「四千両小判梅葉」猿若祭 昼の部
こんばんは。
東京にも雪が舞いました。
博多も寒いようです。
猿之助さんはストイックに舞台に専念しているのでしょうか。
応援しています。
来月歌舞伎座の詳しい配役が発表になりました!
なんと右近ちゃんが昨年に続き「渡海屋 大物浦」に出演です。
同じ安徳帝役。
でも、まわりの役者さんがガラッと変化します。
過去2回の舞台はおもだか屋が大勢いましたが、
今回は知盛役が仁左衛門さん、典侍の局役は時蔵さん。
他、梅玉さん彌十郎さん巳之助さん。
おもだか屋からは唯一、猿弥さんがいます。
先月大役を果たした右近ちゃんの成長が楽しみです。
仁左衛門さんの知盛は私にとって神。
一緒の舞台に右近ちゃんが立つなんて嬉しいです。
とても楽しみにしています。
さて、今月の猿若祭 昼の部のお話。
「四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)」は、
2012年11月に新橋演舞場で拝見しました。
その時にとても面白かった
江戸時代の牢屋のシーンが楽しみでした。
ストーリーは、今はおでん屋の富蔵が、
以前奉公をしていた武家の藤十郎に偶然出会います。
藤十郎がお金に困っていることを知った富蔵は、
江戸城から四千両を一緒に盗むことを持ちかけます。
そして、盗みは大成功しますが、結局二人は捕まります。
悪い事をするとこうなる。。みたいなお話です。
ただ内容が壮大すぎる(笑)
スケールが大きい内容にぴったりの配役です。
富蔵役を菊五郎さん。
藤十郎役を梅玉さん。
先月の国立を観ていないので菊五郎さんは久しぶりです。
もう、江戸の世話物サイコーです。
私が江戸っ子なので、その気質がよくわかります。
四千両を盗もう!なんて粋じゃあないですか(笑)
幕開きの菊五郎さんの’おでん屋’風情でタイムスリップ。
お客役の二人もよかったです。
梅玉さんは武士の品があり素敵です。
でも盗人になっちゃう。
二人で千両箱を担いでいる姿は、
リアルに重さを感じてすごいなぁと思いました。
その後、富蔵はそのお金を持って、
金沢の母親に会いに行く途中で捕まります。
雪の中、護送される途中、
女房と子供、舅がやってきて別れのシーンになります。
女房は時蔵さん、舅は東蔵さんです。
富蔵の菊五郎さんは縛られて駕籠に乗ったまま。
子供が籠にすがったりするので泣けます。
一緒に観ていた恩師は本気で泣いていました。
雪の冷たさ感じる場面に親子、夫婦、家族の情が温かい。
切ない気持ちになりました。
そして、待ってました(笑)牢屋のシーンです。
’西の大牢’というところで、
富蔵は牢屋主に気に入られ、二番役になっていました。
大勢の囚人がいます。
畳が一番高く積まれているところに座っているのが牢屋主、左團次さん。
上下関係が厳しいのです。
新入りが入ると、まずは板でたたく。
二番役の役目です。
新入りの貢物によって、叩き具合も変わってくるから面白い。
免除されたりもします。
まさに「地獄の沙汰も金次第」面白いです。
ここで、菊之助さん松緑さん萬太郎さんが新入りとして、
少しだけ登場します。
皆さん江戸っ子風情がカッコいい!
特に菊之助さんがキレキレで惚れる(笑)
この方は、今、まさに兼ル役者ですね。
女形は美しいし、立役は男前。
短いシーンですが眼福でした。
江戸時代の牢屋の中は、
こんなに’しきたり’があったのかと感動します。
座る畳の枚数や、牢屋への入り方、新入りの迎え方、見せしめ。。。
そして、あの低い声の返事(笑)
怖いけど可笑しいって。。歌舞伎だからかな。
義理や人情がそこにもあるのです。
はりつけの刑を言い渡された富蔵は牢屋を出ます。
その先で藤十郎と一緒になり、刑場に向かいます。
処刑となっても粋な風情なのがカッコいい。
悪い事をしたらこうなる。。。
だけどその心意気がアッパレなのでした。
2時間ノンストップですが、
場面転換でガラッと雰囲気が変わるので疲れず観ることできました。
面白かったです。
その後の舞踊「扇獅子(おうぎじし)」で明るく打ち出し。
鳶頭の梅玉さんと芸者の雀右衛門さん。
とっても華やかでした。
昼の部、長丁場で見応えたっぷりです。
夜の部は完売だそうなので、こちらを是非♪
有難うございました。
aya。
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