吹雪峠。
こんばんは。
風が強く冷たい一日でした。
披露宴ではXmas Songがたくさんかかります。
師走だな。。と感じます。
歌舞伎座のお話の続きです。
★内容に触れますのでご注意を。
玉三郎さん演出の第二部「吹雪峠」
作者は宇野信夫氏。
最近記憶にある宇野作品と言えば、
猿之助さんが7月に出演なさった「柳影沢螢火」が浮かびます。
吹雪峠は初見です。
登場人物は3人だけ。
約30分の濃厚なお芝居です。
吹雪の中、駆け落ちをした助蔵とおえんが必死の想いで山小屋を見つけます。
中で暖を取っていると、一人の男が入ってきます。
助蔵の兄貴分で、おえんの夫の直吉でした。
3年ぶりに顔を合わせ、
おえんを許したと思っていた直吉の心がざわつきます。
二人の仲の良いところを見せつけられて怒り爆発です。
吹雪の中を出ていけ!となってしまう。
今外に出されては死んでしまう。。と
助蔵とおえんは命乞いを始め、しまいには罵り合う。
駆け落ちまでした二人とは思えない発言が。。
直吉はそれを目の当たりにして
一人吹雪の中へ出て行ってしまいます。
助蔵は松也さん。おえんは七之助さん。
駆け落ち感がリアルで、ともに色気があり素敵でした。
七之助さんは、良い意味で生々しくて(笑)
男性のお客さんは、女性って怖いな。。と思うのでは?
松也さんは、色男風情が納得。
途中から手の平返しちゃうのが、
女の私としては「女性を守らんかい!」と思ってしまうが、
病気持ちだし。。
二人がリアル過ぎて、お芝居にグッと入ってしまいました。
でも、それよりも感動だったのが直吉の中車さん。
こういうお芝居はさすがです。
狭い小屋の中の三人芝居。
あまり動きはなく、セリフの掛け合いも直吉は少ないです。
すごいと思ったのは’間’の演技。
直吉は言葉ではなく、間で語っていました。
小屋に入ってきて、二人と巡り合ったことの驚きを、
表情や立ち姿で表していました。
無音でも決して間延びしないのは、
中車さんの物言わぬ語りがあるから。
そして、後半、二人が罵り合うのを聞いている姿もそうでした。
ここはまた違う感情で立っているのですよね。
前半後半の立ち姿の感情の違いにびっくりしました。
やはりすごい役者さんだなぁ。。と
それは七之助さんと松也さんだったからよかったのかも。
あの直吉を見たら、助蔵に走っちゃうのがわかる気もするし。。
三人が同類なのかもしれませんが、
ラストに直吉が一歩先を行くのだと思いました。
一人で吹雪の中を出て行った直吉は無事なのだろうか。。
そんな妄想をしてしまう。
とても見応えあるお芝居でした。
プロジェクションマッピングで舞台上に吹雪を実現し、
小屋の中に神経を集中させるようなライティングでした。
歌舞伎座の大きな空間に小さな小屋。
その中で息が詰まるようなドラマが展開されました。
サスペンスですっ!
三人の組み合わせもサイコーでした。
有難うございました。
aya。
2コメント
2016.12.11 13:51
2016.12.11 03:10