かぐや姫。

こんばんは。


俳優祭のTV放送日程がすでに発表になっています。

4月30日㈰21:00~ Eテレ

特別番組『第38回 俳優祭』

「二つ巴・石橋」「模擬店」「月光姫恋暫」


行けなかった方も早々に楽しめます。

もちろん拝見した私もとってもワクワクしています。


★記録として感想を書きますが、

情報を知らないまま放送を観たい方は読まないでくださいませ。




さて、俳優祭のお話です。

役者さん勢揃いの舞踊とお芝居にはすごくびっくりしました。

一日だけではもったいないくらい素晴らしかったです。


豪華メンバーを考えれば一日が限界とは思いますが、

お衣装や道具、背景。。もったいないくらい素敵。


昼夜ともに拝見した感想としては、

昼のお客の反応で夜に演技を変えてきているのがわかり感動でした。


大向うが盛大で、上手下手中央の三方向からかかっていました。

博多の飛梅会の会長さんにもお会いできました。


すっごく気持ちいい大向うでした。

昼も感動だったけど、夜は全員の気持ちが揃ったように

声もほぼ揃っていて鳥肌ものでした。


「月光姫恋暫」が始まる時、私は一番元気になっていました。

待って待って、猿之助さんのお顔を見ることできる!


お話は’かぐや姫’にオペラの’トゥーランドット’を混ぜたもの。

そのことは知っていたけど、

恥ずかしながらトゥーランドットの内容は知りませんでした。


観終わった後に調べると、

なるほど、かぐや姫の花婿候補が斬首されるとか、

姫の心を開かせる男への質問が同じとか、

名台詞を猿之助さんが言っていたり。。。。


などなど、知っていたらもっと面白かったかもしれない。。と

考えなかったことを少し後悔しました。無知って罪だな。

でも知らないから話が新鮮でした(笑)


猿之助さんの登場がすごかったです!


かぐや姫から光が放たれているイメージです。

舞台中央後方に立ち、扇子で顔を隠し、

思いっきりバックライトを当てて最初は本人はシルエット状態。

とっても猿之助さんらしいライティング!


バックライトが消え、扇子を下ろすと猿之助さん!

そして「おもだか屋っ!」大歓声!みたいな感じ(笑)


月宮殿のかぐや姫は気性の荒い一人娘で、

両親に地球に修行に出され、やってきました。


髪は滝夜叉姫のようにダイナミックです。

ゴールドの派手派手な花かんざし。

これ、後でシルバーに変わります。


十二単で胸を添って歩く様子が怖い(笑)

お顔が美しくて、目のキツめなラインが好き。

強気でワガママな感じが抜群に出てました。

笑顔ゼロ!二コリともしません。


所作が美しく、優雅で見とれてしまいました。

話し方は歌舞伎の古典の口調。

怖いけど姫らしい女方は久しぶりで嬉しかったです。


お爺さんお婆さんへの発言が上から目線。

二人が恐れおののいて言いなりになってしまいます。


ちなみに、かぐや姫の父母、月宮殿の王と妃は、

仁左衛門さん玉三郎さん。

夫婦として並んでいる姿に美しすぎて感動でした。


そして、その家系図に喜んだ(笑)

猿之助さんのお役の父母がお二方なんて夢のよう。


かぐや姫は霊力を持ち、

お爺さんお婆さんの家は裕福になる中、

かぐや姫の婚活が始まっています。


イケメン王子たちに三つの謎解きをさせます。

左團次さん鴈治郎さん市蔵さん中車さん。


それぞれ面白いことをするので、

お客も爆笑、舞台上の染五郎さん猿弥さん方も笑いをこらえる中、

私が見る範囲では猿之助さんは二コリともせず。

笑ったら悔しい。。くらいに思ってるのかな(笑)


それでも王子のくだりで笑った瞬間がありました。

夜の左團次さんです。。。

昼も面白かったのですが、「夜なので。。」と下ネタやっちゃいました。


「NHKさん、ごめんなさい」から始まると、会場に変な緊張感(笑)

そこから左團次さんの退場シーンまで、まわりは振り回されっぱなし(笑)

見ると猿之助さんも笑ってました。

笑顔が見たいな。。と思っていたので嬉しかったです。


それにしてもNHKさんは昼夜どちらを使うのかも注目です。

って、昼だと思うけど(笑)


あと、夜はその後、珍しく猿之助さんが扇子を落としかけました。

これは私は見たことがないのでレアで貴重な瞬間。

落さなかったのがすごい!


さらに猿之助さんには珍しく、

セリフが乱れるということがありました。


猿之助さんも自分で笑ってしまい、

とっさに扇子にセリフが書いてあるかのように、

わざと可笑し味たっぷり読んでるふうにセリフをしゃべりました。

会場は爆笑でした。


昼は完璧だったので、

扇子にセリフが書いてあったかどうかはわかりません。

でもあの動作は間違いなく寿猿さんの専売特許(笑)


他の役者さんもすることかもしれませんが、

おおだか屋ファンの私にとっては、より嬉しいアクションなのです。

「寿猿さんかっ!」と心でツッコミを入れたのは私だけではないはず。


猿之助さんが遊び心を出す加減が、

全体通して私にはちょうどよかったです。

あのお酒の飲みっぷりも豪快で妖気漂っていて素敵(笑)


その後、もう一人の求婚者、勘九郎さんの存在で、

改心するくだりも最高によかったです。


猿之助さんが「だい、いちもん~」と出題する様子が可愛かったです。

勘九郎さんは全問正解しますが、

’イケメン王子’の条件にハマっていないと婿にするのを嫌がる。


すると勘九郎さんが逆に問題を出します。

その答えを調べよと命令する時「誰も寝てはならぬ」と言います。

これはトゥーランドットで有名なセリフでアリアにもなっています。

知っていたかったな~


それと、改心した時に言う「あなたの名は’愛’!」

だったと思うのだけど、それも名セリフなのですね。

昼の時は???でした。


夜も?なのは変わらなかったのですが、

猿之助さんの言い方がかなり大胆でオペラのようだったので、

こういう話なのだとピンときました。

すごく会場も盛り上がりましたよね。


自分の美貌に嘆く場面では、

ドリフのように全員でズッコケるという技あり(笑)

竹本連中もズッコケる。


全員、昼より夜のほうが思いっきりコケていました。

昼は気がつかなかったのですが、

官女役の猿紫さんが家の中から手すりごと、

1mくらい落下していたのにびっくりしました。


改心してからは、少しだけ立ち廻りがあり、

染五郎さん勘九郎さんとキマる絵が尊い瞬間でした。


かぐや姫の妖力で連理引きがあり、

染五郎さんを操る猿之助さんを観ていたら、

以前「かさね」で海老蔵さんを操っているのを想い出しました。

こういう’人であらざる者’は似合います。


そして、かぐや姫は月に帰ります。

帝役の菊五郎さんから求婚されるなんて見ていて幸せ(笑)

猿之助さんと菊五郎さんが並んだ姿はいつ見たかな。


勘九郎さんと並んだ様子も美しい。

このペア、新たな発見でした。


猿之助さんにかぐや姫を、という気持ちがわかりました。

こういう強気な女方は天下一。

しかもお茶目で、可笑し味もバッチリ。

こんな猿之助さんが観たかったです。



脚本も面白く、京蔵さん咲十郎さんすごいです。

パンフレットのお二人の言葉「乍憚口上」がめっちゃ素敵です。


一座総出の花舞台。まさに!

いまだ夢心地。


もう少しお話は続きます。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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