花戦さ。

こんばんは。


今日はすっごく驚きました。

猿之助さんが出演する「花戦さ」を観に行くと、

なんと偶然に隣に伯母が座った(笑)


前を失礼いたします。。という声に???となり、

顔を見たら久しぶりに会う伯母でした。


映画館なんてたくさんあるし、

しかも同じ時間で隣だなんて、二人で声を上げて握手しちゃった。

伯母は茶道や花道、書などひととおり経験し、

歌舞伎もよく知っているから話が合う人。


観終わった後は、久しぶりに姪の立場で珈琲をご馳走になりました。

ご縁に感謝でした。


さて「花戦さ」

妄想以上に面白くて、こんなに泣けるとは思いませんでした。


とにかく役者さんが豪華!

私には佐藤浩市さんが一番ショッキングでした。


千利休は時代劇で時々観てきましたが、

利休という人が自害するまでの心を

こんなにも感じることができたのは初めてです。


茶道はよくわかりませんが、

萬斎さんの専好が茶の湯を’もてなすように’と、

秀吉に謝ることを説得する場面は涙が止まりませんでした。


そして、利休が自分に足りなかったものに気づくところは、

切ないけど、救われました。

自分のために死ぬことができたのかな。。と。


秀吉への抵抗ではなく、

秀吉を茶道でもてなすことができなかった果てのこと。

利休が悔やんだことがあるとすれば、

それは秀吉にではなく自分にだっただろう。。と感じました。


萬斎さんの池坊専好も意外でよかった!

こんなに天真爛漫な雰囲気だと思わず(笑)

京都 六角堂の花僧。

花への愛情がものすごく伝わってきます。


花には仏がいる。

聞いていたらそんな気になってきた(笑)


後半は専好の言葉で利休が悟りますが、

前半は利休の一服で専好が心を開きます。


お茶をいただき、

心も体も解放されていく様子が泣けました。

たぶん私が歌舞伎を観た時がこういう感覚だったから。。


それぞれ道を極めようと進む者同士は、

言わんとすることを察することができ、心通じるのだと感動でした。


猿之助さんの秀吉は噂通りのチャーミング!

昇り龍の場面が、若くてびっくり。

昔の大河ドラマを彷彿とさせました。


天下人になってからは別人のよう(笑)

さすがです。


観ていてヒヤヒヤするくらい、嫌な人。

何でヒットするのかまわりがピリピリするのが納得です。

利休を踏みつけるシーンは迫力満点。

利休のことを可愛さ余って憎さ百倍で、

とってもやっかいな感じがいいです(笑)


でもどこか影もあり孤独。

金の茶室の列が途絶えた時は、

誰か行ってあげて~~~と心で思ってしまった(笑)


それにしてもあんなに冷たい猿之助さんは初めてかも。。

だからこそラストシーンがとても素敵で救われました。


ラストシーンの猿之助さん萬斎さんの対峙は圧巻!

狂言と歌舞伎。

世界は違えども、伝統芸能に身をおく二人の演技はすごい圧でした。


萬斎さんの花の力が宿ったような信念ある言葉に、

猿之助さんの顔色がみるみる変わる。

心がどんどん揺さぶられていくのが表情でわかります。

そして、どんどん柔らかくなっていく。


私はこの平和なラストに感動でした。

秀吉が負けるけど、ふんぞり返って終わるのかと妄想していました。

でもそうではなかった。


この人もまた、己の’道’、天下人の道を

進んでいる人なのだと納得するラストでした。


出演者の皆さんに、一人一人の道を感じました。

織田信長の中井貴一さん、前田利家の佐々木蔵之介さん、

石田三成の吉田栄作さん、髙橋克己さんなど。


前半の和気あいあいとした雰囲気が幸せだからこそ、

後半の花戦さに至るまで、何かある度に泣きました(笑)



それぞれに美しい。


この言葉は私の心に花を咲かせました。

人もそれぞれに美しい。

そういう心の目を持ちたいと思いました。


時間があればもう一度観たいです。

伯母も絶賛でした。


スクリーンの中のお花や風景に癒されました。


皆様も是非、ご覧くださいませ。


有難うございました。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

0コメント

  • 1000 / 1000