花魁草@納涼歌舞伎

こんばんは。


神様からご褒美のような涼しさが続いています。

少し体が休まりました。


今日は納涼歌舞伎 第一部を観てきました。

弥次喜多は観ないけど’弥次喜多弁当’!


地下2階の木挽町広場のお弁当屋さんで販売中。

1800円で、団扇付きです。

思うより量は多くなくて完食できました。美味。


第一部は幕間が2回あります。

最初が30分なので唯一ゆっくりお弁当を食べることができる部。

客席で食べるのは歌舞伎座の醍醐味の一つです。



さて、第一部がとっても面白かったことに感動です。

上演時間が一番長く演目が三つあるのですが、あっという間でした。


他の部とは全く違うテイストで、

幸四郎さん獅童さん七之助さん中車さんが大活躍。


七之助さんが女方で芯を務めたり、

扇雀さん彌十郎さんが登場すると、

今までの納涼歌舞伎の空気感を思い出します。

ここに勘九郎さんがいないのがちょっぴり寂しい。。みたいな。



最初の「花魁草」はあまりかからない演目。

前回は2011年8月です。


私はその時を拝見していて、

お蝶は福助さん、幸太郎は今月と同じ獅童さん。

百姓米之助は勘太郎さん(現 勘九郎さん)でした。


記憶が朧気でしたが、

見ているうちに福助さんを想い出してきて胸がいっぱいになりました。


そして、ラストはお蝶に泣けて泣けてしょうがなかった。


暗い話だった?と想像していました。

こんなに夏の花火のように切なくて、

でもどこか明るい希望みたいな気持ちが残る物語だったのだと涙。


江戸の安政大地震から一夜明けたところからお話は始まります。

生き延びた役者の幸太郎と、女郎のお蝶が偶然出会います。


さらに二人は、船に乗った百姓の米之助に偶然出会い、

米之助の家がある栃木で二人で暮らすことになりました。


相思相愛なのですが、

お蝶は10才年上で、実は暗い過去がある身。

米之助が祝言を勧めるのを断り、幸太郎の側にいるだけでいいと言います。


ある時、また偶然にも以前、幸太郎を贔屓にしていた女将や、

猿若町の座元が、幸太郎を見つけてやってきます。


地震から江戸は復興を遂げ、芝居の幕が上がることになったので、

江戸へ戻って役者をすることを勧めます。


幸太郎はお蝶が一緒に行くなら、と江戸で役者をすることを決心します。

そして二人で江戸へ。。

でも、お蝶はある想いを心に秘めていました。。。



お蝶は扇雀さん。

とっても素敵でした。

人生経験があるから、純粋な幸太郎に惹かれていく。

好きだからこその不安とか、ちょっとしたことで感じる幸せとか。


お茶目でクスッとするところもあるし、

応援したくなるし、自然と入れ込んでしまった。

ラストは強さも感じ、心とは裏腹に凛とした姿が印象的でした。


幸太郎は獅童さん。

真っ直ぐで一途な好青年。

こんなふうに惚れられたら幸せだろうな。


扇雀さんとのやり取りは、

面白い場面もあってけっこう笑いました。

大詰に見せる姿とのギャップにやられた(笑)

心を打つ演技に涙が止まりませんでした。


百姓米之助は幸四郎さん。

小汚くて(良い意味です!)キャラが面白すぎます。

ご本人が楽しそう(笑)


こういうあったかいご近所さんは、

観ていてもほっとする存在です。


女房の梅枝さんも小汚く(良い意味です!)、

姫役とのギャップがすごくて楽しかったです。

達者な方です。


幸太郎贔屓の女将は萬次郎さん。

贔屓役者がいる私としては痛いほど気持ちがわかる。

身分はかなり違いますが(笑)


座元の弥十郎さんも貫禄があってあったかい。

江戸の雰囲気をまとい、スマートで素敵でした。


栃木ののんびりした雰囲気の中、

彌十郎さん萬次郎さん方、江戸の人が来ると、

ガラッと空気が変わりました。


幕開きの松之助さん梅花さん夫婦が印象的。

風情あり、被災した大変さが伝わってきました。


幸太郎を慕うお糸の新悟さんは華があり、

虎之介くんが粋でよかった。



地震が起こったことで、

偶然の出会いが重なっていく。


この人と出会わなければ。。。

この人とすれ違わなければ。。。


誰も悪くない。

そして皆が皆の幸せを願っている。


だから、切ないけど救われる。

夏に合うお話だと思いました。

また観たいな。



有難うございました。



この後は高麗屋親子の舞踊です。




aya。







aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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