「男の花道 」2

こんばんは。
今も猿之助さんの余韻に浸っています。


公演はあと2日。

’櫓のお七’の語りではないですが、

羽がほしい、翼がほしい、飛んでゆきたい。。

という気持ちでいっぱいです。


歌右衛門は進化していました。
そしてお芝居全体がスケールアップして、
博多座の規模に負けていなかったです。

このまま歌舞伎座で大歌舞伎として上演してほしい。
観ながらずっとそう想っていました。

★内容に触れますのでご注意を。



幕が開くと4年が経っています。

歌右衛門は、今、江戸の中村座に出演中。
大人気の女形歌舞伎役者になっていました。

見物に来た田辺嘉右衛門 門之助さんと、

その妻 富枝は笑也さん、富枝の妹は米吉さん。


意地悪な田辺がいい感じです。
かなりの傲慢ぶりです。

笑也さんの恐妻ぶりにびっくり!
旦那様に冷たい態度が可笑し味たっぷり。
それに習って米吉さんも少し冷たい。

でも歌右衛門が来ると聞くと、
態度がコロッと変わるところがいい(笑)

田辺は芝居見物をせず、

廓近くの料亭に遊びに行きます。


馴染みの花魁の目の治療のため、
そこには玄碩 平さんと、同じく医者の男女蔵さんが呼ばれていました。

芸者さんなど、まわりが華やか!

笑野さん笑子さん瀧昇さん、三四助くん猿くん。

猿くんの女形が可愛らしくて目が釘付けでした(笑)

まずは宴会とばかり、
田辺は酒や踊りを勧めますが、治療前だからと玄碩は断ります。

男女蔵さんは踊る(笑)
でも断固として平さんは踊らない。

その断り方がダイナミック(笑)
子供が駄々をこねるようだから、思わず笑ってしまいました。
その意固地な感じが可笑しくて。

女将の笑三郎さんが粋です。
こういう風情は他の人は出せないですよね。

そして歌右衛門の話題が出ると、
玄碩は懐かしみ目の治療をしたことを話します。
歌右衛門を想う平さんのお顔がなんとも幸せそう。


田辺は、それが本当なら歌右衛門を今すぐ呼び、

時間までに来なければ切腹と命じます


ご恩を一生忘れない。。
歌右衛門との約束を信じ、玄碩は命を懸けます。
踊れば許してもらえるのに、絶対に踊らない(笑)


上演中の歌右衛門に手紙を届けてもらいます。


「櫓のお七」の劇中劇の場面です。

ここもすっごく楽しみにしていました!

猿之助さんの人形振りの踊りは天下一!


竹三郎さんが以前おっしゃっていました。

「猿之助さんには’鉄火な女性が似合う’」

お七はまさに恋に命をかける女性。


人形振りなので、表情は動きませんが、

内から溢れる炎のような’気’を感じます。

これを感じただけで胸がいっぱいです。


人形遣いは歌助の隼人さん。

息があっていてよかったです。


人形振りから人間の踊りになり、やっと猿之助さんが花道に来た!(笑)

私は瞬きしていなかったと思う。。


櫓に上がろうとすると、

手紙を持った竹三郎さんが現れお芝居が中断。


玄碩の窮地を知った歌右衛門は客席に向かって訴えます。

恩人の元へ行かせてほしい。


猿之助さんの迫真の演技と言葉に、中村座の客として泣けました。

心が痛くなった。

私はそういうことができるだろうか。


客席の間を通り、歌右衛門は玄碩のもとへ走ります。


座敷ではジリジリ待っている玄碩一行。

笑三郎さんの忠臣蔵のセリフが粋です。


そこへ花道をかけてくる歌右衛門。

私が座っている横でつまずくのです!

心の中では私は「ひゃ~」

今回も長谷川一夫さんのお衣装なのでしょうか。

このラストのお着物姿の猿之助さんが大好きです。


玄碩と手と手を取り合う場面は、

ビジュアルが美しいし、とっても嬉しいけど妬ける(笑)

そのくらいお似合いです。


平さんの演技が大きいからか、

猿之助さんもここは前回より大きいアクションでした。

でもそれが感動するのです。

会うことはなくとも友情と信頼で結ばれているのがわかる。


「老松」を幸せそうに踊る歌右衛門に泣けました。

自分が誇れることで役立つことができる幸せ。  

役者としてではなく、一人の人間として舞う。 


これぞ男の花道。 

 途中、涙を拭う歌右衛門の仕草、そして満面の笑み。

この笑顔に会うために博多に来ました。 

 私も幸せでした。


大満足でした。

これは歌舞伎座で上演してほしい。

そのくらいお芝居が進化してます!待っています。


その後、幕間では大向うの会「飛梅会」の会長さんとお話できました!

幕開きから、お声でいらしているのがわかりました。

劇中劇の「加賀屋っ!」は気持ちいいです。

私が大向うをする時のポイントを少し教えていただいた(笑)

かける日がくるのか!?


そこへ劇中に独吟をなさっている松島庄四郎さんが通り、

お話をちょっとだけさせていただき幸せでした。


いろんなご縁に恵まれ感謝です。


でもこの後のレビューで、この遠征一番の幸せが待っていたのです。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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