後方から黒塚。
こんばんは。
初日以来の新橋演舞場 夜の部に行ってきました。
お席は二階の上手ブロックの端の方です。
わりと後ろでした。
でも歌舞伎座の二階席後方より天井が高く、
圧迫感がありません。
写真だと横からのように見えますが、
一応向きは正面なので舞台全体が見えます。
義太夫さんの手前の方が見えないくらいです。
さて、奇跡だ!とツッコみを入れたくなるタイミングで、
猿之助さんが黒塚についてのblogを更新してくださいました。
まるでファンの気持ちを察するような内容に感動(笑)
私はまさに観劇直前だったので、
お衣装や鬘の疑問が晴れて、また新鮮な気持ちで観ることができました。
前回の歌舞伎座から曾祖父の型、初演の型に近づけています。
先代よりも古い型。
今回もそうしているようです。
どこが違う。。。というのはわかりません。
猿之助さんはいつか細かく明かしてくださるのかな。
私は勉強不足で、前回も今回も、
感覚で’今までと違う’と思っただけでした。
初演はもちろん、先代の黒塚を生で観ていないですし、
当代の猿之助さんを通して観ているだけです。
だから比べることはできません。
それでも今回の黒塚はとても新しく感じています。
そして、今までより猿之助さんらしいと感じています。
優しさがにじみ出ていて、哀しくて、切なくて。
だからこそ、裏切られた後の本性に凄みが増した。
曾祖父の型に近づけ深めたことで、
もしかしたら四代目の本質もじわじわ表面化したのかも。
’猿之助’という名が持つ宿命の通り、
猿之助さんは攻め続けています。
観ながら、今、黒塚はこの人しか演じることはできない。。
そう心に湧いてきました。
それには環境も大きいと思います。
音楽も全く飽きません。
逆に聞けば聞くほど心に沁みる。
箏は、中日から家元の中島靖子さんがタテを務めています。
初日に聞いた音色と違うのにびっくりしました。
まろやかで優しい音色。
空間が広がっていくようでした。
家元は猿之助さんを見ないのがすごいです。
今回の猿之助さんの踊りにぴったりに聞こえます。
今までも聞いているのに不思議です。
二階席でも音はよく聞こえました。
そして、一階席ではわからなかった全体を知れました。
ライティングは歌舞伎座より今回のほうが好きです。
細かいシーン展開が柔らかい気がしました。
一景と二景の間の工夫がすごいです。
二景の始まりがドラマティックで心で「うわぁ~」となりました。
月の下、岩手の影もくっきり見ることができました。
一階席からは見えなかった。。。
ラスト、長唄の「闇に紛れて。。。」
という部分の猿之助さんの表情がとてつもなく切なかった。
哀しかったな。。。
右團次さんの阿闍梨祐慶も素敵です。
このお役が嬉しいとおっしゃっていましたね。
猿之助さんも心おきなく演じているように見えてしまう。
中車さんがますます磨きがかかり、
もう香川照之の影がないです。
門之助さんと息ぴったりで緊張感がいいです。
猿弥さんは言わずもがな。
こんな深夜まで余韻で心がいっぱいです(笑)
終演後は春秋座でお会いした方と猿之助談義。
楽しいひと時でした。感謝。
実は友人のピンチヒッターで観劇でした。
私の本来の観劇日は日付変わって今日なのです。
連日になりますが、また夜の部に行ってきます(笑)
尺八は道山さんのようですので、
違った音色を楽しみにしています。
aya。
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