相模を楽しむ。

こんばんは。


花散らしの雨でした。

でも歌舞伎座の中は桜満開です!

約1週間ぶりの昼の部に行ってきました。


友人のaccoさんと一緒に三階席から楽しみます。

大雨にも関わらず三階から見える空席はほぼ無くて盛況でした。


しかも幕見席は三つの演目ともにたくさんの立ち見!

外国の方が多いのですが、

役者さんが見て喜んでいたらいいなぁと思いました。


猿之助さんの進化が楽しみでした。


そうしたら万野がすごく美しくなっていた!(笑)

前回も艶やかだったけど怖い感じが先行していました。


男性っぽく声を張ることが少なくなったような。

もちろん低音利かせるところも多々あるのですが、

多発せず、いい塩梅で好きでした。


大げさに言ってしまうと、

前回は立役っぽさがあったけれど、今回は女方らしくなった感じ。


でも意地悪さは健在(笑)

貢の言葉にかぶってくクロストークは面白いです。

気持ちの上で良い距離感を保ちながら、

染五郎さんと息の合った掛け合いが自然で最高でした。


染五郎さんの貢も今日は万野に負けてなかったです(笑)

貢が攻められてジリジリしていく様から目が離せませんでした。


チームワークがますます良くなり、一人一人キャラが立ってきた感じ。

猿之助さんの上方言葉も今日は聞き取れました。


言葉と言えば、

猿之助さん演じる「熊谷陣屋」の相模がもっと知りたくて、

昨晩はクドキ部分を中心に床本を読み込んでみました。


伊勢音頭のような世話物は聞き取れるけど、

熊谷のような時代物のセリフは何となく。。で聞いています。

ストーリーを漠然と知っていればわかった気がするからです。


今まで主人公の熊谷に焦点をあてて見ていたから、

相模がどういう人かはわかっていても、

セリフまでは追っていませんでした。


猿之助さんがどんな言葉で表現し、

どうしてそんな表情になるのか知りたかったのです。


さらに劇場で’字幕ガイド’を借りて、

台本versionで観てみることにしました。

(字幕ガイドは、手元で台本ver.と解説verが選べます)


何度も観ているはずの熊谷ですが、

相模の言葉を読んでいると新鮮でした。


自分の子が身代わりになったことを知り、

その首を渡されてからのクドキ。


一瞬にして状況を把握し、自分の立場を把握し、

でも母としての嘆きがこれでもかと溢れ出てくる。


それを苦渋の表情で必死に耐えながら聞いている幸四郎さんの熊谷。

私には相模と一緒に悲しみ、優しく今にも泣きそうに見えました。


猿之助さんの相模は、それはそれは愛おしそうに我が子の首を抱きます。


義太夫が、

「あへなき首を手に取上げ、見るも、涙にふさがりて、変るわが子の死顔に、

胸はせき上げ身はふるはれ、持ったる首のゆるぐのを、うなづくやうに思はれて、

門出の時に振返りにっと笑うた面ざしが、あると思へば可愛さ不憫さ声さへ喉に、つまらせて」

と語ります。


’門出の時に振返りにっと笑うた面ざしが。。。’

この時の猿之助さんが首を見つめる表情、頭をなでる手が、

まさにその光景を想っているようで私の心も震えました。


そして、最初の場面の、

初陣の我が子が心配で思わず陣屋まで来てしまう

相模の様子がフラッシュバックしました。


猿之助さんが言葉を大切におっしゃっているように感じ、

聡明で温かみある相模でした。


幸四郎さんと心が繋がっているよう。

よい夫婦。


熊谷が出家し花道を行く姿を見送る相模の表情は悲しかった。

一人で行ってしまうのが悲しいというより、

熊谷の悲しさ、自分への優しさを感じとって泣いていたのでは。。

あぁ。。でも熊谷と同じ無常を感じているのかな。


まだまだ見ていたい猿之助さんの相模です。

藤の方役の高麗蔵さんとも息ぴったりで、

こちらもチームワーク抜群です。


後半も観に行きますが、その前に幕見したい(笑)


楽しませていただきました。

有難うございました。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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