名月八幡祭@歌舞伎座
こんばんは。
なんと中車さんが秋に女方舞踊を踊ることが公表されました!
しかも大曲「藤娘」です。
そして会場は国立大劇場!!
中車さんが歌舞伎界に入って5年が経ちました。
歌舞伎座で女方をなさるのを聞いた時もひっくり返りそうでしたが、
それを上回る衝撃です。
もう胸がいっぱい(笑)
いろんな声が上がることを承知していると思う。
それでも逃げない姿勢に感動します。
私よりも上の世代がチャレンジし続けてくれること、
見習わなきゃと熱くなります。
9月が楽しみです。
また、演劇評論家の渡辺保氏の6月歌舞伎座の感想が発表でした。
劇評は読んでも気にしませんが、笑ってしまった。
猿之助さんが聞いたら何て言うかな。
「これが変わっていて面白い。
変わっているのは猿之助のお蔦である。
今までいろんな人のお蔦を見たがこんなお蔦ははじめて。」
’こんなお蔦ははじめて’
このフレーズが気持ちいいではないですか(笑)
私は昨日拝見し、
前回までと明らかに進化した猿之助さんを目の当たりにしました。
これから千穐楽に向けて、さらに深まってくると思う。
猿之助さんのお蔦なのですから。
★ここからお芝居の内容に触れますのでご注意を。
さて、今日も歌舞伎座に行ってきました。
本当は「ヴェニスの商人」を観ようかと思っていたけど、
どうしてもすぐにまた昼の部を至近距離で観たくて(笑)
映画より’今’を取りました。
お席は一階席2列目センターでした。
初日に拝見して3日挟みました。
なんとお芝居はすごく進化していました!
新たなチームで臨む「名月八幡祭」
松緑さんのblogでその意気込みを読んで感動しました。
’僕が引っ張っていく’
その心意気を十分に感じるお芝居でした。
全員のお芝居が少しづつ変わり、テンポアップ。
笑也さんの美代吉もほぼセリフが入って自然な感じです。
でも江戸っ子な私からすると少し’のんびりさん’
笑也さんの個性かとも思うのですが。
気風がいい深川芸者、情に厚くて女伊達。
個人的な好みですが、語尾は無駄に伸ばさないのが江戸っ子かと。
伸ばしても「っ」が最後にくっつく、みたいなイメージ。
伸びっぱなしだと何だかムズムズするのです(笑)
初日に感じた違和感の正体はこれだったのかと腑に落ちました。
猿之助さんやまわりの江戸弁とリズムが違う。
もちろん言葉の問題だけではありません。
それを超えるものってあると信じています。
笑也さんが変わってくると二人も演技が変わってくると感じました。
今はまだ猿之助三次も笑也美代吉に合わせているのかも。。なんて。
まだ始まったばかりなのでこれからの進化を楽しみにしています。
松緑さんの新助さんが、近くでみたらお顔まで純朴。
一目ぼれをして、どうしようもなくおぼれていくのが手に取るよう。
美代吉のために家も田畑も売ってお金を作ったのに愛想尽かし。
お客さんが新助さんの味方になっていく空気でした。
新助とともに一喜一憂してる(笑)
美代吉と三次が仲良く飲んでいるところに花道から新助がやってくる。
すると客席から「あ~~。。」とため息みたいな、
行っちゃダメみたいな(笑)どよめきが。
ラストの花道で笑う場面では、
客席はシーンと悲しい雰囲気でした。
松緑さんの狂気の場面が初日と変っていました。
細かい部分ではなく、オーラが。
本当に怖い。
初日は少し淡々としていた本水の立廻りも違っていました。
猿之助さんの三次を間近で観ることできて本望です(笑)
江戸っ子所作が心憎い。
ずっと目の前にいるので直視できない(笑)
それでも気づいたのは、
この役はずっと眉間にしわが寄ったような怖い顔。
目つきが鋭く、視線の運び方も力強い。
猿之助さんがこんなにカッコイイなんて、
知ってたけど(笑)感動です。
でももっと色気があるんです!
今日は甘え方がさらっとしてた(笑)
笑也美代吉がもっと愛してくれたら違ってくるかなぁ。。。
猿之助さんの進化も観続けたいです。
佐吉もどんどん進化しましたから。
猿弥さんの魚惣の懐の深さに救われ、
女房竹三郎さんとの痴話げんかに癒されて、
弘太郎さんのひょうひょうとした船頭にほっとします。
亀蔵さんの器の大きさ、段之さんの女将も貫禄あり。
おもだか屋、髙嶋屋の皆様、舞台上の全員の一体感増し増しです!
猿之助さんが美代吉の簪を髷に刺した姿が粋で好きです。
幕切れの十五夜。
三階からは二つの月が見えました。
一階席からは一つだけでした。
どちらの眺めも切なかったです。
このお話が大好きです。
有難うございました。
aya。
2コメント
2017.06.07 13:09
2017.06.07 04:48