帯屋。
こんばんは。
門之助さんblogに猿之助さんが登場しています。
楽屋でお二人が入れ違うタイミングは万野なのですよね。
初日頃のお写真と比べ、少し痩せた感じがします。
あれだけハードな舞踊と、初役万野、幸四郎さんのお相手相模は、
自然と体重が減っていきそうです。
奴道成寺のキレが増してきたのは、それも理由の一つかもしれません。
さて、夜の部「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」は、
上方の世話物狂言です。
上演している’帯屋’の場面は、お江戸では2000年2月歌舞伎座以来です。
私は初見でした。
猿三郎さん染五郎さんがblogでおっしゃったように、
今月の歌舞伎座は全て上方が舞台のお芝居です。
その中で、ほぼ上方の役者さんだけで上演しているのが’帯屋’
38歳の帯屋長右衛門と14歳の信濃屋お半の恋、
「お半長右衛門」「お半長」と呼ばれた実際にあったお話です。
二人の遺体が上がったことから心中と言われているそうですが、
心中に見せかけ、殺されたという話もあるようです。
猿三郎さんがこれもblogに書いていらっしゃいます。
心中物はあまり得意ではなくて。。。。
なんでそうなってしまうのかな。。。
考えなくてもいいのに考えちゃう(笑)
長右衛門は藤十郎さん。
85才でいらっしゃいます!すごい。
お半は、藤十郎さんのお孫さん壱太郎さん。
お半長の24歳の年の差どころではありません。
ラスト、抱き合う姿は心が通じ合い美しかったです。
でもその悲しい結末の前に、
長右衛門はお半を想い切ろうとしていました。
女房お絹 は扇雀さん。
とても頭が良く、優しく、できた女房。
長右衛門の浮気を知っていながら、
義母にバレないよう手をまわして夫を助けます。
この優しさが仇になるのかもしれない。
夫に怒り狂っていたら、
お半との心中に走ることはなかったかもしれません。
義母 おとせは、養子の長右衛門を追い出して、
自分の連れ子 儀兵衛に跡を継がせようとしています。
長右衛門の浮気の証拠を握ったおとせと儀兵衛は、
ここぞとばかり一緒になって責めます。
おとせは吉弥さん。儀兵衛は染五郎さん。
意地悪な親子です(笑)
吉弥さんの意地悪っぷり、染五郎さんの面白さが、
2回目に見たら物凄く進化していました。
コンビのように見えてきた(笑)
特に染五郎さんはネタを仕込んでる(笑)
これは実際に観ていただきたい!
日替わりなのかな。
二人で長右衛門を責める中、
お絹が、切り札の丁稚の長吉を登場させます。
お絹があらかじめ長吉に仕込んでおき、
お半と恋仲なのは自分だと言わせます。
実は長吉はお半が本当に好きでした。
長吉は壱太郎さん。お半と二役です。
私は壱太郎さんの鼻たれ小僧を初めて見たかも。
ある意味、衝撃でした。
しかも、2回目はずーずーしさが倍増していた。
歌舞伎の前髪の情話を並べるくだりはアッパレ!
確かに前髪男子の恋バナはたくさんありますね。
染五郎さんとは漫才コンビのようになって、
息ぴったりですっごく楽しかったです。
結局、儀兵衛は長吉にやり込められ、
長右衛門はお絹の機転でその場を免れます。
長右衛門は反省してお絹の優しさに応えようとします。
しかし。。
一人になった長右衛門のところにお半が現れます。
壱太郎さんは文楽人形のように美しく儚くて。
「おじさん。。。。」
この言葉が、とても子供でドキッとしました。
お半は書置きを残して桂川に向かいます。
それを察して長右衛門は追掛けます。。
なんでこうなってしまうのか。。とやっぱり想うけど、
恋をするとはこういうことなのかと、
お半の一途さ、長右衛門のお家の環境を観てわかる気もします。
タイムスリップしたような。
本物の二人もこうだったのかな。
壱太郎さんの可憐さが妙に説得力がありリアル。
染五郎さんの明るさに救われました。
楽しませていただきました。
有難うございました。
aya。
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