弥次喜多進化。

こんばんは。


梅雨のようなお天気が続きます。

東京の今日の気温は10月並だったそうです。

体調管理に気をつけたいです。


さて、昨日の余韻に浸っています。

時間が経てば経つほど「桜の森の満開の下」が、

また観たくなっています。


今までの野田版とは全く違う野田版。

研辰を観ても鼠小僧を観ても、同じ演出家の作品とは思えないほど。

それほどに、気持ちいいほどに野田さんワールド全開だったのだと思う。


解釈も自由でいいのだと思っています。

面白いところを私なりに見つけて次回も楽しみたいです。



★本日から内容にたくさん触れようと思いますので

ご覧になっていない方はご注意を。



そんな三部の前に観た二部はものすごく進化していました。

弥次喜多のお話を。


初日以来2回目でした。

猿之助さんは、自分が演出する新作は、

お客の反応を見て変えてくるのが常(笑)


で、びっくりしたのが最初の宙乗り。

昨年の続編ということなので、

弥次喜多の二人が翔んで帰ってくる、鳥屋から登場です。


昨年、花火に飛ばされたからか、

初日はぐったりして死んだようにラップ音楽の中、花道に下りてきました。

ずっと下向いていて顔が見えないよ。。と残念でした(笑)


それが生き生きと宙を泳いでる!

お顔がはっきり見えて、三階だった私は目が合った(と思う)


二人宙乗りでは並ぶ位置は必ず上手が猿之助さん。


そして、全体的にセリフが少しづつ削られている印象でした。

と言っても初日サービス!?でアドリブが多かった部分もあるのかな。

勘九郎さんの最初の場面はもっとしゃべってましたし(笑)


何が削られたか具体的にわからないのだけど(笑)

あれ、場面が短い。。とか展開が早いな。。という場面が。

日を重ねテンポも速くなったのもあると思います。


お芝居が軽やかになり、言葉も少しシンプルになった分、

話の筋が浮き出てきてミステリーの要素が強くなった気がします。


さらに劇中劇「四の切」の解説部分が浮き出てきた!

猿之助さんの専売特許的な解説が目立って嬉しい。

誰よりも説得力ありますから(笑)


四の切の裏の仕掛けや工夫が、殺人のトリックに繋がります。

猿之助さんの素を見ることできたようで楽しいのです。


すごいなぁと思ったことがありました。

お客さんが笑ったり拍手したりすることが多いので、

セリフがかぶって聞こえず残念なことが多々ありました。

展開が速いからどんどん進んでいくのですよね。


それが、役者さんたちが間をとったり演技を変えたりして、

拍手と台詞のタイミングをずらしていました。

お陰でノンストレスでした。


中でも巳之助さんの最初の赤姫姿で登場するシーン。

お客は、まさか巳之助さんが静御前だなんて思わないですから、

登場しただけでざわつく(笑)


巳之助さん演じる伊之助は、

劇中劇で主役の忠信を演じる隼人さんの先輩役者。

自分の当たり役を隼人さんに譲ってワキを務めるのです。


気性が荒く、べらんめえ調(笑)

静のままで野太い声で弟子やスタッフに怒鳴り散らします。

これがまた初日より恐ろしく怖くなっていました(笑)


それが面白すぎるから、

初日は去り際の面白い部分が

お客の笑い声で消されてしまいました。


でも昨日は、面白いのはそのままで演技のトーンを変え、

笑いでラストの言葉が消えないようにしていました!

偶然ではなかったと思っています。


猿之助さんもそうです。

笑いで聞こえなくなってしまう言葉を、

聞こえるタイミングに発することができるよう演技を変えていたり。


初日は、役者さん方が思いもよらない箇所で、

お客の大爆笑のオンパレードだったのだなぁと。


これは最前列で観ていたからわかることです。

笑いでかなりセリフが消されていました。

それが全体的に上手く笑いをコントロールしていたのが感動でした。


また、児太郎さん新悟さんのラブラブなシーンがエスカレート!

あんな新悟さん初めて見ました。。。

ある意味ショッキングなんですけど(笑)

でもその大胆さが好きです。


そして「どっちを取り調べまSHOW」

前代未聞の大詰が2パターン!


染五郎さん猿之助さんのマイクパフォーマンスが大好きです。

マイクは2年連続ですね。


容疑者を二人にしぼり、

どちらを取り調べるかお客の拍手で決めていきます。


それぞれ展開が違うのです。


初日以来、交互にきていると友人から聞いたので、

また同じほうかとあまり期待せず。。


でも観たい方にこれでもかと大きく拍手した甲斐があり(笑)

違うパターンを観ることができました。

全くテイストが違う(笑)


猿之助さんの頭の中はどーなっているのでしょうか。

アレが’生’で見ることできるのは感謝です。


幕切れは「四の切」のラストシーン。

隼人さんの狐忠信ではなく、弥次喜多が宙乗り。


初日は、舞台袖にはけた隼人さん黒子さんたちが、

お客に見えないように宙乗りを見送っていました。


昨日は、隼人さんが花道に残って二人を送っていました。


桜吹雪の中の猿之助さんがやっぱり素敵(笑)


初日よりもあっという間でした。

どんどん面白くなっています。


これだから猿之助さんの演出はたまりません。

ちょっとマニアックな見方をしました。


まだまだ余韻に浸ります。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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