明君行状記。
こんばんは。
今日は歌舞伎座が中日でした。
後半も皆様お怪我なく頑張っていただきたいです。
昨日拝見した昼の部のお話です。
演目が発表になってから、
三つの演目全て観てみたいなぁと思っていました。
でも最初の「明君行状記」はついて行けるか不安でした。
真山青果の作品と聞くと少し身構えてしまいます。
新歌舞伎を代表する作者で、セリフ劇で有名。
言葉の応酬に、心がヒットするのだろうか。。
いつもドキドキします。
いやいやいやいや。
結果は、すっごく面白かったです!
いつからだろうか、
年を重ねて真山作品が面白く感じるようになってきました(笑)
「頼朝の死」「将軍江戸を去る」「元禄忠臣蔵」
そして、大好きな「荒川の佐吉」
どれも今では楽しみな演目です。
台詞に役の心が宿るというか。。
まだまだいろんなことを感じていきたい話たちです。
初めて観た「明君行状記」は、前半はドキドキがないのだけど、
後半に梅玉さんの光政が登場してからどんどん惹きこまれました。
亀三郎さんの善左衛門のテンションもどんどんアップします。
善左衛門は、禁猟地内ということを知らずに鳥を撃ってしまいます。
本来、死罪になるのですが、明君 光政はそれを救おうとします。
ですが、日頃から光政の明君ぶりを疑っている善左衛門は、
命をかけて光政の本心を知ろうとします。
亀三郎さんは5月に襲名を控え、
今月は’亀三郎’としてラストの舞台です。
私の中で、今までで一番の亀三郎さんでした。
最初からラストまで出ずっぱり、喋りっぱなし。
真山的なセリフ量をよくぞここまで滑舌よく話してくれた!という感じです。
元々お声が大きく、美声。
それを緩急自在に滑らかにすごい。
主人の腹を探ろうなんて、ちょっとやんちゃな家来。
パッションの塊(笑)
対する光政は、飄々としていてスポンジのよう。
善左衛門がヒートアップすればするほど、のらりくらり余裕(笑)
かと思えば、強い口調にもなり、梅玉さんも緩急自在。
二人のセリフの応酬に、
一体どっちがどこで観念するの?とドキドキしてきます。
掛け合いで言葉がかぶりそうになるくらいの部分もあり、
お二人が気持ちでぶつかっているのが伝わりました。
だからこそ、見ているほうものめり込みます。
死罪を望む善左衛門、
それをどうにか救おうと策を練る光政。
無罪を望んでいるのではないところが面白くて(笑)
普通は逆ですよね。
しかもお互いに愛情を感じる。
二人の問答にラストはそれぞれに大拍手が起きました。
爽快、爽快♪
ものすごく気持ちいいです。
面白かった。
善左衛門の妻は高麗蔵さん、弟は萬太郎さん。
前半、まわりの皆さんの善左衛門や光政を想う気持ちが伝わり、
後半を盛り上げました。
犬の鳴き声がすごくよかった(笑)
気持ち伝わりました。
後半、二人のやり取りを見ているまわりの方々が、
長丁場ずっと座っているのもすごいです。
ストーリーが明快なので純粋に言葉のやり取りを楽しめました。
また観たいです。
有難うございました。
aya。
0コメント