美味。


好きな「荒川の佐吉」がかかると聞き、

一度は一階席前方センターで観たいと思っていました。

それが今日でした。


猿之助佐吉は先週と別人のようでした。

前回はさらっと自然に見えたのに、

こんなにも重厚感ある演技に変わるなんて。


前半は三下としての軽さはそのままなのですが、

言葉が心に刺さってきます。

だいぶセリフに緩急つけていて、いつもの猿之助さん。

大事な言葉がすっと耳に入ってきます。


時の経過が、猿之助さんの所作と言い回し。。全体から伝わります。

登場するたび貫禄が加わり、ラストはまさに親分。


巳之助辰五郎とのコンビも最高です。

巳之助さんの感情表現が豊かで、表情もいつでも佐吉の味方。


花道を二人で引っ込む時、肩を並べて歩いていました。

その後姿にも仲の良さがにじみ出ていて、

揚幕の中に入るまで見送りました。


猿之助佐吉が赤ちゃんをあやすのが上手くなってました(笑)

子煩悩だと佐吉が自分で言うのですが、

本当に子供好きなのだなあと感じます。


夜の橋の場面が好きです。

赤ちゃんとの二人だけの時間が愛おしそう。

優しい気持ちになります。


大きくなった卯之吉猿くんへの、

佐吉と辰五郎の愛情があったかい。

添い寝してあげる猿之助さんにキュンとします。


そして、中車さんの相政とのやり取りで、

猿之助さんの気持ちが最大盛り上がる。


大切な卯之吉を返してほしいと言われて、

切々と今まで苦労や、どんなに愛していて、

卯之吉が自分には必要かと訴えます。


もう、ここは感動が止まりませんでした。

前回、少し子供が駄々をこねるような感じで切なかった。


でも全然違いました。

体を半分もぎ取られてしまうくらいの痛さを感じました。

猿之助さんがとても激しくて、心が揺さぶられました。

可愛がっているシーンがフラッシュバックしてくる。


ああああ。。そして決断してからの静かに絶えてる様子に涙。

卯之吉の産みの母、笑也さんもリアル。

この場面の三人がすごくいい。


ラストシーン。

一番涙もろい辰五郎に切なくなります。

佐吉、最高にカッコいい。

猿之助さんがすごく大きい。


猿之助さんの存在感までも、

この一週間で変わってしまいました。

歌舞伎座でその存在が空気を支配しました。


卯之吉の頬に自分の頬を寄せる佐吉。

頬から頬へ愛情が伝わっていく。

その愛情が浸透するように、猿くんの表情も想いが溢れてくる。

猿くんって本当に芝居心がある。



花道で猿之助さんの涙が光りました。

「やけに散りやがる 桜だなぁ」

とても江戸っ子らしい粋なセリフ。


情感こもり、優しく切ない響きでした。


猿之助さんは時代味があり、

立ち姿、言葉、所作。。江戸の香りがします。

江戸時代を知らないけれど、

タイムスリップしたような感覚になります。


それは、海老蔵さんや中車さん、門之助さん男女蔵さん、

おもだか屋一門、他の皆様全員がそうだからだと思います。


佐吉は猿之助さんの当たり役になる。

四代目の優しさが、佐吉の子煩悩さ、

大事な人を想い強くなる様子に重なります。

猿之助さんの色で、思い切り演じてほしいです。


佐吉に心ときめきました。


有難うございました。



aya。



aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • rio

    2016.07.12 15:24

    @よしみよしみさんと同じ空間にいたのですね! 初日以来ではもっと感じたことでしょうね。私はとてもびっくりしました。すごく変わっていたように思います。子供の扱いは、よしみさんがおっしゃるとおりでした。セリフが巧みでしたね。だからしっかり気持ちも伝わってきました。 一階席だからかな。。なんて少し思っていたのですが、三階でも同じことを感じたのであれば、私が感じたことはズレていないと安心しました(笑)有難うございます⭐まだまだ観ていきたいですね。
  • よしみ

    2016.07.12 15:14

    aya。さん、こんばんは。 私も今日、3階席から観ていました。 初日以来だったので、私にも佐吉の進化が分かりました。 本当に猿之助さん、子供がお好きなんだなぁ、と分かる愛情たっぷりの接し方、赤ん坊を抱き抱えたり、布団に寝かせる時の優しくて、柔らかい包み込むような手の動きが自然で、本当にこちらまで優しい気持ちになりました。 前半のシーンで大切に育てているのが伝われば伝わるほど、最後の佐吉の選択は切ないですが、自分ではなく、子供の将来を最優先する親心に感動しました。 一言一言、気持ちが3階席にまでしっかり届いてきました。 次の時のさらなる進化が楽しみです。