伊達の十役 1
こんばんは。
昨日は日帰りで博多座に行ってきました。
博多は大雨でしたが、
劇場は駅と直結していて全く濡れず快適でした。
私は観た歌舞伎の中で一番好きな演目が「伊達の十役」です。
残念ながら猿之助さんは演じていません。
でも私の心が最大級に反応したのがこの演目です。
’おもだか屋’のお家芸を見ると血が騒ぐのです。
観ながら興奮しているのがわかるし、
瞳孔が開いて、瞬きしていないのではないかと思うくらい。
案の定、前日はドキドキしてよく眠れず。。(笑)
約4年ぶりに観る伊達十にワクワクしていました。
幕間2回入れて約4時間半!
興奮しっぱなし!
ものすっごく面白かった!
幸四郎さんの、猿翁さんへの。。伊達十への愛情が、
バンバン伝わってきます。
猿之助さんはいませんが、猿之助歌舞伎なのです。
前回の博多座公演で猿翁さんが幸四郎さんに贈った色紙の言葉
「翔べ」
観ながらこの言葉が浮かんできて何度となく涙が出そうになりました。
お家が違ってもこうして魂が継がれていくのだなぁと。
幸四郎さんに感謝です。
初日から4日目にしてこの完成度。
幸四郎さんを裏で支えているおもだか屋一門の皆様に
絶大なる信頼を寄せているからこその安心の全力投球なのだと感じます。
幕開きの口上から二幕目まで、
1回目の幕間まで1時間45分ノンストップ!
口上は幸四郎さんが博多弁を交えて、
あらすじの解説などをしてくださいます。
伊達家のお家騒動が軸になり、
幸四郎さんが善悪男女入り乱れて10役を演じます。
「裁き裁かれ、殺し殺され、生き変わり死に変わり、宙を飛び、地に潜り~」
あ~~この言葉が聞きたかった!
40数回におよぶ早替りの覚悟とワクワク。
なんとも言えない幸せな気持ちなのです(笑)
のっけからのこれでもかの早替りに、
博多の皆さんはポケッとしている方が多いようでした(笑)
でもここで’早替り’というものを脳にすり込ませておくと、
大詰が盛り上がるのです!
大向うさんも盛大にかかっていました。
博多座の大向うは聞いていてテンション上がります。
新たな登場人物が出てきても出てきても「高麗屋っ!」
お客さんも「え!また幸四郎!?」とわかりやすいですね。
早替り自体も進化していて、
めちゃめちゃ速いけど、鮮やか過ぎず、
ちゃんと「また幸四郎ですよ~」と細かい技も心憎かったです。
はけ方や、登場の仕方、お顔を明らかにするタイミング、などなど。
わざと着物を直したり、舞台裏を走る足音を立てたり。。
他にも工夫があるようです。是非、劇場で。
おもだか屋ファンであれば、
大道具。。背景のセットを見ただけで、
早替りあるのね。。とわかる方も多いはず。
懐かしい~これこれ~と思いながら観ていました。
吹き替えをどなたがなさっているのかわかりませんが、
おもだか屋の方々ですよね。。
幸四郎さんと息がぴったり!
猿之助さんの時は「猿之助さんに似てるな」と思うのに、
今回は幸四郎さんに似てる。。ように見えます。
すごいことです。
もう私は幸四郎さんに釘付けでした。
鴈治郎さん、そして白鸚さんが登場してハッとなりました。
あの三浦屋のシーンに白鸚さんがいらっしゃる奇跡。
白鸚さんの三浦屋亭主、幸四郎さんの高尾太夫や腰元 累。
襲名公演なのだと実感しました。
高尾太夫が殺される’三浦屋奥座敷’の早替りは興奮です。
殺す方、殺される方、両方が幸四郎さんですから(笑)
そして’かさね’を思わせる連理引き。
からの花道七三の’むしろ’だけで行う早替り。
これが見えそうで見えない(笑)
巧みすぎて会場のどよめきの波が起きました。
すれ違っただけで鬘から衣装まで変わってしまいます。
二幕目「宝藏寺土橋堤」では壱太郎さん梅丸さんが登場。
壱太郎さんの赤姫はいつも通り麗しく、
梅丸さんの立役はびっくりするほど凛々しかったです。
梅丸さんの立廻りは珍しいですよね。
猿三郎さんと戦ったりします。
形が綺麗で、少しの出番ですが輝いています。
白鸚さん孝太郎さんも登場しての’だんまり’は豪華です。
ラストまで、びっくりの早替りで幕間になりました。
2時間弱があっという間です。
まわりには歌舞伎初めてとか、
伊達十が初めて、という方が多かったように思います。
幕間になると「どうなってるの?」とか「全然わからなかった」
などなど、どよめきが止まりませんでした。
心の中では、そうでしょそうでしょ(笑)という感じ。
ほぼ満席の光景も嬉しい。
三階席前方は花道が見えます。
全体がわかりノンストレスでした。
次の三幕目、約1時間はそれまでとガラッと変わり、
じっくりお芝居を楽しむ場面。
緩急ついた芝居構成も魅力です。
いよいよ仁左衛門さんの八汐が登場します。
aya。
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