御浜御殿綱豊卿 今と昔。

こんばんは。

帰宅が遅くなり深夜の更新です。

遅くにごめんなさい。


浅草歌舞伎で「御浜御殿綱豊卿」を観て、

たくさん記憶が甦ってきました。


今月、綱豊卿を演じる松也さん、助右衛門の巳之助さん。

とても演技が熱くて、もう若手ではないなぁと。

もしかしたらこのまま歌舞伎座で上演しても、

お客の心を掴むのではないかと感じました。


心と体で役にぶつかり、

その集中力と粗削りだけど一生懸命さは感動しました。


二人の心の動きが、言葉、表情、所作。。

全てから伝わり、芝居にのめり込みました。


綱豊卿が、大石内蔵助は吉良を討つのか討たないのか。。

手を変え品を変え質問攻め。


助右衛門は赤穂浪士。

いざ討入の時のために吉良の顔を見たくてやって来たのでした。


綱豊卿の質問を苦渋に満ちた顔でかわしていきます。

大石を悪く言われた時には苦しく、怒り、

それでも本心を明かさない助右衛門。


その様子を見ていたら自然と涙していました。

巳之助さんは、人の心に届く演技をする人なのだと、

深く感動しました。

助右衛門を通して大石や赤穂浪士たちが見えます。


追い詰められて綱豊卿に反撃。

今度は松也さんが追い詰められます。


助右衛門の義理妹のお喜世、米吉さんが、

助右衛門の無礼にたまりかねて爆発するのも胸に迫りました。

命がけで義理兄を止めます。


それまでのらりくらりしていた松也さんが一転、

怒りの表情になり荒々しくなるところもよかったです。


助右衛門は少し変わった人物のようで、そこも魅力的。

近くに来い、という綱豊卿に反発して、

絶対に敷居をまたぎません。


それが激論のラストにまたがざるを得なくなるのです。

松也さんの駆け引きも上手い。

巳之助さんがまたいだ瞬間、うわ~~となる。

松也さんとのやり取りが激しく説得力あり感動的でした。


どんなやり取りなのかは是非とも劇場で。


女方の主要キャストの米吉さん新悟さんの熱演も光り、

同世代で大曲を演じる浅草歌舞伎の醍醐味を心から味わった。


浅草公会堂の舞台は歌舞伎座よりも小さいので、

幕が開いた時はコンパクトな印象でした。

そこに松也さん方がいるとさらに小さく感じるくらいです。


そして。。。セットを見たら、

猿之助さんの助右衛門がじわじわと心に湧いてきました。


2010年の浅草歌舞伎。

当時は亀治郎で、ほぼ女方しか観たことがありませんでした。

この配役を聞いた時には???な感じ。


綱豊卿は愛之助さん。

今回の松也さん同様に仁左衛門さんに習っていました。


亀治郎さんはとにかく勢いがあり、

言葉が走っていたけど、

観ているうちにのめり込んでワクワクしていました。


実はその前、2009年3月の’歌舞伎座さよなら公演’で、

初めてこの演目を仁左衛門さんと当時染五郎さんで観ていました。

この時も感動したのですが、ただただ圧倒された印象です。


その後の亀治郎さんの時にやっと話が腑に落ちて、

この演目が大好きになりました。


それに亀治郎さんの立役もよいではないか!と、

上から目線で感動したのを覚えています。


お喜世は七之助さん。

江島はなんと亀鶴さんでした。


今月よりも若い雰囲気だったように思います。

青々しいというか。


他には亀治郎さんの悪太郎、

勘九郎さん(当時勘太郎さん)の袖萩、

七之助さんは滝夜叉姫をしたのでした。


それを思うと今年のメンバーの大人な雰囲気はすごい(笑)

昨年一年間でそれぞれが成長したからなのだと感じます。


自主公演をしたり、

歌舞伎座で主役級の役を務めたり、

ワンピースで猿之助さんのいない二か月間を支えたり。。


昨年の1月とは比べものにならないくらい進化しています。

多くの方に観ていただきたです。


先輩方からのバトンを受け取り、

見事に引き継ぎ、豪快に走っています。


これだから浅草歌舞伎はやめられない。

来年もこのメンバーで大曲にチャレンジしてほしいです。


ものすごく面白かったです。

有難うございました。




aya。



aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • rio

    2018.01.17 11:09

    @teateaさん、有難うございます。 好きなお話なので、そう言っていただけると嬉しいです。
  • tea

    2018.01.17 06:00

    初めまして… 拝読させて頂きありがとうございました 目の前にお舞台が… ありがとう御座いました (/////) 猿之助様 お見舞い申し上げます