髪結新三@国立劇場

こんばんは。

今日は国立劇場に行ってきました！

初めて拝見した「増補忠臣蔵」はとっても面白かったです。

1時間という上演時間もいい。

鴈治郎さん片岡亀蔵さんの重厚なお芝居に惹き込まれました。

梅枝さんの唄と琴も素敵でうっとり。

もう一回観たいくらい。

新三の方が目当てでしたが、

忠臣蔵のスピンオフのこのお話は感動でした。

先に「髪結新三」のお話。

菊之助さんが初役で新三を務めています。

想像以上にくだけていてワルでカッコイイ！

きっとこの先ずっと演じていくだろう

新三の第一歩を観ることができて嬉しくなりました。

私はこのお話が大好きです。

江戸っ子の血が騒ぎます(笑)

東京ではかかることが多く、観る機会が多い演目です。

勘三郎さんを最後に観たのが平成中村座の新三でした。

子分の勝奴は勘九郎さんでした。

三津五郎さんの新三も好きでした。

勘三郎さんが鬼籍に入った後に納涼歌舞伎で拝見し、

勝奴を勘九郎さんが演じて。。それだけで泣きました。

勘三郎さん三津五郎さんの髪を結う場面が面白くて、

めちゃめちゃ手際いいリズミカルな職人芸には笑いました。

新三＆勝奴コンビはその他、

白鸚さん幸四郎さん、菊五郎さん菊之助さん、

芝翫さん橋之助さん、松緑さん坂東亀蔵さん、などなど。

親子共演が多いのですね。

新三を幸四郎さんが演じる時がくるかもしれません。

巳之助さん橋之助さんも将来観てみたいです。

私の中では新三はベテランの方々のイメージなのです。

松緑さんの時も新鮮でしたが、

菊之助さんは元々女方なのでさらに新鮮でした。

大好きな髪結のシーンは手際がよくスマート。

菊之助さんぽくて私は好きでした。

年を重ねるほどに進化するのだと思います。

しゃべりながら、白子屋手代の忠七に駆け落ちをそそのかす。

その優しいことったらありませんでした。

忠七役は梅枝さん。

最近は立役も見慣れてきて、私の中でしっくり。

とてもシュッとしていい男。

白子屋の娘、お熊と恋仲です。

お熊の祝言が急きょ決まり、連れて逃げてほしいと

お熊から迫られていました。

新三はそのことを知り、

駆け落ちをそそのかして、二人を手助けするフリをします。

騙してお熊を誘拐して身代金をせしめるつもりです。

お熊は梅丸さん。

ものすっごく可愛いです。

可愛くて可愛くて品もいい。

お熊役は梅枝さん児太郎さん新悟さんが印象的です。

このお役も世代交代だなぁと思いました。

二人が駆け落ちをすると、新三は超極悪人に変身します。

菊之助さんの冷たいこと！

この場面は忠七が可愛そうでいつも心が痛みます。

騙されたと知った忠七の打ちひしがれ悲しい気持ちが、

梅枝さんから伝わり、とても悲しかったです。

新三はまんまとお熊を自宅に隠すことに成功します。

家には子分の勝奴と住んでいます。

勝奴は萬太郎さん。

とっても鯔背！世話物いいですねぇ。

江戸っ子口調が気持ちよくて爽やか。

小者感もいい感じです。

お熊を取り返そうと、まずやってくるのが侠客の弥太五郎源七。

團蔵さんです。大きく立派な侠客でした。

親分相手に新三は負けません(笑)

ですが、家主さんにはめっぽう弱い。

家主さんがやってきます。

屋主夫婦は強欲でやり手。

白子屋からの三十両を手に新三に話を付けにやってきます。

もちろん、お熊を取り戻した際の御礼が目当てです。

家主は片岡亀蔵さん。

意外なのですが、亀蔵さんの家主さんを初めてみました。

家主さんと言えば彌十郎さんなのです(笑)

その一筋縄でいかない、おかしみたっぷりな強欲ぶりに

何度も笑ったものです。

亀蔵さんが面白くないはずがないです(笑)

優しい言葉は全てうわっ滑りで、

ガンとして絶対に譲らないという不動の態度。

会場からもたくさん笑いが起きて、

お金を数え始めるだけで笑える(笑)

亀蔵さんとのやり取りしている菊之助さんも楽しそうで、

今まで観たことのない面白くて情けない菊之助さんでした。

そこに萬太郎さんも加わり、

亀蔵さんスパイスで若手二人が生き生きして見えました。

お熊は無事に助けられて白子屋に戻ります。

家主さんが新三をどうやり込めるのかは是非劇場で。

千穐楽に向かって、もっともっとチームワークがよくなっていくと思う。

とにかく家主さんサイコーでした。

家主女房は橘太郎さん。

コロッとしていて可愛らしいけど強欲。

この役も大好きです。

白子屋後家お常役は萬次郎さん。

少しのお出番ですがインパクト大です。

全ての役者さんが達者で新三の世界観にワクワクしました。

鰹売りをなさった方も活きがよくて、

江戸時代も鰹売りも見たことないけど(笑)、

昭和を想い懐かしくなり、初夏の風を感じます。

鰹売りのあの言い方は正しいのだそう。

変わってるけど愛嬌があっていい。

江戸っ子だねぇ。

菊之助さんの長男 和史くんは元気いっぱいでした。

楽しそうに演じていて微笑ましかったです。

髪結新三。

観ながらいろんなことを想い出しました。

好みを言えば、もっと人間力みたいなものがあるといいな。

でもそれよりも新たな新三の誕生が素直に嬉しかったです。

面白かったです！

有難うございました。

aya。