仮名手本忠臣蔵 第一部。

こんばんは。


今日は国立大劇場に行ってきました!


11:00~16:15までの長丁場。

どうなることかと思いました(笑)

体は少し疲れましたけど、

面白くてラストまで観ることできた達成感がありました。


私自身の心の進化を感じました。

年を重ねたからかな。。

観るたびに自分の中で深まっていく感じです。


三か月におよぶ’完全通し狂言’

第一部の今月は大序から四段目までです。


昨日blogで触れた大序はやはりワクワクしました。

傳左衛門さんのお声が三階席まで力強く聞こえました。

口上人形の声だけマイクで少し残念でしたが、

愛嬌ある人形の仕草に笑いが起こっていました。


大序は高師直だけ附けの音が入りインパクト大。

左團次さんの高師直は有無を言わせない強さと意地の悪さ。


錦之助さんの若狭之助がすっごくいい!

いつか隼人さんにもしてほしいと思っていたけど、

まだまだ錦之助さんで観ていたい(笑)


高師直×若狭之助でバチバチになるのですが、

錦之助さんがどんどん苛立っていく様子がシリアス。


今までの役者さんのイメージだと、もっと派手な感じでしたが、

錦之助さんは怒りが地の底からくるようで凄まじかった。

けど、品があり爽やかなんです。。すごい。


塩谷判官の梅玉さんは穏やかで冷静で、

この時はまだ高師直のターゲットは若狭之助なので、

二人の仲裁役になります。


この関係が逆転し、

塩谷判官が高師直に斬りつけることになります。

一方で若狭之助は、刃傷事件を起こさずに済むのです。


この運命を知っているだけに、大序でもう切ない(笑)


若狭之助が高師直に斬りつけずに済んだのは、

家老の加古川本蔵の働きがあったから。

家を守るため、主君の若狭之助に内緒で高師直に賄賂を贈り、

高師直のイジメを止めさせるのです。


本蔵役は團蔵さん。

控えめで、忠義に溢れてる。

主君のため、お家のためにしたことだけど、

これが塩谷判官の悲劇につながってしまうなんて。。


本蔵の妻、戸無瀬は萬次郎さん。

娘、小浪は米吉さん。


小浪は塩谷家家臣、大星由良之助の息子、力弥の許婚。

力弥は隼人さん。


二段目の’力弥使者の場’は42年ぶりの上演とか。

本蔵宅に力弥が父の使者としてやってくる。

そこで、許婚の小浪との二人きりの初々しい場面になります。


米吉さんと隼人さんは美しくて、

観ているこちらが恥ずかしくなるほど可愛らしかったです。

古典の二人も素敵です。

12月の第三部では悲劇が待っています。


本蔵の働きで、イジメの矛先が変わってしまった高師直。

判官の妻、顔世に横恋慕していることもあり、判官を攻めまくります。


そして、ついに刃傷事件に。

実はその様子をずっと本蔵が見ていて止めに入ったので、

判官に斬りつけられた高師直の命は助かったのでした。


左團次さんは本当に憎らしい(笑)

私の中では富十郎さんの高師直が一番ですが、

現在演じる方の中では一番です。


それに梅玉さんの判官がまたいいのです!

心臓を鷲掴みされるような切なさ。

あんなに温厚なのに、こんなことになるなんて。。

本気で悲しかったです。


その後の腹切の場面がすごい。

このシーンはいつも客席も出入り禁止です。

そのくらい厳かな儀式。

下座音楽はなく、三味線の一音一音が低く響きます。


梅玉さんの佇まいが重々しく、覚悟を感じます。

怖いくらいでした。

それは判官の無念さからくるのでしょうか。

心残りが一つある。

それを由良之助に託したい。。

国許からまだ由良之助は到着しません。


梅玉さんからは、語らずともその気持ちが伝わってきます。

切腹の所作の美しさが悲しい。


由良之助はまだか。。

と言葉を発するたびに胸が締め付けられます。


そして、刀を腹に刺したところで由良之助登場。


で、花道のライトがつき、由良之助の気配がした瞬間、

私は大泣きしました(笑)


自分でも驚いたのですが、

ここまでの梅玉さんが素晴らし過ぎて入り込んじゃってました。

心がすっかり判官のお屋敷にありました(笑)

やっと、来たよ~そんな気持ち。


何度も観ている場面なのに(笑)

まわりも泣いている人が多かったです。


これは、それまでの全ての場を観たからこそかもしれません。

錦之助さんの若狭之助、團蔵さんの本蔵の存在も大きい。

判官がより悲劇的に感じて、もはや家臣の気持ちになってる(笑)


判官の無念の想いが、由良之助の幸四郎さんへ繋がる。

そして、またここからドラマが始まる。


今は、早く続きが見たい!という気持ちでいっぱいです。


勘平とおかるのことや城明け渡しのこと、

大道具さんすばらしい!など、

まだまだ書きたいことはあるけれど、

長くなりましたので今日はここまでに。


私は歌舞伎の忠臣蔵が好きなんだな(笑)



猿之助さんの巡業はあと1日であがりです!

お江戸から応援しています。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • rio

    2016.10.25 14:38

    @目千両有難うございます。 判官と由良之助の場面は知っていても感動がありますね。 この主従の繋がりあってこその討ち入りです。 お二人はとても説得力ありました。 お陰で来月がとても楽しみになりました。
  • 目千両

    2016.10.25 13:22

    aya.さんのお話を読みながら 舞台を思い出して 泣いちゃいました 判官と由良之助の心の繋がり 由良之助がポンと一つ胸を叩くだけで充分でした