桜の森の満開の下。

こんばんは。


今日は二部三部を楽しみました。

二部では友人に会え、三部は先輩と一緒。

亀戸’升本’の縁起が良さそうなお饅頭がおやつ。

亀戸大根餅入りです。


二部もいろいろと書きたいことがあるけれど、

まずは初見の「桜の森の満開の下」のこと。


あっという間でした。

全く予備知識なく拝見しました。

ラストシーンの勘九郎さんと七之助さんの言葉に涙が溢れました。


私が10代の頃の小劇団ブーム。

テーマ性があって早口で言葉が多い芝居が多かった。

その空気感を思い出しました。


あの空気を現代の歌舞伎座で感じることができるなんて。

全く古くなく、すごく面白かったです。

歌舞伎役者の身体能力をフル活用し、

小劇場で感じる人間力というものを超えていた。


壮大な歴史物語、歌舞伎が持つ、

時代を超えた普遍的なものを感じました。


正直、全てを解ろうとすると苦しいのですが(笑)

わからないけどいろいろ妄想できるお芝居でした。

頭の中を余韻がグルグルするのってずるい。


桜って不思議。
'恐ろしいけどときめく'
耳男の言うことがわかるような気がします。



七之助さんの夜長姫は’人で非ざるもの’でした。圧巻。

大自然そのもののようにも思えたし、

一人の可愛らしい女の子でもありました。


絶えず両極なものが存在していて不思議な感覚でした。

無邪気と悪気、優しいと残酷。。。。


勘九郎さんの耳男は、思ったほどうろたえていなかった(笑)

軽やかな所作とセリフ回しなんだけど、

後半になればなるほど言葉が切ない。


知らないうちに引き込まれ、何故だか自分に重ねてしまう。

ラストはリアルで人間臭さを感じました。


染五郎さんのオオアマの印象は’力’

お化粧がすごいことになってます!

ものすごくカッコいい。


野心家で正体がどんどん現れてくると、その風貌も変わってきます。

貫禄があり、声は地の底から聞こえてくるよう。


セリフ回しは阿弖流為を思い出すのですが、

一回りも二回りも大きさを感じます。

お茶目なシーンも多くて弥次さんと違う笑いを提供してくださいます。


猿弥さんのマナコがこんなにもカッコいいなんて!

今日はご自身の誕生日とあり、

真面目な見せ場のセリフ中に「Today's my birthday!」とぶっこんだ(笑)


会場内「???」という空気でしたが、知っているファンは拍手!

お誕生日おめでとうございます。


いつものごとく面白いし、立ち廻りもバンバンあるし、

見せ場の語りの場面もあります。


弘太郎さんや児太郎さん、虎之介さん方を従えて、

猿弥親分健在です(笑)


児太郎さんの二部からの変貌が大きすぎてギャップが。。。

ご覧になってのお楽しみです。


巳之助さんのハンニャの存在感がすごい。

前半と後半とキャラが変わっていきます。

前半のフワフワしているのにブレてない。。みたいな感じが好きです。

お衣装と化粧、鬘、とてもキャラにマッチしていて素敵です。


二部の春彦 → 伊之助 → 三部ハンニャ

全然違うんですけど(笑)

声も違うのでびっくりです。


ハンニャは、いつも彌十郎さん吉之丞さん片岡亀蔵さんと一緒

鬼チーム。

この4人がとっても楽しい。

人間になりたいけど、なったらなったで愚痴を言う(笑)


芝のぶさんのエナコはインパクトあるし、

新悟さんのアナマロ、梅花さんのマネマロのコンビも不思議な雰囲気。


早寝姫の梅枝さんの可愛らしさは救いでした。

染五郎さんとのラブラブ追いかけっこはサイコーでした。


ヒダの王、扇雀さんのコメディタッチな演技は久しぶりです。

昭和チックなところがものすっごく面白かったです。



背景の桜が圧巻。

歌舞伎ではまず見ない桜の大木。

命が宿っているようでした。


大詰の「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ」


もっと前の場面だったか。。

「私はお前と一緒じゃなきゃ。。

もとい、お前は私と一緒じゃなきゃ生きていけないのよ」


七之助さんの夜長姫のこの言葉が忘れられません。

どうしてあんなに艶やかに言えるのでしょう。


壮大なテーマがあるかもしれないけど、

何だかラブストーリーに思えて切なかった。


呪うか、殺すか、争うかして得た好きなものは、

とてつもない寂しさを伴うものなのかもしれない。


でもその代わり、耳男は満開の桜の下にずっといられる強さを得て、

どこにでも行けるおまじないを刻める希望をもらった。



真夏の桜はとても美しく儚く。。


膨大なセリフの量に圧倒されたけど、

歌舞伎の底力を見せてもらって感動しました。


もう一度拝見するので、

今度はどんなことを感じるのか楽しみです。


有難うございました。




aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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