一條大蔵譚と熊谷陣屋 1
こんばんは。
明日から三連休です。
4月の大きな仕事まで気が休まりそうもなく、
ちょっと鬱々としています。。
猿之助さんの舞台を今月来月と拝見できるので、
頑張っている姿を見て私も頑張ろうと思います。
さて、連休も盛り上がること間違いなしの歌舞伎座。
幸四郎さんの襲名披露狂言の二つを観て、
これから進む道がとてつもなく広く大きいものだと感じました。
それに果敢に挑む幸四郎さんに胸がいっぱいになりました。
高麗屋、播磨屋の家の芸をしていくことになるのだと改めて実感。
「一條大蔵譚」「熊谷陣屋」は、
曾祖父である初代吉右衛門さんの当たり役だそう。
今月、この二つをなさることは、
播磨屋の芸も繋いでいくということですよね。
今まで白鸚さん世代の役者さんが演じてきたお役を、
私も何度か拝見してきました。
幸四郎さんで拝見すると、当たり前だけど若い印象です。
でもそれが新鮮で、何だかワクワクしてしまいました。
大蔵卿は公家の中の最高幹部。
平家全盛の世の中で、元は源氏に所縁があることから、
阿呆のフリをして源氏再興を願っています。
幸四郎さんの登場は、足音からワクワク。
作り阿呆の笑顔が可愛らしい。
1月の公演を経て、
襲名するとこんなにも風格が増すのかと驚きました。
染五郎時代に初演した時と雰囲気が全然違いました。
前半の檜垣の場面で明るければ明るいほど、
後半が切なくなります。
ふわっと華やか。
思わずこちらも笑顔になってしまう。
お京が舞うのを本当に楽しそうに観てる。
ずらっと連れてあるいているお付の人数も圧巻。
鳴瀬役が秀太郎さんで豪華。
お京役は孝太郎さん。
猿之助さんがなさる予定でした。
孝太郎さんは柔らかく、でも凛として素敵でした。
今までの方々は強いイメージでしたが、
強いけど柔らかく新鮮でした。
吉岡鬼次郎役は松緑さん。
お京の旦那さんです。
身のこなしにスキがなくカッコいい。
忠義に一途。まっすぐ。
夫婦は源氏方で、大蔵卿の妻である常盤御前の本心を知りたくて、
屋敷に潜入するのです。
常盤御前が以前の夫の義朝や源氏のことを
忘れてしまっているのではないか。。と。
その後、実際に常盤御前のところに忍び込み、
源氏再興を願っている本心を聞いて安心します。
常盤御前役は時蔵さん。
これはもう安定というか、イメージどおりのすごく芯の強い女性です。
常盤御前が本心を語るのを聞いていた悪人がいました。
八剣勘解由は歌六さんです。
もう出てくる役者さん方が凄すぎて(笑)
歌六さんにも目がいってしまう。
勘解由は常盤の本心を平清盛にバラシてしまおうとします。
鬼次郎と立廻りをしている中、大蔵卿が勘解由を刺します。
そして、阿呆のフリをしていたことなど、
皆の前で本心を明かすのです。
正気と阿呆の一瞬の切り替えが見ものです。
幸四郎さんはあまりキレはなかったけど、
それよりも言葉に対しての気持ちが伝わってきました。
阿呆のフリをしていないと生きていけない。
それを誰にも言うことできない孤独。
一生、このまま。
覚悟しているはずなのに、哀しさが溢れます。
鬼次郎たちに源氏再興を託すけど、
羨ましいというか。
幕切れの幸四郎さんはとても切なかったです。
これから演じていく大蔵卿の第一歩を見せていただき感動でした。
余談ですが。。
私がこの演目を初めて見たのが亀治郎時代の猿之助さんでした。
浅草歌舞伎でした。
その時は大蔵卿の気持ちというより、
亀治郎さんの阿呆と正気の切り替えの鮮やかさに驚いた!
今回は上演されていない「曲舞の場」があり、
剣の舞を舞いながら敵をあしらっていたのが面白かった記憶があります。
可笑しくて、可愛くて。いろいろ絶妙(笑)
おもだか屋の曲舞ということでしたが、また観たいな。
播磨屋さんの時はこの場面がないようです。
そんなことも思い出しながら楽しいひと時でした。
熊谷陣屋に続きます。。。
aya。
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