幕見で俊寛 2

こんばんは。


雨風のピークが過ぎました。


博多の旅の続きです。


博多座で幕見席を初体験しました。

夜の部の最初「俊寛」を観ました。


16:20~17:30までなので、

福岡空港の夜便に余裕で間に合います。


実は。。。。

私が人生で初めて観た歌舞伎がこの「俊寛」です。

しかも猿之助さん!


亀治郎時代の自主公演「亀治郎の会」でした。

登場した時は素顔が全く想像できず(笑)

それでも一瞬も飽きずに観ることができました。

思い出の演目なのです。


仁左衛門さんの俊寛は初めて拝見しました。

何だろう。。すごくじわじわ心にきました。


平家討伐の企てが顕れて鬼界ヶ島に流された俊寛のお話。


ストーリーを知っているからかもしれません。

姿を見ているだけで、どんどん切なくなるのです。


吉右衛門さん、白鸚さん、勘三郎さん、右團次さん。。

今まで観た俊寛と、当たり前かもしれませんが、

全く違い新鮮でした。


凛とした雰囲気があるけれど、親しみやすく、リアル。

遠い話ではなく、身近な話に感じる不思議。


派手なこともなく、

淡々として深い。。そんな感じです。


クシャッとなる笑顔を見ると切なくなるし、

すがる姿にも切なくなる。


そして、島にたった一人残ることになった時。

孤独に心がつぶされそうになっていく様子に

何だか身につまされるようで涙が出てきました。


今、私は孤独ではないし、

逆に孤独になることが好きかも。。なんて思っています。


でもそれは本当の孤独を知らないからかもしれない。

仁左衛門さんを観て涙が止まらなくなってしまった。


人間はいつかは孤独に死んでいくのだと、

それは当たり前なのだという想いが湧いてきました。


喜んだり、幸せだったり、怒ったり、後悔したり、

自分や誰かのために戦ったり。。。


派手な事件があるわけではないストーリーだけど、

私も年を重ねたからこそ、

シンプルなことに感動できるのかもしれない。

人間に感動。。というか。


幕切れの表情は、

心臓をギュッと掴まれたように切なくなりました。


海女千鳥は孝太郎さん。

予想以上に若く、可愛らしいのにびっくり。

若手が演じるより、こうしたベテランの方のほうがいいな。

素敵でした。


丹波少将成経は鴈治郎さん。

平判官康頼は猿弥さん。

お二人の見た目が似ていて微笑ましい(笑)


瀬尾太郎兼康の彌十郎さんは憎々しく、

丹左衛門尉基康の梅玉さんは颯爽としていました。


舞台背景も素晴らしく、

ラストの舞台転換をいつも楽しみにしています。


博多座は広いので、広がっていく海も壮大。

まるで客席も海になったような光景は感動でした。


観ることができて本当によかったです。

有難うございました。


終演すると、並びのご婦人も泣いていました。

感動でしたね~と会話をして、

劇場の外までご一緒し気持ちを分かち合いました。


私と同じように遠方からいらしたそう。

お互いに来月は大阪に行くことがわかり、

元気に追いかけましょう!とお別れしました。


こういう一期一会も歌舞伎遠征の醍醐味です。


そして、友人ずんこさんの妹ちゃんと待ち合わせて、

空港で食事を楽しみました。

残念ながら、ずんこさんにはお会いできませんでした。

妹ちゃんが来てくれて歌舞伎談義で盛り上がりました。


飛行機に乗るまで、幸せな時間は続きました。

ありがとう。


超充実した日帰り遠征でした。

いつかまた博多座に行きたいです!

感謝。




aya。





aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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