大序。

こんばんは。


猿之助さんの巡業はあと2日4公演です。

あと少し。応援しています。


blogの旅日記がすすみ、

猿之助さんが見た風景に癒されています。

門之助さんの遠足日記や笑三郎さん、澤路さん、笑野さん他の

更新してくださるSNSを観るのが日課です。


さて、明日は国立劇場に行く予定です。

開場50周年記念として、

「仮名手本忠臣蔵」を三か月間かけて上演する一か月目。

大序から四段目までを上演中です。


楽しみの一つが「大序」です。

とても儀式的で神秘的。

仮名手本忠臣蔵のいろんな場面を観るたび、

この大序がフラッシュバックします。


それとは逆に、大序を観ているとその後のストーリーが心に迫ります。


刃傷事件の発端のその前。

ここから長い長いストーリーが始まっていく。

たくさんの人たちの想いが交錯し、

十一段目の討入りまでいろんなドラマが展開します。


儀式的であるからこそ、

とても悲劇的で切なく感じる気がしてなりません。

そして忠臣蔵の世界に自然とタイムスリップさせてくれるのです。



私が大序を初めて観たのは、2008年秋の平成中村座でした。


初めて見る口上人形や、

お腹に響いてくる鼓の音が印象的でした。


お囃子のことはよくわからないのですが、

大序の幕開きの「天王立下り端」というお囃子では、

太鼓を三つ、五つ、七つと「七五三」に打っていくのが特徴とか。


それに合わせて狂言作者さんが

四十七士にちなみ析を四十七発打つという口伝が有るそうです。


そして、お囃子中に幕が開いていくのですが、

幕が完全に開くまでに47打ぴったりに、

さらに打つタイミングも決まっているそうです。


幕が開いた後に「置鼓」という鼓が打たれます。

傳左衛門さんによると、

低音、甲音を交互に七・五・三に小鼓を打つそうで、

全く一人で務めるシーンです。


私はこの「置鼓」にサイコーしびれたのです(笑)

初見の時、一階席上手前方に座っていました。


この置鼓は陰囃子で、舞台袖で叩くため、

通常は客席から見えないのですが、

私の位置から運良く下手袖の傳左衛門さんが見えました。


着流しでは無く、正式に袴を履いていました。

これは大序の置鼓の正式スタイルだそう。


音と声の迫力にびっくり!

素人目で見ても、何だか傳左衛門さんが緊張しているように見えた。

平成中村座の小屋の中にその緊張感が張り巡らされるような。

とても神聖な瞬間でした。


この「置鼓」は、傳左衛門さんの一座の時は必ずご自身がなさるそうです。

今月もご出演なさって打っていらっしゃるはずです。


浄瑠璃が一人一人役名を語り始めると、

舞台上で人形になっていた役者さんが、

まるで生命が吹きこまれるかのように動き出す。


物語が始まる。


ワクワクが止まらず、いつしか忠臣蔵ワールドへ。


私はこの8年間、大序は5回くらい観ているようです。

でもこの初回が忘れられません。

芝居小屋の空気感が素晴らしかったのもありますね、きっと。


城明け渡しの場で、仁左衛門さんが花道を去っていく時、

偶然にも小屋の外でカラスが鳴いた時の奇跡など。。

当時の平成中村座の話はしたらキリがなくなります(笑)


明日の大序は、どんなふうに感じるのでしょうか。

とても楽しみです。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • rio

    2016.10.24 15:43

    @目千両目千両さん、私もです(笑) 観てしまいますよね。 それに私も初めての場面があるようなので楽しみです。 評判も良いみたいですし、 どっぷり浸ってきます⭐
  • 目千両

    2016.10.24 14:32

    『忠臣蔵』と聞くと やっぱり観たくて私めも観劇して参りました 初めて拝見する場があり このお芝居が一層好きになりました